世の中にはさまざまな投資法がありますが、投資初心者が一番知りたいことは「どの投資方法がおすすめか」「初心者でも稼ぐことはできるのか」ということではないでしょうか?
結論から言えば、おすすめの投資法には次のものがあります。
- 投資信託(つみたてNISA、iDeCo)やロボ・アドバイザーで行う長期投資
- クラウドファンディング(投資型&融資型)で行う短期投資
- 独立系投資会社で行う中長期投資
いずれも、初心者でも簡単に稼ぐことができる投資法です。
今回は、初心者向けおすすめの投資法を6つの手法に分けてご紹介するとともに、おすすめの理由や投資前の確認ポイント、投資の始め方についてファイナンシャルプランナーが解説していきます。投資に興味はあるけど、「なんだか難しそう」「損はしたくない」「手間はかけたくない」と思っている方にとって、投資を始めるきっかけになれば幸いです。
初心者でも稼げる手軽な投資法がおすすめの理由
冒頭でお伝えしたように、おすすめの初心者向け投資法には、投資信託やロボ・アドバイザーなどがあります。ここでは、初心者向け投資について解説する前に、そもそもなぜ投資をおすすめするのか、初心者でも稼げるのはなぜなのかという点について解説していきます。
筆者が初心者向け投資をおすすめするのは、次のような理由からです。
- 預貯金ではお金が増えることはなくインフレに対応できないから
- 投資に手間がかからないので本業に集中できるから
- 初心者と経験者によるリターンの差がないから
- 長期投資や分散投資によりリスクを抑えられるから
大切なポイントなので、詳しく解説していきましょう。
理由1:預貯金で増えるお金は少なくインフレに対応できないから
2020年現在、「銀行や郵便局の預貯金ではほとんどお金が増えない」という事実は、多くの方が実感しているはずです。定期預金の平均金利は0.01%で、たとえ100万円を預けても1年で100円ほどの利息しか付きません。
それでも、「投資で元本割れするくらいなら、元本割れがない預貯金で持っている方が良い」と考え、しぶしぶ預貯金で自身の資産を管理している方は多いですよね。
しかし、現在日本政府は2%の物価上昇を目標に掲げています。将来的に物価が2%上昇すれば、相対的にお金の価値は下がってしまいます。
物価の上昇でお金の価値が下がることをインフレと言いますが、インフレが起きたときに一番影響を受けるのはお金=現金なのです。預貯金で資産管理している方は、2%の物価上昇に見合う金利を預貯金で得られなければ、損することになります。
つまり、これから先のインフレに対応するためには、今の低い金利で預貯金することも危険だということです。
もちろん、預貯金は流動性があり元本割れしない安全資産なので、資産形成の一部として必要な存在です。しかし、資産のすべてを預貯金にするとインフレに対応できなくなるため、資産の一部を投資によって増やしていくことが大切なのです。
理由2:投資に手間がかからないので本業に集中できるから
初心者向け投資の場合、投資に手間がかかりません。筆者がおすすめするのは、短期の売買で利益を得る「投機」ではなく、将来価値が見込めるものに資産を投じてお金を増やしていく「投資」だからです。
貯蓄、投資、投機の違い
- 「貯蓄」:預貯金などでお金を蓄えること
- 「投資」:将来的に価値の見込める投資先に資金を投じ、お金を増やしていくこと
- 「投機」:相場の変動などの機会を利用し、短期的な利益を得てお金を増やすこと
投資は、将来の資産を形成していく行為そのものです。適切な投資先を見つけて複数の資産に分散投資することができれば、その後は資産が成長するのを待つだけです。
毎日相場の変動をチェックしたり、予測したりする必要はないため、本業を邪魔することもありません。
これから投資を始める方の多くは、生活の軸であり投資資金の原資を生み出す本業を持っている方が多いと思います。本業を邪魔せず、確実に資産を作っていく投資なら、忙しい方でも始めやすいでしょう。
理由3:初心者と経験者によるリターンの差がない
初心者向け投資では、初心者と経験者による経験値の違いでリターンの差が変わるということはありません。
先述のとおり、投資は投機ではないため、投資機会を読む・予測するなどの高度なテクニックや経験値は必要ないからです。また、敗者の損失によって勝者が利益を得る性質のギャンブルとも異なるため、初心者だからリターンが少なくなることもないのです。
投資で必要なのは、適切な投資先を選ぶこと、リスクを抑えるために分散投資をしっかり行うことです。そして、投資先選びや分散投資に必要なのは、テクニックや経験値ではなく適切な情報です。
これからお伝えする内容も含め、さまざまな情報をしっかり収集していけば、投資初心者でも適切な投資先を見極め、経験者と変わらぬリターンを得られるようになるはずです。
理由4:長期投資や分散投資によりリスクを抑えられる
初心者向け投資では、長期投資や分散投資によってリスクを抑え、確実なリターンを得ることが可能です。これから紹介していく投資法には、比較的短期間で利益を得られるものもありますが、短期間で得た利益をそのまま再投資にまわしていけば複利効果でさらに資産を増やすことができますよ。
長期投資や分散投資とは、時間をかけて値動きが異なる複数の資産に投資をし、時間と資産を分散させることでリスクを抑えて運用するということです。時間をかけるだけ、投資先を一つに集中せず分散させるだけなので、誰にでも簡単に低リスクな資産形成ができます。
投資を始める前に必ず確認しておくべき5つのポイント
おすすめ投資を始めるとき、必ず確認しておくべきポイントが5つあります。
- ライフプランを立てること
- 投資は余裕資金で行うこと
- 投資のスタンス、優先順位を明確にしておくこと
- 一部元本割れしても、トータルで利益が出るよう分散投資しておくこと
- 長期投資の場合、短期的なマイナスは気にしないこと
初心者でも簡単に稼げる投資法はありますが、何もしなくても絶対に稼げる投資法なんてものはありません。経験値がない初心者が確実に稼ぐためには、投資前の準備と確認が必要不可欠です。
正直、この準備は面倒です。しかし、逆に言えば投資前の準備や確認さえしっかりしておけば、投資を始めてからはそれほど手間をかけずに資産を増やしていけるということです。
面倒ですが、絶対に欠かせないポイントなので、詳しく解説していきましょう。
ポイント1. ライフプランを立て資産形成の目標額を決めておく
投資を始める前には、まずはライフプランを立てて投資による資産形成の目標額を決めましょう。ライフプラン(人生設計)とは、妊娠や出産、マイホームの取得や子供の進学などのライフイベントがいつ起こるのか、具体的に可視化することです。
具体的には、次のような項目です
- 子供は何歳差で、何人いるのか、または何人作る予定なのか
- マイホームの取得はいつ頃する予定か
- 定年退職時期はいつなのか
これらのライフイベントがいつごろ起きるのかを可視化しておけば、イベントに伴う支出が人生のいつ頃発生するのか予想でき、家族の資金計画を立てやすくなります。
人生の3大資金は「住宅資金」「教育資金」「老後資金」の3つに大別されますが、それぞれ必要になる時期や必要になる金額は、各家庭のライフプランによって異なります。各資金の考え方について説明しましょう。
住宅資金
住宅資金は、マイホームの購入計画によって左右されます。購入時期はローンの頭金や引っ越しに伴う諸費用など、大きな支出が発生します。
この時期は投資に使える余裕資金は少なくなるでしょうし、投資は抑えて流動性のある預貯金などの資産比率を高めることが大切です。
一方、マイホームの購入予定はなく生涯賃貸暮らしを考えている場合は、人生の中で大きな支出が発生することはないでしょう。その代わり、現役時代も定年退職後も、一定の住宅資金が必要になります。
賃貸でも、何年かに一度は住み替えしたり、家賃の更新時期が来たりするでしょう。賃貸の場合はそういったプチ支出の発生時期について、ライフプラン表で支出の目安をつけておきましょう。
ライフプラン表参考サイト
日本FP協会:https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/
教育資金
教育資金は、子供の人数と年齢差、各家庭の教育方針によって左右されます。特に教育方針は、各家庭の価値観によって大きく変わるため、夫婦でしっかりと話し合っておきましょう。
習い事は、いつ頃いくらくらいの予算でさせるのか、私立進学を考えているのかといった細かい点まである程度計画を立てておけば、教育資金の準備をしやすくなります。
また、教育資金の中でも大きな割合を占める大学費用は注意が必要です。大学費用の出費は入学初年度に大きく発生します。そのため、子供が生まれてから17年から18年後の入学初年度には、まとまった現金を準備できるような投資計画を立てなければなりません。
ライフプラン表では、進学時期や習い事などできる限り細かく計画を立て、支出の時期を明確にしておきましょう。
老後資金
老後資金は、老後にどの程度の生活水準を希望するのか、退職時期はいつ頃なのか、退職後の仕事の予定はどうなっているのかなどで左右します。一般的には、老後の生活費は現役時代の6割から7割ほどで資産設計を立てることが多いですが、これはあくまで一般論で、老後に必要な生活費は夫婦の希望によって異なります。
今の生活水準をどれくらいまで下げられるのか、夫婦でしっかり話し合って老後の必要額について考えましょう。
また、退職時期も人によって異なります。個人事業主であれば退職時期を考慮する必要はありませんが、いつまで働けるのかは、業種や本人の体力などによっても違うでしょう。
会社員の場合は定年時期が決まっていますが、再雇用制度の有無などによって定年後の収入確保の状況は異なります。投資で得た資産を老後資金として活用する場合、定年時期にあわせて資産を少しずつ取り崩せるようにしなければなりません。
働き盛りのころは投資性資産の比率が多くても良いのですが、老後は資産を取り崩すことになるため、徐々に流動性のある安全資産へ移行させていくことが大切です。このように、3大資金の必要資金や必要額は各家庭により異なるので、しっかりとライフプランを考慮し、投資の計画を立てていくようにしましょう。
ポイント2. 投資は余裕資金で行うようにする
投資はあくまで余裕資金で行うことが大前提です。
余裕資金とは、「生活していくうえで当面使わなくても良いお金」です。つまり、今必要になる可能性がないお金ということですね。逆に、今必要になる可能性があるお金とは、家賃やローンなど日常的な生活費の支払い、急に発生する冠婚葬祭費用、事故や病気などで一定期間収入がストップしたときに必要な費用です。日常的な生活費に手をつけないのはもちろんのこと、急な冠婚葬祭や事故など、予測できない事象に対して発生する臨時費用は、「すぐに使えること」が重要です。生活費用も臨時費用も、投資に回してはいけません。
投資資金は、生活費用と臨時費用を差し引いた余裕資金で行うことを忘れないでくださいね。
ポイント3. 投資のスタンス・優先順位を明確にしておく
一口に投資と言っても、投資する際のスタンスや投資先を決めるときの優先順位は、投資する方の性格や環境、投資の目標額によって違います。
「多少資産価値が変動しても、トータルで大きな利益が得られればそれで良い」というハイリスク・ハイリターン思考の方もいれば、「できるだけリスクは取りたくない」という安全志向の方もいるでしょう。利益を優先するのか、リスク回避を優先するのか、正解はありません。大切なのは、どちらの投資スタンスでいくかどうかではなく、自分が続けやすい投資スタンスは何か、自分が優先するものは何かということです。
初心者が投資で稼ぐためには、時間と資産を分散させて投資を継続することが大切です。つまり、資金を投じることを途中でやめてしまうことが、一番問題なのです。
できる限り、資産を投資し続けることが資産成長の鍵になるため、ストレスを感じずに続けやすい方法、自分なりの投資スタンスや優先順位を明確にしておきましょう。
投資のスタンスや優先順位が明確になっていれば、投資先を選ぶとき、投資するときに判断に迷うことが少なくなります。効率的に、投資に手間をかけずに続けていくためにも、自分の性格や環境に適した投資スタイルを考えてくださいね。
ポイント4. 一部元本割れしてもトータルで利益が出るよう分散投資しておく
投資は預貯金とは違い、元本保証はありません。そして、元本保証がないということは、元本割れの可能性があるということです。
だからこそ、複数の異なる資産に投資先を分散させることが大切なのです。
分散投資をしておけば、たとえ一部の資産が元本割れしても、他の資産がそのマイナスをカバーしてくれる可能性があります。値動きの違う資産を組み合わせ、資産全体で見てトータルがプラスになるような資産構成にすることが、分散投資をする目的なのです。
投資をするときは、ついつい「元本割れがなさそうな投資先を選びたい」と考えるものですが、どれだけ実績のある投資先でも、元本割れが一度も起きない保証はありません。元本割れを防ぐのではなく、元本割れが起きてもトータルで利益が出る資産形成を心がけましょう。
ポイント5. 長期投資の場合、短期的なマイナスは気にしない
長期投資の場合は、短期的に資産価値がマイナスになることもあるでしょう。しかし、長期投資において短期的なマイナスは付き物なので、いちいち気にしないことが大切です。
私たちの公的年金を運用しているGPIFというプロの投資集団でさえ、運用資産がマイナスになる年があります。しかし、トータルで見れば資産はプラスで増えていっています。
これから始める投資は、短期的な利益を求める投機とは違います。短期間の運用成果だけ見て一喜一憂しても意味はありません。
投資で大切なのは、時間をかけてマイナスをプラスにしていくための「時間」です。
一時的なマイナスに動揺して短期間で資産を売却したり、投資をやめたりすると、資産が成長する芽を摘むことになります。一時的、短期的なマイナスは気にせずに、できる限り長く投資し続けるようにしてください。
おすすめ投資法の各項目の見方
当記事では、おすすめの投資法を8つの項目で評価しています。各項目について解説していきましょう。
おすすめポイントとは
投資初心者にとっておすすめできるポイント、各投資手法の魅力と言える部分です。「初心者でも手間をかけずに稼ぎたい」というニーズをどのように満たしているのかについて記載しています。
最低投資金額とは
投資を始めるうえで最低限必要な投資金額です。投資金額は投資先の会社や商品・ファンドなどによっても異なりますが、大体の相場を記載しています。投資を始める際の目安にしてください。
期待利回りとは
期待利回りとは、その投資手法によって期待できる年間の利回りです。投資先のファンドや商品によって利回りは大きく異なるため一概には言えませんが、全体の相場を記載しています。
メリットとは
各投資手法のメリットです。投資で得られるメリットは利益だけではなく、手間がかからない、コストが低い、節税になるなど、さまざまなものがあります。
デメリットとは
各投資手法のデメリットです。どんな投資手法にもデメリットはあります。元本割れの可能性があることは大前提なのであえて記載していませんが、その他のデメリットもふまえたうえで投資を始めましょう。
こんな人に向いているとは
どんな人におすすめできるのかです。投資ごとの特徴によって合う・合わないがありますので、「自分に合うかどうか」の目安にしてください。
おすすめの商品や金融機関とは
各投資手法のおすすめ商品(ファンド)、金融機関(会社)です。手法ごとにさまざまな商品や金融機関があり、悩む方は多いと思いますので、投資先選びの参考にしてください。
投資の始め方とは
各投資手法の始め方です。どのような流れで投資を始めるのか、始める際の手順などを記載しています。「何から始めれば良いかわからない」というときに、参考にしてください。
おすすめ投資法6選
それでは、おすすめの6つの投資法について解説していきましょう。
- 【投資信託・つみたてNISA】インデックス型ファンドで長期積立投資
- 【投資信託・iDeCo】バランス型ファンドで長期積立投資
- 【ロボ・アドバイザー】完全自動の資産運用型でほったらかし中長期投資
- 【投資型クラウドファンディング】不動産クラウドファディングで短期投資
- 【融資型クラウドファンディング】ソーシャルレンディングで短期投資
- 【独立系投資会社への投資】安定性が高いファンドへ中長期投資
6つのおすすめ投資法に共通するポイントは、次のとおりです。
- 初心者でも簡単に稼げること
- 長期投資や分散投資でリスクを抑えられること
- 初心者と経験者によるリターンの差がないこと
- 投資にかかる手間が少ないこと
各投資法について詳しく解説していきましょう。
1.【投資信託・つみたてNISA】インデックス型ファンドで長期積立投資
つみたてNISAの口座内で、インデックス型ファンド(投資信託)を長期的に積み立てる投資法です。
つみたてNISAとは、投資した利益が最長20年間非課税になる少額投資非課税制度で、通常はかかる税金(20.315%)がかからないため、大きな節税効果を得られるのが特徴です。つみたてNISAの取扱い商品は、金融庁(国)が長期投資に適していると認めた投資信託・ETFが厳選されており、その多くは特定の指数(日経225など)に連動するインデックス型ファンドです。
インデックス型ファンドは、目指す指数がはっきりしているためわかりやすく、初心者にもおすすめです。
おすすめポイント | 低コスト・低リスク・少額で始められるうえ、投資の利益は非課税。国が認めた厳選ファンドに投資できるので、投資先選びに迷うこともない。自動積立設定すればほったらかしで長期投資できる。 投資するのも、資金引き出しも自由にできるのも大きな魅力。 |
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最低投資金額 | 月々100円から積立・買付可能(非課税枠は年間40万円まで) |
期待利回り | 3%~5% ※ファンドにより異なる |
メリット | ・投資で得た利益が最長20年間非課税 ・国が認めた厳選ファンドに投資できる ・運用コストが低め(インデックス型なら年0.5%以下) ・ファンドの売買や資金引き出しはいつでもできるため、資金の自由度が高い ・少額(100円~)で投資できる ・日経225など、手軽に市場全体に投資できる |
デメリット | ・積極的に大きなリターンを狙うことはできない ・市場の成長性が収益になるため、利益が出るまである程度時間がかかる |
こんな人に向いている | ・少額で低リスク、低コスト投資を始めたい人、資金用途に色を付けず自由な投資をしたい人におすすめ |
おすすめのインデックス型ファンド | ・国内株式指数(TOPIX)に連動! 「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」 ・外国株式指数(MSCIコクサイ・インデックス)に連動! |
おすすめの金融機関 | SBI証券、楽天証券 |
投資の始め方 | 証券会社などのつみたてNISA取扱い金融機関で、つみたてNISA口座と総合証券口座の口座を開設する。口座が開設できたら、つみたてNISAの口座内で投資するファンドを選んで購入する。自動積立設定をすれば、毎月一定金額で自動的に積立投資できる。 |
2.【投資信託・iDeCo】バランス型ファンドで長期積立投資
iDeCo(個人型確定拠出年金)という私的年金制度を使い、iDeCo口座内でバランス型ファンド(投資信託)を長期的に積み立てていく投資法です。iDeCoは老後資金の形成が目的の制度なので、原則60歳までは引き出しできず、高い節税効果が得られることが特徴です。
iDeCoでは、投資に拠出した掛金が全額所得控除の対象になり、投資で得た利益や受け取るときの税金もかからないため、つみたてNISAを上回る節税効果が得られます。iDeCoの対象となる金融商品は「投資信託」「定期預金」「元本確保型の保険商品」などがありますが、長期投資をするなら投資信託のバランス型ファンドを選ぶことがおすすめです。
おすすめポイント | 掛金全額が所得控除の対象なので、投資にかかる税金だけでなく、個人の所得税・住民税を節税できる。バランス型ファンドを選べば資産配分のメンテナンスも不要で手間がかからず、強制的に老後資金を形成できる。 |
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最低投資金額 | 月額5,000円から(拠出上限額は職業により異なり、年間14万4,000円~81万6,000円まで) |
期待利回り | 3%~5% ※ファンドにより異なる |
メリット | ・投資にかかる税金+個人の所得税と住民税を大きく軽減できる。 ・年金保険料と同じように毎月自動的に引き落としされるので、強制的に老後資金を貯められる。 |
デメリット | ・投資にかかるコストが多い(加入時手数料:最低2777円、毎月の管理手数料:最低167円など) ・60歳までは原則引き出しできない ・投資タイミングを自由に選べない ・所得額が少ない専業主婦や、住宅ローン控除を活用していて元々納税額が少ない人は、節税メリットが少ない |
こんな人に向いている | 所得税や住民税の納税額が高く節税したい人、貯蓄が苦手で強制的に老後資金を貯めたい人におすすめ |
おすすめのバランスファンド | ・国内外の株式や債券などにバランスよく投資できる! |
おすすめの金融機関 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券 |
投資の始め方 | 証券会社や銀行などのiDeCo取扱い金融機関で、口座を開設する。口座開設ができたら、事前に選んだファンドへの投資資金(=拠出金額)が、毎月指定の銀行口座から自動的に引き落としされる。投資ファンドやファンドの配分比率は途中で変更可能。 |
3.【ロボ・アドバイザー】完全自動の資産運用型でほったらかし中長期投資
ロボ・アドバイザーとは、インターネット上で投資に関するアドバイスを得られたり、資産運用の代行をしてもらえたりするサービスです。資産運用の代行業務を行うロボ・アドバイザーサービスなら、始めに簡単な質問に答えて初期設定するだけで、あとは完全自動の資産運用ができます。
ロボ・アドバイザーで運用代行を行うのは、人間ではなく最新の金融工学などの理論に基づくアルゴリズムを搭載したAI、つまりロボットです。人間の介入がほとんどなく、ロボット(AI)が冷静な判断で運用をしてくれるので、安心して投資を任せることができます。
おすすめポイント | 完全自動で資産運用をお任せできるので、初期設定さえすればあとは何もすることがないという手軽さがポイント。ほったらかし投資の究極版であり、もっとも手間がかからない運用と言える。 |
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最低投資金額 | 10万円~50万円 ※ロボ・アドバイザー運営会社により差がある |
期待利回り | 5%~15% ※選択する投資スタイルにより異なる |
メリット | ・完全自動で、ほったらかし投資できる(ポートフォリオの決定、商品買付やリバランスなどのメンテナンスも不要) ・ロボット(AI)が運用するという安心感がある ・最初に簡単な質問に答えるだけなので、予備知識なしで始めやすい ・投資も資金の引き出し(途中解約)も自由にできる |
デメリット | ・運用コストが年1%程度かかる ・税金の優遇制度はないので、投資で得た利益に税金がかかる ・長期投資が前提のため、短期間で解約・資金を引き出すと大きな損失になる可能性がある |
こんな人に向いている | AIの運用に興味があり、投資に極力手間をかけたくない人、すぐに始めたい人におすすめ |
おすすめの運用スタイル | 年1%の運用コストがかかるため、5%以上の利回りを目指せる運用スタイルがおすすめ※運用スタイルはロボ・アドバイザーが決定するため、できるだけ積極運用になるように設定しましょう |
おすすめのロボ・アドバイザー会社 | |
投資の始め方 | 投資一任型のロボ・アドバイザーサービスを提供する会社で口座を開設。口座が開設できたら、運用スタイルを決める簡単な質問に答え、入金するだけで投資を開始できる。積立設定をすれば、あとは完全自動で投資できる。 |
4.【投資型クラウドファンディング】不動産クラウドファンディングで短期投資
投資型クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数に資金提供を呼び掛けるクラウドファンディングの仕組みにより、金銭的なリターンを得る手法です。
投資型クラウドファンディングにはさまざまな種類がありますが、手軽に不動産投資を体感できる不動産クラウドファンディングがおすすめです。不動産クラウドファンディングは、特定のファンドに投資(出資)し、そのファンドが運用する不動産の賃貸収入などを分配金という形で得ることができます。
投資期間自体は数ヶ月から数年と短いですが、分配金を再投資すれば複利効果により、資産を着実に増やしていくことが可能です。あらかじめ得られる分配金の想定利回りが記載されているので、利益を予測しやすく、少額で不動産投資を始められるのがポイントです。
おすすめポイント | 少額で手軽にでき、比較的短期間(数ヶ月~2年程度)で利益が得られるのがポイント。安定的な収益を得られる不動産が投資対象であり、ミドルリスク・ミドルリターンの投資が可能。 |
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最低投資金額 | 1万円~ |
期待利回り | 3%~10%程度 ※ファンドにより異なる |
メリット | ・投資先ファンドを選んで出資した後は、手間がかからない ・投資期間は数か月~2年程度なので、比較的短期間の運用で利益を得られる ・想定利回りが記載されているため、利益の予測をしやすい ・現物不動産投資より手軽に、少額で不動産に投資できる ・投資で得た利益は総合課税のため、所得が少ない方は税率が低くなる |
デメリット | ・投資期間中は、原則途中引き出し・解約ができない ・資金の償還日や分配金振込日が変動する可能性がある ・税金の優遇制度はないので、投資で得た利益に税金がかかる ・株式や投資信託のように便利な特定口座制度はない ・投資で得た利益は総合課税のため、高所得者ほど税率が高くなる ・投資のタイミングを自分で選べない(ファンドの募集時期にあわせて投資しなければいけない) |
こんな人に向いている | 数か月~数年の間寝かしておける余裕資金がある方、不動産投資に興味がある方におすすめ |
おすすめの案件(ファンド) | 利益率の高い中古不動産や、需要のある都内不動産案件から投資していくのがおすすめ |
おすすめのクラウドファンディング運営会社 | |
投資の始め方 | クラウドファンディング運営会社のサイトで口座を開設。口座開設ができれば、募集中の案件(ファンド)から投資したい案件を選び、出資申込を行い、その後入金(※出資申込が殺到していれば、出資が成立しないこともある)。 |
5.【融資型クラウドファンディング】ソーシャルレンディングで短期投資
融資型クラウドファンディングは、先の投資型クラウドファンディングと同様に、金銭的なリターンを目的としたクラウドファンディングの一種です。投資家はさまざまな理由で資金提供を希望するファンドに対して貸付を行い、その結果、貸付に対する利息を分配金という形で得ることができます。
サイト上で想定利回りが記載されていること、数ヶ月~2年程度の運用期間であることは、投資型クラウドファンディングと同じです。
融資型クラウドファンディングのサイトでは、太陽光発電や事業性資金の募集など、多様なファンドがあります。興味のあるファンドを自由に選んで投資できるのも魅力の一つです。
おすすめポイント | 少額で手軽にでき、比較的短期間で利益を得られる。あらかじめ利益の予測が付くので、投資計画を立てやすい。さまざまな案件、さまざまな業種の企業が貸付金の募集をしており、ファンドが豊富でバラエティに富んでいる面白さがポイント |
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最低投資金額 | 1万円~ |
期待利回り | 3%~10% ※ファンドにより異なる |
メリット | ・投資先ファンドを選ぶ他は、手間がかからない ・投資期間は数か月~2年程度なので、比較的短期間の運用で利益を得られる ・想定利回りがわかっているので、利益の予測をしやすい ・少額で始められる ・投資で得た利益は総合課税のため、所得が少なめの人は税率が低くなる ・ファンドが多種多様なので、バラエティに富んだ投資ができる |
デメリット | ・投資期間中は、原則途中引き出し・解約できない ・資金の償還日や分配金振込日が変動する可能性がある ・税金の優遇制度はないので、投資で得た利益に税金がかかる ・株式や投資信託のように便利な特定口座制度がない ・投資で得た利益は総合課税のため、高所得者ほど税率が高くなる ・投資のタイミングを自分で選べない(ファンドの募集時期にあわせて投資しなければいけない) ・投資先(貸付先)の企業情報が匿名になっている場合もあり、投資先の情報が不透明なことが多い |
こんな人に向いている | 比較的短期間(数か月~数年)で手堅く利益を得たい人、株式や不動産以外の多様な資産に投資したい人におすすめ |
おすすめの案件(ファンド) | ― ※運営サイトにより案件(ファンド)の性質や種類が異なるため、一概にして記載できません |
おすすめのソーシャルレンディング運営会社 | |
投資の始め方 | 運営会社のサイトで口座を開設。口座開設ができれば、募集中の案件(ファンド)から投資したい案件を選んで出資申込を行い、その後入金(※出資申込が殺到していれば、出資が成立しないこともある)。 |
6.【独立系投資会社への投資】収益重視で中長期投資
最後にご紹介するのは、投資のハードルが少し高いものの、高い収益を目指せる独立系投資会社への投資です。
独立系投資会社とは、特定少数の投資家から資金を集めて運用し、その利益を還元するファンドのことです。運用の形態自体は投資信託と似ていますが、投資信託は「不特定多数の投資家」を対象にしているのに対し、独立系投資会社は「特定少数の投資家」を対象としていることが多く、投資のハードルは高めです。
ただ、最近では一般人や投資初心者でも投資できる独立系投資会社があります。他の投資に比べて最低投資額が高いのが特徴ですが、高い収益を目指したい方にはおすすめです。
おすすめポイント | 投資のプロに運用を一任でき、まとまった資産を元に高い収益を目指すことができる。 |
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最低投資金額 | 500万円~1,000万円※投資会社により異なる。 |
期待利回り | ― ※投資会社や投資戦略により大きく異なるため、一概にして記載できません |
メリット | ・投資のプロに資産運用を一任できる ・プロの運用力により、高い収益を期待できる ・成長性のある企業への投資など、投資会社独自の投資戦略に魅力がある |
デメリット | ・最低投資額が高めなので、余裕資金が十分にないと投資できない ・投資は完全お任せのため、自分で投資機会をコントロールするのは難しい ・中長期で資産を形成していくため、短期間では利益が出にくい(投資会社によって異なる) ・高い収益を期待できるものの、総じてコストも高くなりがち |
こんな人に向いている | まとまった資産があり、プロにまとめて資産運用をお願いしたい人、利益を追求したい人におすすめ |
おすすめの戦略 | 国内の未上場株への投資や、投資先の資産価値向上を目指すアクティビスト投資がおすすめ |
おすすめの独立系投資会社 | 「(アクティビスト投資)Japan act」 |
投資の始め方 | 独立系投資会社のHPなどから資料請求や問合せを行い、担当者とコンタクトを取る。その後の流れは投資会社により異なる。 |
まとめ
投資初心者でも簡単に稼げるおすすめの投資法と、投資を始める際に重要なポイントをお伝えしてきました。初心者でも、経験値はなくても、投資を始める前の準備や情報収集をしっかりしておけば、簡単に利益を得ることができます。
今回ご紹介した方法やおすすめ投資法を参考に、安定した利益を目指してください。