バリュートラップとは?塩漬け株から脱出してバリュー投資を成功させる方法

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投資家の皆さん、「バリュートラップ」という言葉はご存知でしょうか?

バリュー投資で利益を狙っていた銘柄がいつまでも割安のままだったり、さらに値下がってしまったりする状況を指します。

本記事ではバリュートラップを回避するための方法と、本質を理解してバリュー投資を成功させる方法について解説します。

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1、バリュートラップとは?

バリュートラップとは冒頭でも説明した通り「割安とされる銘柄が割安のまま放置されている状態」を指します。

上記バリュー投資の説明で言うところの企業価値>株価となる銘柄を買ったにも関わらず一向に株価が企業価値に追いつかない状態とも言えます。

2、バリュートラップ対策は、バリュー投資の基本から

投資の王道戦略は「安く買って高く売る」ことです。

その王道に沿った投資方法がバリュー投資と呼ばれるものです。バリュー投資では企業価値(バリュー)が実際の株価を上回っている時に株を買っておき、株価が企業価値に追いつく(値上がった時)に売却益を狙います。

(1)企業価値

バリュー投資を成功させるためには企業価値について理解する必要があります。企業価値は以下のファクターから測ることができます。

  • 事業価値
  • 金融資産

事業価値は企業の将来性と言い換えることもできます。

事業価値が高いほど安定した収益を生み続けることができ、長期的な繁栄が期待できます。

金融資産は企業が保有する金銭面的なリソースです。

単純に金融資産が潤沢であれば事業推進もスムーズに行うことができますし、不況となっても耐えることができます。

逆に資産ではなく負債の割合が多いならば企業価値としてはマイナスと判断できます。

(2)株価の決め方

では、株価はどのようにして決まるのかおさらいしてみましょう。

上場企業の株価は市場が決めます。

市場とはそもそも個人投資家はもちろん、機関投資家、アクティビスト、ヘッジファンド、外国人投資家など多くのプレイヤーが取引に参加し、各人の思惑で企業価値の高い株を買おうとしています。

この「各人の思惑」というのが投資を難しくしているのです。

単純に「企業価値=株価」とならないのはこのためです。

例えば、株をよく分からない素人が適当に株を買っても株価は動きます。

他にも、機関投資家がある銘柄に大量に買注文をいれ、あたかも企業価値が上がったと見せかけて他プレイヤーを誘き出す戦術も存在します。

 

もちろん上記の確認の思惑に加えて、市場には景気の良し悪しが必ずついて回るわけですから企業価値と株価は大きく乖離するのです。

現実にテンバガー銘柄(株価が10倍になった銘柄)がしばしば出現することが何よりの証拠とも言えます。

言えることは、株価は企業価値を目指して動くということです。

市場のプレイヤーの誰しもが「安く買って高く売る」ことを念頭におくため、企業価値>株価となっている銘柄を追い求めるのです。

結果として、いち早く企業価値>株価となっている銘柄を保有できれば値上がり益が見込めます。

逆に、企業価値<株価となってしまっている銘柄を買ってしまうと暴落の危険があるので注意が必要です。

3、バリュートラップの原因を突き止める

なぜバリュートラップは起きてしまうのでしょうか?そこにはいくつかの理由があります。

(1)バリュートラップ銘柄の注目度が低い

そもそも企業の知名度が低く、突出した業績のない企業は投資家に注目されにくいです。

そうなると、例えPERやPBRが低く割安だと判断できても、買い手がつかないので値上がりがしにくいです。

注目度が低い企業の特徴としては経営陣がIR(投資家向け広報活動)に注力していない場合があります。

他社と比べてIRを押し出してなかったり、資料に力を入れていなかったりする場合は客観的に見て注目度が低くなる傾向があると判断できるでしょう。

(2)バリュートラップ企業は将来が危険視されている

いわゆるPERやPBRなどのテクニカルな指標から割安だと判断できても、ファンダメンタル要素(企業価値)が低いのであればバリュートラップが起こりやすいと言えます。

企業の売上や利益が横ばい、もしくは減少していた場合、誰しもが企業の将来を危ぶむことは必然です。

(3)バリュートラップ銘柄は出来高が少ない

出来高とは株の売買の成立株数を表したものです。

出来高が高いと取引が流動的となり、投資家たちが積極的に売買注文を出しやすくなります。

出来高が少ないと売買注文が出しにくくなり、値動きが生まれにくくなります。機関投資家を含め、出来高が少ない銘柄を敬遠する投資家も多いので、悪循環に陥りバリュートラップが起こりやすくなります。

(4)バリュートラップに陥っていると考えられる銘柄

ここでバリュートラップに陥っていることが考えられる銘柄を5つ紹介します。

機械株にそのような銘柄が多く見受けられました。業種的に地味です、売上も利益も横ばいで、急激な出来高の変化もありません。

安定企業であるとも言えますが、このままずっと静かな株価状態が続くとトラップに陥っていると考えられます。

①リョービ(5851)

銘柄
(コード) 株価
(2018/12/21終値) 銘柄情報
リョービ(5851) 2,485円 独立系ダイカスト専業首位。主要取引先は日米欧の自動車会社。中国など新興国向けも拡大。

PER 5.7  PBR 0.66

②東芝機械(6104)

銘柄
(コード) 株価
(2018/12/21終値) 銘柄情報
東芝機械(6104) 1,893円 射出、ダイカストなど成形機が主軸。大型工作機械も得意。東芝から自己株取得し持分から離脱。

PER 11.4  PBR 0.55

③日立造船(7004)

銘柄
(コード) 株価
(2018/12/21終値) 銘柄情報
日立造船(7004) 323円 ゴミ焼却発電施設を柱に舶用機器など展開、圧力容器に強み。造船分離、Hitzが略称社名。

PER 10.9 PBR 0.51

④双日(2768)

銘柄
(コード) 株価
(2018/12/21終値) 銘柄情報
双日(2768) 383円 総合商社。03年に日商岩井とニチメンが統合。自動車、航空、肥料に強み。持分で鉄鋼、LNG。

PER 6.8 PBR 0.78

⑤ジャックス(8584)

銘柄
(コード) 株価
(2018/12/21終値) 銘柄情報
ジャックス(8584) 1,709円 MUFGの信販大手。オートローン主力。クレジットカード、信用保証強化。東南アジア進出。

PER 7.1 PBR 0.39

参考:ヤフーファイナンス

4、バリュートラップから抜け出す方法はあるのか?

では、上述したバリュートラップの原因からバリュートラップを回避するためのポイントを考察しましょう。

ポイントとなるのは「カタリスト」です。

カタリストとは触媒という意味で、金融市場においては相場を動かすきっかけを指します。

なお、カタリストにより株価が上昇する場合もありますが下落する場合もあります。

例えば、カタリストには以下があります。

・新製品・新事業の発表

・業績の発表

・M&A

・上場市場の鞍替え(東証一部→東証二部 等)

・株主優待の発表

・増配の発表

・自社株買い

いずれを見てもわかる通り、一般投資家がカタリストを発生させることは難しいです。

バリュートラップを回避するためには「会社の注目度が高い」、「将来が危険視されていない」、「出来高の多い」銘柄を選び、カタリストを待つことが必要となってきます。

5、バリュー投資の基本!長期投資銘柄を選ぶことがバリュートラップ回避法

バリュー投資を成功させるためには長期保有の前提で銘柄を選ぶと良いでしょう。

インサイダーでもしない限り、カタリストを事前に察知することは不可能だからです。(当然、インサイダーは違法です)

バリュートラップを回避するのではなく、「受け入れる」という観点で見ると一般投資家もバリュートラップに対応しやすいです。

例えば、塩漬けとなっても問題がないような銘柄です。

具体的には「配当金が多い」、「株主優待が魅力的」な銘柄です。

これらの銘柄は買い支えがつきやすのため、値上がりも期待できます。

カタリストが起こるのを気長に待てば良いのです。

また、キャッシュの創出能力が高い企業ならば近いうちにカタリストが起こる確率が高いです。

利益を稼ぎ、資産を積み上げることに成功している企業を選びましょう。

6、バリュー投資のプロの投資先を参考にする

 

Japan Act

バリュー投資成功のために理解すべきファクターを解説しました。

近年では上記に加え、「アクティビスト」と呼ばれる機関についても理解が欠かせません。

投資の世界におけるアクティビストとは、いわゆる「物言う株主」と呼ばれるものです。

アクティビストは、一定数の株式を保有し、積極的に企業の経営陣に提言を行い企業価値の向上を目指します。

日本市場において、活発的な活動を見せるアクティビスト投資の会社に、Japan Actがあります。

Japan Actは投資先の企業に対し、社会的な観点や株主としての立場から、戦略的な関与を行うことで、企業価値の向上を目指します。

Japan Actのように、時として物言う株主が社会において重要な役割を果たすことも多いです。

Japan Actは、主要な投資先企業に対して行った、株主提案などの情報を公表しているので、個人投資家がバリュー投資を行う際にも参考になるポイントがあります。

それら投資先にどのような企業価値があるのかを調べてみると自分のバリュー投資に活かすことができるでしょう。

 

まとめ

バリュートラップの原因や対策について解説しました。

相場の世界では常に何が起こるか分かりません。

いつカタリストが来てもいいように自分の資産を管理することも投資家のあるべき行動です。

ぜひ、本記事を参考にバリュー投資を成功させてください。

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太田 清比古(おおた きよひこ)
個人トレーダー・ファイナンシャルプランナー

学生時代から投資に目覚め、個別株・FX・投信・仮想通貨等手広く経験。
証券系のシステムエンジニアとして勤務する傍ら、独学でFPを取得。
余暇を利用しての投資の研究と実践を欠かさない。

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