投資信託の人気ファンドを調べていると、多種多様な人気ランキングが出てきます。そのため、
「ランキングがありすぎて、結局どのファンドが良いのか、わからない」「そもそも、どのランキングを見れば良いの?」と困っている方、多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、人気ランキングは「何を」見るかではなく、単なる「指標」ととらえて、複数のランキングをできるだけ多く見ることが大切です。
当記事では、複数の人気ランキングを紹介しながら、ランキングを見るときの注意点について詳しく解説していきます。また、ランキングから厳選したおすすめファンドも3つご紹介しています。
投資信託で人気ランキングが気になっている方、ファンド選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
投資信託の人気ランキングとは
投資信託の人気ランキングとは、日本国内で6,000本以上販売されているファンドを、売上や実績などのあらゆる視点で順位付けしたものです。ランキングの作成は、証券会社や銀行などの投資信託販売金融機関や、投資信託の格付けや評価を行う団体・個人が行っています。
つまり、ランキングの作成者が異なれば、元になるデータもランキングの順位も異なります。そのため、すべてのランキングで、絶対的に1位になるファンドはありません。
だからこそ、さまざまなランキングを見比べることが大切なのです。
人気ランキングを見るときの注意点
投資信託で人気ランキングを見るときに注意すべきポイントは、「ランキングがファンドの良し悪しを決めるわけではない」ということです。先述のとおり、どんな人気ランキングでも1位になり続けるファンドはありません。
人気ランキングは常に入れ替わりますし、ランキングの作成元によって順位も異なります。結局、人気ランキングとは、ファンド選びのひとつの指標にしかすぎないのです。
ここまでお伝えすると、身も蓋もないと思いますよね。しかし、これくらい一歩引いた視点で見ておかなければ、ランキングが入れ替わるたびにファンドを買い替えるなんてことになってしまいます。
投資対象がころころと変われば、いつまでたってもポートフォリオが安定しません。ランキングに振り回されないためにも、人気ランキングの注意点について詳しく解説していきましょう。
注意点1:常に入れ替わる
投資信託の人気ランキングは、常に入れ替わるので注意が必要です。それは、人気ランキングの多くが累積ではなく、「年間のトータルリターンランキング」や「月間の販売金額」など、短期間の売上や実績を拾って集計しているからです。
特に要注意なのが、1ヶ月から1年間の「分配金利回り」や「トータルリターン」のランキングです。分配金の利回りやトータルリターンは、投資信託の実績、パフォーマンスを示す重要な指標のひとつです。しかし、1ヶ月から1年間という短期間で見ても、そのファンドの真の成果はわかりません。
投資の世界において、リスクとリターンは表裏一体です。そのため、短期間の実績が良いファンドはそれだけリスクを取った運用をしているということになります。
リスクが高い運用=資産の値動きが激しい運用なので、その後の1年で資産価値が大きく下ぶれる可能性があるのです。1ヶ月から1年間のトータルリターンランキングで上位でも、この先1年、3年と同じリターンが続く保証は一切ありません。1年後にはランキング外、といったファンドはざらにあります。
短期間の実績をみるランキングの場合は、次の2点を忘れないようにしてファンドを検討するようにしましょう。
- 高いリターンの裏には、高いリスクがある
- ランキング上位は入れ替わりやすい
注意点2:会社によって異なる
投資信託の人気ランキングは、ランキングを作成する会社によって違うので注意しましょう。特に、証券会社の作成するランキングでは、その証券会社で取扱があるファンドをもとに順位が付けられています。
証券会社によって、取扱ファンドのラインナップも口座を開設しているユーザー層も異なるので、販売金額などの順位に違いがでるのは当然と言えるでしょう。
また、特定の団体がアワード(賞)形式で発表しているランキングも注意が必要です。アワード(賞)形式とはいえ、その評価基準、選定ポイントはアワードの開催団体によって大きく異なるからです。
「アワードで表彰されているくらいだし、人気があるのでは?」と思うかもしれません。しかし、団体によって評価基準が違えばファンドのラインナップも違うので、どんな根拠で選ばれているのかをしっかり確認しておくことです。
たとえ同じアワードでも、開催年によって上位ファンドは入れ替わるものです。そのため、アワード形式でも証券会社のランキングでも、必ず複数のランキングを見比べてください。
もし過去のランキングが公開されていれば、過去と現在の人気ランキングを比べておくことも大切ですよ。
注意点3:あくまで一つの指標
投資信託の人気ランキングは、あくまで一時的な人気や実績のバロメーターにしかすぎないということがわかってきたと思います。
そう、ランキングなんてものは常に移り変わります。一時的に人気や実績があるからといって長期的に良いパフォーマンスをあげられるかどうかはわかりません。
ただ、複数の会社や団体でさまざまなランキングを見たとき、常にランクインしているファンドにはそれだけの吸引力があることもまた事実です。
投資家から支持を集めなければ、販売金額や販売件数を伸ばすことはできません。また、アワード形式のランキングでも評価されることはないでしょう。
常に上位に入っている「常連ファンド」には、何かしらの魅力があるものです。人気ランキングでファンドの魅力を見るポイントには、次のようなものがあります。
- ファンドが運用を開始してから現在までのトータルリターン→トータルでプラスの収益になっているか?
- 純資産総額の推移→右肩上がりに増えているか?
- ファンドが設定されてから何年経過しているか→運用実績はどれだけあるのか?
人気ランキングはあくまでファンドを検討する際の取っ掛かりです。そこから長期の視点で良いパフォーマンスが期待できるファンドを選ぶようにしてください。
各証券会社の販売件数人気ランキング
それでは、実際に証券会社が公表している人気ランキングを紹介していきます。ここでは、
大手ネット証券会社3社の「ファンド販売件数ランキング」を紹介しますね。
なぜ販売件数かと言うと、販売件数などの人気度を示すランキングの方が単純明快だからです。今、人気があるファンドの傾向をランキングで探り、そこからファンドの特徴やポイントを見て自分に適したファンドを選ぶようにしてください。
では、証券会社ごとにファンド人気はどう違うのか、詳しく見ていきましょう。
SBI証券の販売件数トップ3
圧倒的なファンド取扱数の多さで、ネット証券業界をリードするSBI証券の販売件数ランキングです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | <購入・換金手数料なし> | 先進国/株式/インデックス型 | 1,301億9,500万円 | -3.06% |
2位 | ひふみプラス | 国内/株式/アクティブ型 | 5,801億5,900万円 | -13.79% |
3位 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 先進国/株式/インデックス型 | 577億5,300万円 | -3.02% |
集計期間:2019年9月2日~2019年9月30日
ランキング更新日&ファンド情報更新日:2019年10月9日
上記でランクインしているファンドは、すべて1年間のトータルリターンがマイナスです。投資家の多くが短期間の実績は気にしていないということでしょう。
実際、この3ファンドは他の証券会社ランキングでもランクインしており、運用資産の規模、人気度はトップクラスです。投資家から人気と指示を集めているファンドは、短期間の実績が悪くても資金は集まり続けるという良い例でしょう。
楽天証券の販売件数トップ3
楽天ポイントを投資に使える点が便利な楽天証券の、販売件数ランキングです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国/株式/インデックス型 | 572億4,800万円 | -5.60% |
2位 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 先進国/株式/インデックス型 | 577億5,300万円 | -3.02% |
3位 | ひふみプラス | 国内/株式/アクティブ型 | 5,801億5,900万円 | -13.79% |
集計期間:2019年9月1日~2019年9月30日
ランキング更新日&ファンド情報更新日:2019年10月9日
楽天証券のランキングでは、SBI証券でもランクインしたeMAXIS Slim先進国株式インデックスやひふみプラスが入っています。ファンドの人気がどれだけ高いのかわかりますね。
SBI証券との違いは、1位に同じ楽天グループの投資顧問が販売する楽天・全米株式インデックス・ファンドが入っていることです。
同ファンドは別名「楽天・バンガード・ファンド」とも呼ばれています。米国ETFの巨大運用会社、バンガード社のETFに投資できるファンドとして、急速に人気を集めているのです。
マネックス証券の積み立て件数トップ3
資産を見える化できる資産管理ツール「MONEX LABS TOOLS」が人気のマネックス証券の、月間積み立て件数ランキングです。
マネックス証券では販売件数ランキングが公開されていないため、先述の2証券とランキング内容が異なります。今回は、人気ファンドの傾向を探るために比較対象に加えました。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | ひふみプラス | 国内/株式/アクティブ型 | 5,801億5,900万円 | -13.79% |
2位 | マネックス資産設計ファンド<育成型> | グローバル/株式・債券・REIT(資産複合)/アクティブ型 | 116億1600万円 | -0.67% |
3位 | <購入・換金手数料なし> | 先進国/株式/インデックス型 | 1301億9500万円 | -3.06% |
集計期間:2019年9月1日~2019年9月30日
ランキング更新日&ファンド情報更新日:2019年10月9日
マネックス証券では、証券会社独自の「マネックス資産設計ファンド<育成型>」が2位にランクしました。
「マネックス資産設計ファンド<育成型>」は、分散投資で安定した収益を目指す独自ファンドです。インデックス型ではないものの低コストで運用できるため、初心者にも人気の高いファンドとなっています。
各証券会社の販売金額人気ランキング
続いては、各証券会社の販売金額の人気ランキングを見てみましょう。販売金額が多いということは、それだけ資金を多く集められているということです。
たとえ短期的に実績が苦戦していても、資金が集まり続けるファンドには将来性があります。大手ネット証券会社3社の「販売金額人気ランキング」をご紹介していきます。
SBI証券の販売金額トップ3
SBI証券の、販売金額ランキングです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | <購入・換金手数料なし> | 先進国/株式/インデックス型 | 1,301億9,500万円 | -3.06% |
2位 | SBI 日本株3.7ベアⅢ | 国内/株価指数先物取引など/特殊型(ブル・ベア型) | 117億9,100万円 | -1.78% |
3位 | 明治安田J-REIT戦略ファンド(毎月分配型) | 国内/REIT・債券(資産複合)/アクティブ型 | 468億3,600万円 | +26.40% |
集計期間:2019年9月2日~2019年9月30日
ランキング更新日&ファンド情報更新日:2019年10月9日
SBI証券では、2位にブル・ベア型、3位にREITのアクティブ型など、違ったタイプのファンドがランクインしました。株式投資タイプのファンドに人気が集中していた販売件数ランキングと違い、販売金額では人気のファンド傾向が異なっていますね。
ブル・ベア型とは、相場の状況によって運用方法を巧みに変え、短期間でハイリターンを狙う運用手法のファンドです。市場の上昇時・下落時どちらでもリターンのチャンスがあるため、資産に余裕があり、ハイリスク・ハイリターン投資できる方に人気があります。
楽天証券の販売金額トップ3
楽天証券の、販売金額ランキングです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国/株式/インデックス型 | 572億4,800万円 | -5.60% |
2位 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 先進国/株式/インデックス型 | 577億5,300万円 | -3.02% |
3位 | SBI 日本株3.7ベアⅢ | 国内/株価指数先物取引など/特殊型(ブル・ベア型) | 117億9,100万円 | -1.78% |
集計期間:2019年9月1日~2019年9月30日
ランキング更新日&ファンド情報更新日:2019年10月9日
販売件数ランキングと同様に、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が1位にランクインしました。まだファンドが設定されて2年しか経っていないため、実績はマイナスです。
とはいえ、投資対象であるバンガードのETFには長い歴史と実績、定評があります。将来性に期待して投資している投資家が多いのでしょう。
マネックス証券の販売金額トップ3
マネックス証券の、販売金額ランキングです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | グローバル/株式・REIT・債券など(資産複合)/アクティブ型 | 2,144億3,700万円 | ― ※設定後1年未満 |
2位 | SBI 日本株3.7ベアⅢ | 国内/株価指数先物取引など/特殊型(ブル・ベア型) | 117億9,100万円 | -1.78% |
3位 | グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型) | グローバル/株式・REIT・債券など(資産複合)/アクティブ型 | 1,097億8,100万円 | +3.05% |
集計期間:2019年9月1日~2019年9月30日
ランキング更新日&ファンド情報更新日:2019年10月9日
マネックス証券でも、積み立て件数ランキングと販売金額ランキングとでは、ファンドの傾向が大きく変わっています。
特筆すべきポイントは1位にランクインした「グローバル3倍3分法ファンド」の1年決算型と隔月決算型の2ファンドです。1年決算型については、運用開始が2018年10月で運用開始後1年ほどにも関わらず、すでに純資産総額は2,000億円を超えています。
短期間でこれほど資産を集めるファンドは、それだけ資産を持った投資家に訴える魅力があるということです。
「グローバル3倍3分法ファンド」は株式と債券、不動産という3資産に分散投資するファンドで、レバレッジをかけてリスクを抑える独自の運用手法が注目を集めています。信託報酬は0.396パーセントと低い点も魅力で、今後も動向に目が離せません。
【モーニングスター】ファンド人気ランキング
続いては、投資信託の評価機関であるモーニングスター社のファンド人気ランキングを見てみましょう。
証券会社のランキングは、その証券会社の口座利用ユーザーの属性やファンドの取扱数によってラインナップが左右されるという特徴がありました。しかし、モーニングスター社は証券会社問わずあらゆる投資信託の評価をランク付けしています。
そのため、証券会社問わず、幅広い世代の投資家に人気のあるファンドは何なのかという傾向を見ていきましょう。
ポートフォリオ登録数総合ランキングトップ5
モーニングスター社で提供している「ポートフォリオ」機能では、自分が保有するファンドの運用状況を1画面で把握することができます。この「ポートフォリオ」の登録数で、総合ランキングトップ5に入るファンドをご紹介しましょう。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | ひふみプラス | 国内/株式/アクティブ型 | 5,801億5,900万円 | -13.79% |
2位 | ニッセイ日経225インデックスファンド | 国内/株式/インデックス型 | 1,442億2,800万円 | -8.01% |
3位 | ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) | グローバル/REIT/アクティブ型 | 4,675億7,500万円 | +7.23% |
4位 | フィデリティ・USリートファンドB(為替ヘッジ無) | 米国/REIT/ アクティブ型 | 6,550億5,100万円 | +13.74% |
5位 | ワールド・リート・オープン(毎月決算型) | グローバル/REIT/アクティブ型 | 2,381億9,100万円 | -0.06% |
上位5位にランクインするファンドはいずれも純資産総額1,000億円以上で、運用期間も長い大規模ファンドです。短期間の販売件数や販売金額ランキングではなく、「総合」のポートフォリオ登録数なので、長期間投資家に支持されているファンドだということがよくわかります。
特筆すべきは、上記5ファンドのうち3つがREITをメインに投資するファンドということでしょう。ここ数年、株式市場はさまざまな要因で値動きが低迷していますが、不動産市場は手堅い成長を見せています。
そのため、現物不動産のようなハードルの高さもなく、手軽に投資できるREIT銘柄の人気が伸びているのではないでしょうか。
月間ポートフォリオ登録数ランキングトップ5
先ほどのポートフォリオ登録数を、月間登録数の多さでランキングにしたものです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | グローバル/株式・REIT・債券など(資産複合)/アクティブ型 | 2,144億3,700万円 | ― ※設定後1年未満 |
2位 | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配) | グローバル/株式など(資産複合)/アクティブ型 | 8,358億3,200万円 | +15.70% |
3位 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 先進国/株式/インデックス型 | 577億5,300万円 | -3.02% |
4位 | <購入・換金手数料なし> | 先進国/株式/インデックス型 | 1,301億9,500万円 | -3.06% |
5位 | ひふみプラス | 国内/株式/アクティブ型 | 5,801億5,900万円 | -13.79% |
集計期間:2019年9月1日~2019年9月30日
1ヶ月という短期間で見ると、急成長中のグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)が1位でした。
短期間でこの伸び率は、すさまじいものがありますね。
一方、3位から5位にランクインしたeMAXIS Slim先進国株式インデックスやニッセイ外国株式インデックスファンド、ひふみプラスは証券会社の月間販売金額・販売件数ランキングでもトップを競っていました。どのファンドも短期間の実績は芳しくありません。
しかし、これだけ複数のランキングで上位に入る期待値の高さは、それだけ長期の成長を信じている投資家が多いのでしょう。
投信ブロガーの人気ランキング
最後に見る人気ランキングは、証券会社でも投資信託評価機関のものでもありません。より個人投資家の立場に近い、投資信託ブロガーが投資家目線で良いファンドを選ぶ、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」が参考になります。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」が他のランキングとは違うのは、実際に投資している個人の投資家(ブロガー)が集い、「投資家にとって本当に良い投資信託=ファンド」に投票しているという点です。一般投資家の観点で投票されるため、ランクインしているファンドは非常に参考になりますよ。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2018 トップ5
2018年のFund of the Yearで、人気トップ5に入ったファンドです。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 先進国/株式/インデックス型 | 577億5,300万円 | -3.02% |
2位 | <購入・換金手数料なし> | 先進国/株式/インデックス型 | 1,301億9,500万円 | -3.06% |
3位 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | グローバル/株式/インデックス型 | 74億1,200万円 | ※設定後1年未満のため記載なし |
4位 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 米国/株式/インデックス型 | 572億4,800万円 | -5.60% |
5位 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | グローバル/株式・債券(資産複合)/インデックス型 | 342億3,700万円 | +3.02% |
2018年の最新ランキングでは、SBI証券などネット証券で販売件数ランキングに入っていたファンドが多数名を連ねています。
今までご紹介してきたランキングでは、アクティブ型や特殊型など、比較的ハイリスク・ハイリターンなファンドも多くありました。しかし今回は、5ファンドすべてがインデックス型です。
一般個人投資家の場合、リスクを抑えて低コストで運用できるインデックス型のファンドを好む傾向にあることがよくわかりますね。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2008 トップ5
次は、同じFund of the Yearでも10年前、2008年のランキングです。2008年の人気トップ5に入ったファンドを見てみましょう。
順位 | ファンド名 ※【 】内表記は運用会社名 | ファンド分類 | 純資産総額 | トータルリターン(1年) |
---|---|---|---|---|
1位 | SMT グローバル株式インデックス・オープン | 先進国/株式/インデックス型 | 657億2,800万円 | -3.43% |
2位 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) | 米国/株式/インデックス型(ETF) | 813億米ドル | ※基準価額に基づくリターン -5.13 % |
3位 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | グローバル/株式・債券(資産複合)/インデックス型 | 1,850億1,100万円 | -0.68% |
4位 | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO) | 新興国/株式/インデックス型(ETF) | 83億米ドル | ※基準価額に基づくリターン -14.57 % |
5位 | TOPIX連動型上場投資信託 | 国内/株式/インデックス型(ETF) | 9兆7,959億円 | ※基準価額に基づくリターン -8 % |
2008年では、トップ5位のうち、3つのファンドがETF(上場投資信託)となっていました。2008年と2018年を見比べると、一見、ファンドがすべて入れ替わっているように見えます。
しかし、2008年でも2018年でも、どちらもインデックス型のファンドしかランクインしておらず、対象資産は株式が中心という点は、変わっていません。一般投資家が低コストで低リスクのインデックス型ファンドを選ぶという傾向は、10年前から変わっていないのです。
当時はまだインデックス型ファンドの数が少なかったため、自分で直接海外のETFを買付けしている投資家が多かったのでしょう。しかし、2008年当時人気2位だった「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」は、今では「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を通じて投資することが可能です。
一般投資家の多くは、「選ぶファンド自体は変わっても、投資対象資産の中身自体は変えていない」のです。この姿勢は、これから投資信託をはじめる方にとって非常に重要です。
「どのファンドに投資するのか?」ではなく、「どんな資産にどれだけ投資するのか」、ポートフォリオの軸をしっかり決めておけば、ファンド選びがぶれることはないでしょう。ランキングのファンドを参考にしながら、自分のポートフォリオをどうするのか、しっかり考えてください。
ランキングから選ぶおすすめファンド3選
投資信託のさまざまな人気ランキングをご紹介してきました。ランキングによっていろんなファンドがあるため、「結局、おすすめはどれ?」と思った方もいるでしょう。
人気ランキングの中からファンドを見るポイントは複数ありますが、重要なポイントはおもに次の3つです。
- 短期間の実績ではなく長期のトータルリターン
- 順調に資金を増やせているか、純資産総額はどうなっているか
- ファンドの運用歴は、設定されてから何年経過しているか
つまり、長年の運用歴に加えて純資産総額が潤沢にあり、長期でみたトータルリターンがプラスで推移しているファンドなら、一時的な人気ではなく本物の人気があるファンドと言えます。筆者が厳選する、上記3つのポイントを加味したおすすめのファンドは次の3つです。
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
- ひふみプラス
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス
詳しく説明していきましょう。
おすすめファンド1:ニッセイ外国株式インデックスファンド
ニッセイ外国株式インデックスファンドは、日本を除く主要先進国の株式に投資できるインデックス型ファンドです。おすすめのポイントは、次の実績があることです。
- 運用期間は5年以上(ファンドの設定月は2013年12月)
- トータルリターン(5年年率)は+6.82%
- 純資産総額は1,000億円超
人気ランキングでは常にランクインしていますが、一時的な人気というわけではなく、確かな実績に裏打ちされた人気なのです。信託報酬は年率0.10989パーセント(消費税10パーセント込み)という破格の低さなので、初心者でも低コストではじめられる点が嬉しいです。
おすすめファンド2:ひふみプラス
ひふみプラスは、おもに日本の中小企業株式に投資できるアクティブ型ファンドです。おすすめのポイントは、次の実績があることです。
- 母体となるファンドの運用期間が10年以上(ファンドの設定月は2012年5月だが、母体となるひふみ投信の設定月は2008年10月)
- トータルリターン(5年年率)は+11.46%
- 純資産総額は5,000億円超
もちろん、現在のひふみプラスは順調とはいえない面もあります。ピーク時には6,000億円を超えていた純資産総額から大幅な減少があり、実績は低迷しています。
それでもなお、人気度を表すさまざまなランキングで上位に入っているということは、投資家の期待度はいまだに高いということではないでしょうか。投資家からの支持があるファンドは、まだまだ資金を集める力があります。
そう言った意味では、ひふみプラスは本当に人気のあるファンドと言えるでしょう。
おすすめファンド3:eMAXIS Slim先進国株式インデックス
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、日本を除く主要先進国の株式に投資できるインデックス型ファンドです。対象となるインデックス(指数)は「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース」、信託報酬は年率0.10989パーセント(消費税10パーセント込み)という低コストです。
そう、「ニッセイ外国株式インデックスファンド)とベンチマークもコストも同じなのです。運用会社は違うけど、限りなく近い性質のファンドと言えるでしょう。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスでおすすめのポイントは、次の実績があることです。
- 母体となるファンドの運用期間は10年以上(ファンドの設定月は2017年2月だが、母体となるeMAXIS 先進国株式インデックスの設定月は2009年10月)
- 母体となるファンドのトータルリターン(年率)は6.52%
- 純資産総額は500億円超
- 実質的なコストはニッセイ外国株式インデックスファンドより少しだけ低い
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、元々人気のあった「eMAXIS 先進国株式インデックス」のコンセプトをそのままに、信託報酬を抑えた低コストファンドとして誕生しました。今はまだ大きな実績はありませんが、元々人気のあるファンドで10年以上の運用実績があるので安心です。
純資産総額で言えば、ニッセイ外国株式インデックスファンドの方が規模は大きいです。しかし、実質的なコストではeMAXIS Slim先進国株式インデックスのほうが優勢です。
どちらも良いファンドですが、悩んだら何を優先するかでファンドを選ぶようにしてください。
まとめ
人気があり、かつ良い投資信託を選ぶためには、「どのランキングを見るのか」ではなく、「複数のランキングを見比べること」が大切です。
投資信託の人気ランキングは、ファンド選びの指標のひとつにしかすぎません。いろんなランキングを見比べながら、各ファンドの魅力を探って、自分に適したファンドを見つけてください。
人気ランキングからファンドを選ぶときのポイントは、次の3つです。
- 短期間の実績ではなく、累積のトータルリターンはどうなっているのか
- 十分な純資産総額があるかどうか、資産の流出入の状況はどうなっているのか
- ファンドが設定されてからどれくらい年数が経っているのか(母体ファンドがあればその母体ファンドの実績と年数を見ること)
そこから、どんな資産に投資したいのか、どんな方法で運用したいのかなど、個人の運用スタイルと希望するポートフォリオに見合ったファンドを選択してくださいね。
投資信託以外の資産運用方法法についても知りたい方は下記の記事をご参考ください。ファンドについて幅広くまとめています。