「年利10パーセントを目指せる投資方法や金融商品はある?」「年利10パーセントの投資目標は、本当に実現可能?」「理想の目標は年利10パーセントだけれど、もっと自分に合った目標があるかもしれない」こういった疑問や悩みを持った方は少なくありません。
個人で投資している方のほとんどは、「お金を少しでも早く、そして多く増やしたい」と思っていることでしょう。その思いから、書籍やネット記事にある内容をもとに、実現できそうな目標として、年利10パーセントを何となく投資目標に設定されている方もいるかもしれません。
ただ、そのように、年利10パーセントを投資目標にするには注意が必要です。年利10パーセントを実現するのは、決して簡単ではなくリスクがあるからです。
そこで、本記事では、そもそも年利10パーセントは実現できるのか、どのように年利10パーセントを目指すのかについて解説します。また、年利10パーセント以外に、自分に適した利回り目標を設定したい方に向けて、自分に適した利回り目標を知る方法も紹介します。
年利10%の投資目標は実現可能?
「年利10パーセントという目標は、個人投資家にとって適切で理想的な目標」「年利10パーセントを目標にするのはキケンで、もっと低い目標にするのが現実的」このように、投資における年利10パーセントという目標は、それぞれの書籍やネット記事、専門家などによって意見が分かれます。
そのため、多くの個人投資家は目標設定で迷い続けるのです。
そもそも、年利10パーセントは個人投資家にとって実現可能なのでしょうか?まずは、年利10パーセントの実現可能性とそのリスクについて紹介します。
実現可能だがリスクも伴う
結論からお伝えすると、投資で年利10パーセントを実現することは可能です。その理由は、世界の多くの企業が規模を拡大させていて、国の経済も成長しているからです。
どの時点を基準にするかによりますが、年利10パーセント以上の成長をした企業や国は数多く存在します。
ただし、年利10パーセントは、決して簡単に達成できる目標ではありません。なぜなら年利10パーセントを目指すには、その目標に応じたリスクが潜んでいるからです。
投資における「リスク」とはリターンの振れ幅のことで、「リターン」とは投資活動から得られる結果のことです。つまり、年利10パーセントのリターンを期待できるなら、10パーセントの損失を出してしまう恐れもあるということになります。
例えば、1,000万円を年利10パーセントの利益を期待できる金融商品に投資したとしましょう。すると、得られる利益は最大で100万円ですね。
一方で、その金融商品には、10パーセントの損をしてしまう恐れもあるため、100万円を失ってしまうかもしれません。年利10パーセントを目標にするのには、相応のリスクを抱えることになると想定しておくようにしてください。
年利5%〜9%から始めても良い
年利10パーセントを目指す上で、その裏にあるリスクが気になるなら、低い目標にしても構いません。例えば、年利10パーセントよりも低い目標である、年利5パーセント〜9パーセントを目標にするのが一つの方法です。
年利5パーセント〜9パーセントは、インデックス型の投資信託の利回りで実現できる水準です。例えば、「ニッセイ日経225インデックスファンド」という投資信託を5年前の2015年11月に購入していた場合、2020年11月現在は7.13パーセントのリターンを得ていることになります。
年利が小さくなれば達成可能性も上がるため、投資手法がシンプルになる傾向にあります。年利10パーセントを目指す上で、リスクが気になる方はより低い利率から挑戦してみてください。
もちろん、リスクを受け入れられるのであれば、年利10パーセントよりも高い目標を設定しても良いでしょう。
年利10%を目指せるおすすめ投資方法
リスクが伴うものの、年利10パーセントという目標は決して目指せない目標ではないことをご理解いただけたでしょう。では、具体的にどのように投資をすれば、年利10パーセントを目指せるのでしょうか?
ここでは、次の6つのおすすめ投資手法を紹介しましょう。
- 株式投資(短期トレード)
- 株式投資(長期投資)
- 投資信託
- 仮想通貨
- FX
- ヘッジファンド
前提として、投資手法はどれか一つにこだわる必要はありません。複数の投資手法を用いて、年利10パーセントの目標を達成しても良いのです。
また、自分に向いていないと感じた投資手法は利用せず、他の手法を試しても問題ありません。では、それぞれの概要や特徴を紹介していきます。
おすすめ1:株式投資(短期トレード)
株式投資の短期トレードとは、株式の売買を1日に何度も繰り返すことで、利益を得ていく投資手法です。一般的に、「デイトレード」と呼ばれています。
株式投資の短期トレードのセオリーは、値動きの激しい銘柄を探し出して、安く買って高く売ることです。セオリーに反して、値動きの小さい銘柄を選んでしまうと利益を得られません。
銘柄を選んだら、チャート(ある時間単位の銘柄の値動きを示すグラフ)を分析して、相対的に価格が安いときに購入して、値上がりしたタイミングで売却します。その売買を繰り返すことで、元手を大きくしていきます。
株式の値動きは、ときに大きく跳ね上がることがあり、そのタイミングで売買できれば年利10パーセントを目指せるのです。
ただ、デイトレードは、初心者には難易度が高いと言われています。なぜなら、銘柄選定とチャートによる価格変動の予測が難しいからです。
基本的に、どんなに詳細な分析をしたとしても、どの銘柄がどのように値動きするかは誰にもわかりません。特に、投資経験の少ない初心者であればなおさらです。
とはいえ、値上がりしたときの利益は大きいので、試す価値はあります。株式投資の短期トレードに挑戦するなら、まずは結果よりも経験を積むことを目的にしてみてください。
おすすめ2:株式投資(長期投資)
株式投資には、短期トレードの他に、長期投資があります。長期投資とは、1年以上株式を保有し、企業の成長によって保有している株式価格の値上がりを期待する投資手法です。
保有している銘柄の企業が成長すれば、年利10パーセント以上のリターンが期待できます。
長期投資で大切なのは、銘柄選定です。成長しないような銘柄を選んでしまっては、利益を得られません。
銘柄選定については、『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』の著者である奥野一成氏の考えが参考になります。奥野一成氏によれば、購入すべき銘柄には、次の3つの特徴があります。
- 高い付加価値
- 高い参入障壁
- 長期潮流
高い付加価値とは、独自の魅力のことです。以前の日本の家電は、精密で壊れにくいことで海外で人気でした。
高い参入障壁とは、新規参入のしにくさのことです。国からの免許が必要な産業を持つ企業やコカコーラのように世界規模に展開している企業は、高い参入障壁を持っています。
長期潮流とは、「二度と引き返さない世の中の流れ」のことです。日本での高齢化によるヘルスケアや医療業界の成長や、喫煙者の減少によるタバコ産業の衰退などが挙げられます。
「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」の3つの特徴を兼ね備えた銘柄は、長期的に成長を続ける可能性が高いです。銘柄選定に決まりはありませんが、一つの考え方として参考にしてみてください。
おすすめ3:投資信託
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金(ファンド)を、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券、不動産などのさまざまな資産や銘柄に投資する金融商品のことです。投資信託の魅力は、さまざまな銘柄や資産に投資することで商品自体が分散投資を実現できていて、損失を出しにくい構造になっていることです。
投資信託には、運用手法の観点から次の2種類があります。
- インデックス型投資信託:日経平均やS&P500など、株式や債券などの市場指数と連動した運用成績を目指す投資信託
- アクティブ型投資信託:ファンドマネージャーが積極的に運用を行い、市場指数以上の運用成績を目指す投資信託
この2種類の投資信託のうち、インデックス型に投資することをおすすめします。なぜなら、インデックス型の方が手数料が低いからです。
インデックス型の信託報酬(投資信託を保有している間、毎日支払わなければならない手数料)は、投資資金に対して0.1パーセント前後です。一方のアクティブ型の信託報酬は、0.15パーセントから0.3パーセントほどと割高になっています。
おすすめ4:仮想通貨
仮想通貨とは、電子データのみで取引される通貨のことです。代表的なものにはビットコインやイーサリアム、リップルコインなどがあります。
現在では、暗号資産と表現されることも増えてきました。
仮想通貨は、もともと商品やサービスの売買など商取引を目的に利用されることが想定されていました。しかし、今のところそのような実用的な利用ではなく、投資対象として見なされています。
仮想通貨の投資方法は、大きく次の2種類です。
- 短期売買
- 長期投資
短期売買は、株式投資の短期トレードと同じように仮想通貨の値動き幅を利用して安いときに購入して高いときに売却することで利益を得ます。一方の長期投資では、仮想通貨をコツコツ購入し長期保有することで将来的な価値の上昇を狙う投資手法です。
実際に、仮想通貨は誕生から現在に至るまで価値が上昇しており、ビットコインは一時期1ビットコイン=200万円の価値を付けました。価値が上がると、爆発的な利益を得られる可能性があるのが仮想通貨です。
とはいえ、仮想通貨はどのように値上がりするのかがわかりにくく、運の要素が強い投資対象です。多くの利益を得られるということは、損するリスクも高いということなので、慎重な投資を心がけましょう。
おすすめ5:FX
FXとは、日本語で外国為替証拠金取引のことで、円やドルなどの為替相場の差を利用して利益を得る投資手法です。株式投資の短期トレードや仮想通貨の短期売買のように、短期間で売買を繰り返すのが主な投資スタイルです。
FXの最大の特徴は、一定額を借入(レバレッジ)して多くの利益を得られることです。
例えば、手元に100万円しかないものの、100万円のレバレッジをかけて200万円で投資したとしましょう。もし投資成績が良く、資産が2倍になったとしたら資金は400万円となりますね。
借金である100万円を返済しても、200万円の利益を得られます。このように、レバレッジをかけることで、高い運用成績をあげられるのです。
ところが、レバレッジをかけて損失を出した場合は、借金返済の負担がそのままのしかかってきます。通常より損失が膨らむので、レバレッジをかけるのは諸刃の剣と言えます。
おすすめ6:ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、さまざまな投資手法を駆使しながら、市場が上がっていようが下がっていようが利益を追求することを目指したファンドです。ヘッジとは日本語で「回避」という意味で、ヘッジファンドはリスクを避けながら最大のリターンを目指しています。
まとまった資産を持った方でなければファンドに参加できませんが、その分高いリターンを得られることで知られています。
ヘッジファンドをおすすめする理由は、投資のすべてを専門家(ファンドマネージャー)に任せながら年利10パーセントを目指せるからです。
本章で紹介したヘッジファンド以外の投資手法はすべて、自分自身で銘柄選定と運用をしなければなりません。そのような投資をするには、投資の勉強や実践のために多くの時間と手間が必要です。
専業で投資をしている方なら問題ありません。しかし、本記事を読んでいるほとんどの方が、仕事や家庭など投資の他に時間や手間をかけるべきことがあるのではないでしょうか?
ヘッジファンドに投資する上で投資家が行うことは、資産を預けるヘッジファンドを選ぶことだけです。
年利10%を目指せるおすすめヘッジファンドはJapan Act
これまで解説してきたヘッジファンドの特徴をまとめると、次のようになります。
- 投資のすべてを専門家に任せられるので投資家の手間と時間がかからない
- さまざまな投資手法を駆使して、リスクを避けている
- 投資資金は高く設定されているものの、高いリターンを期待できる
- 本来の企業価値に対して、割安になっているバリュー株に投資して、投資企業の経営について提言するアクティビスト投資を行っている
- 2019年の利回りが30パーセント弱と、好成績をあげている
- 72の法則
- 目標を市場に合わせて決める
- 資産が2倍になるまでの年数(年)=72÷利率(%)
- 72÷3(%)=24(年)
- 72÷10(年)=7.2(%)
できるだけ手間や時間をかけずに、リスクを少なくしてリターンを得たい方はヘッジファンドへの投資を検討してみてください。
ヘッジファンドの中でも、特におすすめしたいのは「Japan Act」です。
Japan Actの特徴には、次のものがあります。
アクティビスト投資は積極的に投資先企業の経営に関わるので、企業を成長させ株価を上げるための施策を実施できるのです。そのため、Japan Actでは継続的に高いリターンを投資家に還元できています。
自分に適した利回りはどれくらいか計算してみよう
ここまで、年利10パーセントの実現可能性と年利10パーセントを実現するためのおすすめの投資手法を紹介してきました。とはいえ、読者の中には年利10パーセントを目標にすることに迷いを感じている方もいるかもしれません。
そこで、自分に適した目標の年利を設定する2つの方法を解説します。
方法1:72の法則
72の法則とは、運用資産が2倍になるのに必要な金利とかかる期間を求められる計算式のことです。具体的な、式は次のとおりです。
例えば、年利3パーセントを目標に投資すると、資産が2倍になるまでにかかる期間は次のように計算できます。
10年で資産を2倍にしたい場合は、年利の目標は次のように計算できます。
このように、資産が2倍になるまでの期間をもとに、年利目標を定められるのが72の法則です。なお、資産が3倍になるまでの利率や期間は、「115の法則」を72の法則と同じように計算することで求めることができます。
方法2:目標を市場の動きに合わせる
年利の目標を、日経平均やTOPIXなどの市場指数に合わせて設定しても良いでしょう。そのメリットは、市場指数に連動する投資信託を購入すれば、目標達成できるので投資スタイルがシンプルであることです。
市場指数は、さまざまな資産の市場全体の好不況や成長率を表しています。基本的に、市場指数がマイナス成長ならほとんどの投資家の運用成績は悪く、逆にプラス成長なら多くの投資家の運用成績は良くなります。
つまり、市場指数の動きと合わせるように目標を決めれば、周りの投資家に勝るとも劣らない運用成績を得られるのです。
まとめ
年利10パーセントは、実現可能です。とはいえ、相応のリスクを負わなければならないことには注意が必要です。
本記事で紹介した、6つの投資手法は自分の好みに合わせて選んでいただいてかまいません。ただし、投資にかかる手間や時間を考えると、最も負担が小さいのはヘッジファンドを活用することです。
リスクを抑えながら、高リターンを目指せるのでぜひ検討してみてください。
また、年利10パーセントにこだわらなくとも、72の法則で自分に適した目標も設定できるはずです。本記事を参考に、自分なりの投資スタイルを確立してもらえれば幸いです。