投資信託の売り時はいつ?売るべき7つのタイミングと売り時・買い時の考え方

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投資信託に限った話ではありませんが、投資は買い時だけでなく売り時がとても重要です。なぜなら、売り時を間違うと、利益が少なくなる可能性や多くの損失を負う恐れがあるためです。多くの売り時を知っておくことは利益拡大やリスク回避につながります。

 

とはいえ、「投資信託の売り時っていつ?」「基準価額が下がったら売ればいい?」「所有し続けてはだめ?」などの疑問を持っている人も多いことでしょう。

そこで、投資信託の投資信託の特徴や売り時について紹介していきます。この記事をご覧いただき、売り時を把握しながらリスク管理を行っていってください。

投資信託の売り時と買い時

投資信託の売り時と買い時を知るために、投資信託ならではの基本的な特徴や相場動向について知っておく必要があります。まずは、投資信託の売買の考え方について確認していきましょう。

基準価額は変動している

株式の価格を「株価」と呼ぶように、投資信託では値段のことを「基準価額」と呼びます。基準価額は、投資信託の取引単位の値段のことです。

投資信託の取引単位は多くが1万口ですが、1口あたりの値段を表記していることもあります。

 

仮に1万口の基準価額が7,000円の投資信託を10万口持っている場合の時価評価額は7,000円×(10万口÷1万口)で70,000円となります。

基準価額は投資信託の時価であり、投資先の株や債券などの価格変動に応じて毎日変わります。

ただし、1日のうちに投資信託の情報を何度見ても、基準価額は一定のままです。基準価額はブラインド方式となっており、投資信託を保有する投資家の利益を守るため、申込締切後に最新の基準価額に更新されることになっています。そのため、新聞等に記載されている基準価額は前営業日のものです。

 

このように、株価や為替とは異なり、基準価額が更新されるのは1日に1回なため変動していないように見えますが、実際はしっかりと価額が変動をしています。投資信託を売る時には基準価額がベースとなりますが、変動していることを理解しておきましょう。

購入時や売却時に基準価額はわからない

先ほどお伝えしたように、投資信託の値段である基準価額は1日に1回しか更新されません。株や債券など組み入れた銘柄の値段をもとに基準価額を算出し、翌日または翌々日にわかります。

一般的に投資信託の解約受付は15時までとなっているため、最新の基準価額はわからない状態で売ることになります。また、売る時だけでなく買う時も最新の基準価額はわからないものです。

投資信託は、購入時や売却時には基準価額がわからないことを理解したうえで、売り時を探る必要があります。

儲かるのは基準価額上昇時に売却した時

株式投資は、買った時よりも株価が上昇したタイミングで売れば売却益を得ることができます。投資信託も同様で、購入時よりも基準価額が上がったタイミングで売却をすれば稼ぐことが可能です。

たとえば、1万口の基準価額が12,000円の投資信託を10万口(12万円)購入したとします。投資対象である株式や債券が値上がりをして、基準価額が13,000円になった時に売却時をしたとすれば、「13,000円×10−12万円」で1万円の利益を得ることになります。

逆に、株式や債券が値下がりして基準価額が1万円まで下がったタイミングで売却をすると、購入時よりも2万円損をすることになります。

 

投資信託で分配金以外の方法で儲けるには、購入時よりも基準価額が上昇しているタイミングで売却することです。そのため、できるだけ割安な時に購入をすれば多くの利益を得られるチャンスがあります。

下降時が売り時とは限らない

基準価額が下降しているからといって、売り時とは限りません。なぜなら、一時的な下落にすぎず、その後値段が上昇する可能性があるためです。下降時に売ることで損失を確定してしまうことになるため、慎重に判断する必要があります。

投資信託はプロが運用し、見込みの薄い銘柄を除いて有望な銘柄を加えるなど、定期的に組み換えがされています。そのため、組み換え後に基準価額が上向く可能性もありますし、他の投資信託も一時的に下降している時期なだけかもしれません。

 

投資信託は、購入手数料や信託報酬だけでなく、売却時には信託財産留保額も支払う必要があるため、頻繁に購入・売却を繰り返してしまうと多くのコストがかかってしまいます。また、そもそも投資信託は短期的に利益を狙うのではなく中長期の運用を前提としているものです。

自身の取引ルールに則り計画的に売却するのであれば問題ありませんが、焦って感情的に売却することだけは避けましょう。一時的な変動で右往左往せず、計画的に売り時を捉えることが大切です。

損切りの意識は大切ですが、「下降=売り時」とは限らないことを意識しましょう。

投資信託所有し続けるものではない

投資信託はプロが代わりに運用してくれますが、ずっと所有し続けるとも限りません。所有し続けることが必ずしもプラスに働くとは限らないためです。

常に有効な投資先を考えたり、あらかじめ利確・損切りのタイミングを決めておくなどしましょう。

常に有効な投資先を考えるべき

投資信託はずっと所有し続けるものではありません。なぜなら、ほとんどのファンドマネージャーが、数年から数十年と長期にわたり高いパフォーマンスを維持し続けることは困難だからです。

 

市場は常に変化していますし、ファンドによって強みが異なるため、たとえ今は高いパフォーマンスで運用できていたとしても、来年の成績は未知数です。

そのため、「他に有効な投資先はないか」常に考えておきましょう。

そうすることで、現在投資している投資信託のパフォーマンスが下がったとしても、高いパフォーマンスのものへ資産を移すことができ、安定したリターンを得続けることができます。

 

株式投資など他の投資でも同じことが言えますが、中長期の目線で常に高いパフォーマンスを実現できる資産運用商品・方法を考えていくことも意識しましょう。

売り時は利益を確定させる時と損失を抑える時がある

投資信託に限らず、投資商品の売り時は主に2つです。一つは利益を確定させる時(利確)、もう一つは損失を抑える時(損切り)です。

購入時よりも基準価額がどれだけ上昇しても、売却するまでは利益が確定されません。含み益は一過性のものなので、利益を得るためには利確が必要です。

また、損切りをしなければ含み損がどんどん膨れ上がり、取り返しのつかない水準まで下がってしまう可能性があります。ある程度の損失は許容したうえで、これ以上損失が増えないように早めのタイミングで計画的に損切りすることも重要です。

そして、中長期的に安定した利益を狙う場合は、これらの利確・損切りを計画的に実行することが大切です。

目標の基準価格に到達したら売却することが重要

感情的な取引にメリットはほとんどありません。利確や損切りをする際は、あらかじめ目標の基準価額を決めて計画的におこなうことで、安定的な運用へ近づけることができます。

例えば、「基準価額が12,000円まで上昇したら利確する」「基準価額が9,500円まで下落したら損切りする」など、事前に具体的な計画を設定するようにしましょう。自身の取引ルールを設けて実行することで、感情的な取引を防ぐことができます。

損失を抑えるための投資信託の売り時

損失を抑えるための売り時とは、具体的にはどのような時なのか確認をしておきましょう。これらの売り時を知っておくことで、リスク管理をしやすくなります。

1.自分の中のリスク許容範囲を超えた時

損失を抑えるための投資信託の売り時の一つが、リスク許容範囲を超えた時です。

投資信託を選ぶ際は「基準価額が9,000円を割るまでは持ち続けよう」など、自分が許容できるリスクの範囲を決めておくものです。そして相場が変動し、決めておいたリスク許容範囲を超えた場合は、損失拡大を防ぐために売るようにしましょう。

許容範囲を超えても「価額が戻るだろう」と楽観的な考えで持ち続けていると、損失が大きくなり資産の大半を失ってしまう恐れがあります。

あらかじめ決めたリスク許容範囲を超えた場合、速やかに損切りするようにしましょう。

2.他の投資手法とのリスクヘッジバランスが崩れた時

多くの投資家は、投資目的や期待リターン・リスクなどに合わせてポートフォリオを決めています。たとえば、国内株式40パーセント、国内債券20パーセント、海外株式30パーセント、海外債券10パーセントなどです。

もし、自身の決めた資産構成比が崩れてしまった場合は、リバランスのために投資信託の一つの売り時となるでしょう。

3.基準価額が大きく下がった時

投資対象である株や債券、不動産などが値下がりして基準価額が大きく下がった時は、損失を抑えるための売り時です。多少の値下がりであれば一時的にあり得ることですが、大幅に値下がりした場合はそのまま下落が続く恐れもあります。

また、基準価額が回復するまでにかなりの時間を要する可能性もあります。

もちろん、その後すぐに値上がりする可能性もありますが、これ以上のリスク回避のためにも大きく下がった時点で売却を検討しましょう。

4.運用金額が小さくなってきた時

保有している投資信託の資産規模が小さくなってきた場合は売り時です。ファンドの純資産残高が減少して資産規模が小さくなっている場合は、以下の2つの理由が考えられます。

  • 分配金を出しすぎている
  • 多くの投資家が解約している

ファンドの資産規模が小さくなると効率的な投資が難しくなるため、これまでよりもパフォーマンスが下がる可能性があります。

一時的に純資産残高が減っているだけの場合やわずかな減少であればまだ良いですが、ファンドの資産規模が減り続けている場合は、リスク回避のためにも解約を検討した方が良いでしょう。

購入前だけでなく、運用中もファンドの資産規模はチェックし続ければ先の成績を予測できます。

その他の投資信託の売り時のポイント

投資信託の売り時は、基準価額が大幅に下がったりリスク許容範囲を超えた時だけではありません。ここで紹介するようなタイミングも一つの売り時です。

3つの売り時について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.類似の投資信託より利益が出ないと感じた時

先ほどお伝えしたように、長期にわたり利益を得続けたい場合は、投資信託運用期間中も常に有効な投資先を考えることが大事です。そのため、現在運用している投資信託と類似したものと比較して、パフォーマンスが明らかに劣ると感じた場合は、売却を検討してみると良いでしょう。

類似した投資信託であれば安心感もありますし、より高いパフォーマンスで運用することで資産拡大が図れます。

他の投資信託と比較したうえで購入するだけでなく、運用中も定期的に類似した投資信託の状況を確認しましょう。他の運用状況を知ることで、現在の投資信託の立ち位置を客観的に確認することができます。

2.NISAの非課税期間が終わる時

投資信託の売り時の一つはNISAの非課税期間が終わるタイミングです。

NISAは2014年から始まった個人投資家向けの税制優遇制度のことで、5年間毎年120万円まで非課税となります(投資総額600万円)。

通常、利益に対して20.315パーセントの税金がかかりますが、NISAの対象期間で条件を満たしている場合は税金が0円となるのです。

利益が100万円の場合、NISAでない場合は約20万円の税金がかかりますが、NISAだと0円で済みます。

 

5年の非課税期間終了後、投資している金融商品は通常の口座に移るため、節税ができなくなります。そのため、非課税期間が終了すると同時に売却を検討することも一つの方法です。

ただし、非課税期間終了後にロールオーバーをすることも可能です。

3.現金が必要になった時

現金が必要になった時も、投資信託の売り時の一つです。どれだけ投資信託の運用が上手くいっていても、手元に現金がない場合は売却を検討しなければなりません。

現金が必要になった時は仕方がありませんが、運用効率が下がるためできれば投資資金は崩したくないものです。

必要になりそうなお金は預貯金として管理し、できるだけ投資資金を崩さないで良いようにしましょう。崩すクセがついてしまうと、資産を増やすうえで蓄積がうまくできないこともあります。

投資信託で失敗しないためには投資信託会社選びが重要

投資信託で「高いパフォーマンスを出す」「失敗しない」ためには、信頼できる業者を見つけることが重要です。実績や投資方針など信頼できる業者であれば失敗する可能性が低く、ある程度高いパフォーマンスも期待できます。

しかし、多くの業者があるためその中から選ぶことは初心者にとって簡単なことではありません。そこで、初めての方でも、「高いパフォーマンス」が望める業者をいくつかご紹介します。

ひふみ投信

ひふみ投信は、藤野英人氏が率いるレオス・キャピタルワークスが運用している投資信託です。国内外の上場株式を主な投資対象として、株価が割安だと考えられる銘柄を選別して長期投資を行うアクティブ・ファンドです。

株価が割高になった銘柄は売却したり、割安だと考えられる銘柄がなければ無理に投資を行わず、現金比率を高めて投資機会を待つなど、柔軟な投資を行うことが特徴です。

苦戦するアクティブ・ファンドも多い中、長期にわたり好調な運用成果を上げています。

セゾン投信

セゾン投信は、セゾングループに属する中野晴啓氏が率いる投資信託運用会社です。同社では、世界に幅広く投資を行う世界最大の運用会社「バンガード投信」を活用した「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と、国内外の株式と債券に長期的に投資する「セゾン資産形成の達人ファンド」の2つの投資信託を運用しています。

Japan Act

投資信託ではありませんが、独立系投資会社で注目されているのがJapan Actです。Japan Actは、企業価値・株主価値を向上させるために積極的な対話や議決権行使をおこなう物言う株主(アクティビスト)としても有名な独立系投資会社です。

有価証券報告書などのチェックに加え、独自のスクリーニングツールを使って企業の理論価値を算出し、割安な評価を受けている企業を投資対象としています。そして、IR担当や経営陣に直接ヒアリングをしたうえで投資先を決めているのです。

独自の手法で割安企業を割り出し、短期的な視点ではなく中長期的に企業価値の向上を促します。

まずは、一度自分の目で業者情報を見て比較してみましょう。

まとめ

投資信託の特徴と、売り時についてご紹介しました。

あらためて今回で紹介した大事なポイントをまとめてみると、次のようになります。

  • 多くの売り時を知っておくことはリスク管理につながる
  • ずっと所有し続けるのではなく今より有利な投資信託がないか探すことも大事
  • 基準価額の大幅下落や資産規模の縮小、リスク許容範囲超など売り時は多数ある
  • どのような状況になれば売るのか事前にシミュレーションをして計画を立てることが大切

特に、これから投資信託を始める人は、今回ご紹介した多くの売り時を把握し、どのようなリスク管理をするか決めたうえで投資をするようにしましょう。

最初は大変に感じるかもしれませんが、すぐに慣れますし、投資信託の運用が楽しくなるかもしれません。

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