1992年末の世界の株式時価総額のトップ3は「エクソンモービル・ウォルマート・GE」でした。
それがインターネットの普及に伴い、2018年1月末では「アップル・アルファベット(Google)・マイクロソフト」とIT企業が上位を独占しています。
当時トップだったエクソンモービルの時価総額759億ドルに対し、2018年1月末時点でのアップルの時価総額は8,596億ドルと、桁も1つ違うほどで、 IT企業の伸びには目を見張るものがあります。
これからご紹介するIoTの分野も、ここ数年注目されていますが、今後さらに大きく変化をする可能性を秘めた業界となることでしょう。
そしてIoT関連企業は、今後大きな成長が期待されます。
この記事では、IoTとはどのようなものなのか、注目しておきたいIoT関連銘柄と今後の見通しについて解説していきます。
1、IoTの定義とは?
IoT(=Internet of Things:アイオーティー)とは、様々なモノがインターネットにつながるということを言います。
「デジタルデータによって現実世界を捉え、現実世界を動かす仕組み」というのが、一般的なIoTの定義です。
インターネットというと、Googleなどで情報を検索したり、Facebook、TwitterなどのSNSで情報を発信したりするといった、「コンピュータやスマートフォンなどの情報機器を使い、世界中の様々な情報にアクセスするもの」というのが一般的なイメージではないでしょうか。
IoTを簡単にいえば、インターネットに接続する対象を、従来のコンピュータやスマホといった情報機器から、センサと通信機能を持ったあらゆるモノに広げるというものです。
そこにこれまでのインターネットの概念を超えた新しい価値があります。
工場の機械や自動車、はたまた私たちの家にあるエアコンや冷蔵庫まで、様々なものがインターネットに接続されるようになるのです。
インターネットに接続された冷蔵庫の中の牛乳が少なくなってくれば、自動的にネットで注文されて、なくなる頃には家に配達される、そんな技術もアマゾンなどによってすでに実用段階にあります。
2、IoT銘柄とは?具体的にどんなビジネスモデルなのか
前述の自動で商品を注文できる冷蔵庫のような「オムニ家電」など、IoT技術は私たちの身近なものとなりつつあります。
IoTによって、センサと通信機能さえあれば、パソコン、スマホといった情報機器はもちろん、家電、自動車、工場の生産設備、発電設備、社会インフラなど、あらゆるモノがインターネットにつながる可能性が開かれたのです。
さらにモノとインターネットがつながるだけでなく、AIやクラウドといった他の技術と組み合わせることによって、IoTはさらにその真価を発揮することが期待される技術でもあります。
IoTのビジネスモデルは、AIやクラウドなどを含む「プラットフォーム関連」、半導体やセンサといった「デバイス関連」、ネットワーク基盤となる「5G関連」、「サイバーセキュリティ関連」など、様々な分野で構成されています。
そのためIoT銘柄は、これらさまざまな分野を含めて非常に多岐にわたります。
3、IoT銘柄を検索してみましょう
では、IoT銘柄にはどのような銘柄があるでしょうか。
IoT銘柄を検索するには、各証券会社のキーワード検索や、以下のサイトのテーマ検索機能などが便利です。
【Kabutan】 IoT(モノのインターネット)関連が株式テーマの銘柄一覧
15銘柄のみ記載してます。
4、IoT銘柄オススメ7選
IoT銘柄には多くの銘柄がありますが、その中でも押さえておきたいオススメ銘柄をご紹介します。
(1)ロックオン
ロックオンは、ネット広告のECサイト構築など、マーケティングプラットフォームをメインに行っている会社です。もともとデジタルマーケティングとEコマースで国内トップシャアを誇る会社でしたが、マーケティングに関するビジネスモデルと、IoT・AI・ビッグデータを融合し、「企業と顧客のコミュニケーションの円滑化(自動化・効率化)」を目的とした「マーケティング ロボット カンパニー」へと経営方針の転換を表明しています。リアルとネットを融合する新たなIoT銘柄として注目です。 |
(2)APLIX(アプリックス)<3727>
APLIXは、もともとPC・スマホ向けのソフトウェア開発する会社でしたが、2016年にIoT事業を核とすることを発表しました。IoT導入に必要とされるセキュリティ・デバイス・アプリ・クラウドといった一貫して提供し、企業のIoT導入をサポートする重要な役割を担う企業として注目のIoT銘柄です。 |
(3)JIG-SAW(ジグソー)<3914>
JIG-SAWは、クラウドやサーバーを対象とした自動監視システムをメインに展開している会社です。2017年5月にサーバ・クラウド運用を行うGMOクラウド(3788)と企業のIoT化における企画・開発・相談を行うサービスでの提携を発表したほか、工場IoTでバイテックHD(9957)と提携しFAを推進するなど、今後も注目のIoT銘柄です。 |
(4)日立製作所<6501>
日立製作所は、日本を代表する総合家電メーカーであるとともに、多種多様な事業を展開する会社です。鉄道・公共・製造・医療・物流・エネルギー・農業など様々な分野においてIoTソリューションサービスを展開しており、トヨタ自動車(7203)やダイキン工業(6367)などと組み、IoTを活用した効率生産モデルを構築するなど、注目のIoT銘柄です。 |
(5)三菱電機<6503>
三菱電機は、日本を代表する総合家電メーカーであり、IoTにも注力しています。 三菱電機が開発した、航空写真からの3次元モデルを構築し、電磁界シミュレーションを可能にする「電波の見える化」技術は、IoT導入にかかる時間やコストの削減につながると期待されています。 |
(6)安川情報システム<2354>
安川情報システムは、独自の制御技術でサーボモータとインバータ、産業用ロボットも累積台数で世界トップの安川電機の持分法適用会社であり、システム構築と組み込みソフト開発をメインに行っている会社です。 安川電機では、2018年6月にはAIとIoTを活用した新工場の完成を予定であり、機械とソフトを組み合わせた工場自動化推進しています。その効果も期待され、来期は利益倍増予想と要注目です。 |
(7)日本システムウエア(NSW)<9739>
日本システムウエアは、システム開発や組み込みソフト・半導体設計に強みを持つ会社です。日本システムウエアが提供する、IoT専用クラウドプラットフォーム「Toami」は、アプリで簡単にIoT機能の編集や開発ができるため、IoTサービス導入の期間短縮・コスト削減を可能にしました。ヤンマーのIoT活用次世代農業の実証実験に参加するなど、IoT分野での展開を進めています。 |
5、今後のIoT株の動向は?
IT専門調査会社 IDC Japan(株)の調査によると、国内IoT市場は2021年まで平均年17%で成長し、市場規模は11兆円に達すると予想しています。
これは2016年の市場規模約5兆円(推計値)の2倍以上の規模であり、2020年頃まではIoT株の見通しは明るいと言えます。
ただし、その後の継続的な成長には、新たなIoT技術の開発や産業分野の開発も必要となってきます。
それをクリアできれば、IoT銘柄は次なるステージへと進み、株式時価総額ランキングを塗り替えるような企業へと成長する可能性を秘めていると言えます。
まとめ
IoTは、インターネットの登場に匹敵するほどの変化を私たちの生活にもたらす可能性を秘めています。さらにAIやクラウド、自動運転、ロボットなど他の注目分野との関わりも深く、IoT銘柄は大きな成長が期待できると言えます。
今回ご紹介した銘柄をはじめ、成長が期待できるIoT銘柄は多くありますので、投資を検討してみてはいかがでしょうか。