BMキャピタルとはどんなヘッジファンド?投資のメリット・デメリットを調べてみた

ヘッジファンドはどこの会社が良いのか調べていると、「BMキャピタル」という名前をよく目にすることでしょう。「個人でも投資できる一流のヘッジファンド」を掲げる日本の会社で、ヘッジファンドを探している方は気になっている人も多いのではないでしょうか?

この記事では、BMキャピタルの運用方法についてまとめました。BMキャピタルに投資するメリットやデメリットもお伝えしていくので、ヘッジファンドを選んでいる方のお役に立てば幸いです。

BMキャピタルの運用方法

BMキャピタルの運用方法をまとめると、次の表のとおりです。投資手法、利回り、最低投資額、手数料は他社と比較するときに役立つと思いますので、表にまとめました。

投資手法日本のバリュー株に投資
目安の利回り10パーセント以上
最低投資額1,000万円
手数料購入手数料:5%程度
成功報酬:30%~50%程度

日本のバリュー株への投資で年10パーセント以上の利回りを出しているのが、BMキャピタルの特徴と言えます。各項目について詳しく見ていきましょう。

投資手法

BMキャピタルの投資戦略は国内のバリュー投資で、ときにアクティビストとして投資先の企業に提案を働きかけています。

バリュー投資とは、企業の本来の企業価値に対して株価が割安となっている企業に投資することです。保有している資産よりも株価の評価の方が低い企業は、市場の評価が適切な水準に戻ることで自然と株価が上がるので、割安株として投資家に人気があります。BMキャピタルも他の投資家より早く割安株に目を付けて投資し、株価の上昇とともに運用益を出す仕組みの投資戦略を取っていると言えます。

また、株式を保有すると議決権が得られるので、保有株数によっては会社の経営方針・事業方針を動かすこともできます。平たく言うと、その会社の経営者や従業員ではなくても、経営に参加できるということです。

併せて読みたい:バリュー株とは?見つけ方とバリュー株に投資すべきタイミング

この権利を使って会社に積極的に働きかけるのが「アクティビスト」または「物言う株主」です。BMキャピタルも投資先の企業に対し、アクティビストとして働きかけを行うこともあるそうです。

客観的な立場から経営に働きかけを行うことで、企業体質の向上や経営の健全化といった効果が期待できるので、株価を上向きにすることも可能です。割安株を買うだけでなく、株価の向上にも資する働きかけによって、利益を追求している企業なのですね。

併せて読みたい:アクティビスト投資のメリット・デメリット!おすすめ投資会社3選

目安の利回り

2013年に設立されたBMキャピタルは、公式ホームページによると平均利回り10パーセント以上とのことです。2020年現在、これまでのところ一度もマイナスになったことはないとも記載があります。2020年に世界の株式市場が暴落したコロナショックにおいても、プラスの状態を維持できているそうです。

利回りの実績を見ると、バリュー株投資やアクティビスト投資が成功していることがわかります。ただし、投資である以上は元本割れのリスクもあるので、理解した上で投資をしましょう。

最低投資額

BMキャピタルに運用を申し込むための最低申込額は、1,000万円です。投資に使える余剰資金が1,000万円以上ある方は、BMキャピタルへの投資も選択肢になることでしょう。

 

1,000万円未満でも、場合によっては出資を受け付けているそうです。とはいえ、「1万円だけ投資したいんだけど……」といったあまりに少額の受付は行っていないと考えられますが、数百万円の投資ができ段階的に増やして1,000万円規模の運用をしたいと考えている方は、BMキャピタルに問い合わせをしてみても良いでしょう。

手数料

BMキャピタルの手数料には、「購入手数料」と「成功報酬」の2種類があります。購入手数料が出資金額に対して5パーセント程度、成功報酬は運用で得られた利益に対して30パーセントから50パーセント程度です。

 

購入手数料とは、文字通り購入する際に投資家がヘッジファンドに支払うコストです。ヘッジファンドは投資家がプロに運用を任せる投資商品なので、委託するために支払う最低限の手数料と理解しておきましょう(国内の投資信託における信託報酬のようなイメージです)。

 

成功報酬とは、運用が成功したときにだけ発生する報酬で、これも投資家からヘッジファンドに支払われるものです。BMキャピタルの場合、運用が上手く行って利益が出たら、利益の30パーセントから50パーセント程度を成功報酬として徴収し、残った分が投資家の収益になります。

購入手数料5パーセント程度、成功報酬30パーセントから50パーセントと聞くとかなりコストが高額なように感じられるかもしれません。確かに安くはありませんが、ヘッジファンド業界では標準的な設定だと言えるでしょう。

BMキャピタルの特徴

BMキャピタルの特徴

他社との比較に役立つ投資手法や利回りなどは上記のとおりです。ここからは、BMキャピタルの個別の特徴を見ていきましょう。

合同会社

つい「BMキャピタル」とだけ書いてしまいますが、同社の正式名称は「ビーエムキャピタル合同会社」です。ちなみに公式ホームページでは社名を「BM CAPITAL」と書いているので、アルファベットで書くのが正式だと思われます。

BMキャピタルも多くの国内ヘッジファンドと同様に、「合同会社」という種類の会社です。耳なじみのある「株式会社」と比べると聞き慣れない言葉で、合同会社というものに怪しいイメージを持つ方もいるかもしれませんね。

 

合同会社とは、株式会社などと同様に日本における会社形態のひとつです。

株式会社の場合、出資者=株主となりますが、合同会社の場合は出資者=出資社員と呼ばれます。

「社員」といっても雇用されている従業員とは異なり、株主とほぼ同等の意味合いになります。

また、株主は「有限責任社員」であり、責任の範囲は「有限責任」となるため、購入した株の価額以上の支払義務は生じません。同じように、合同会社における出資社員も「有限責任社員」となります。

似たような会社形態に「合名会社」や「合資会社」などがあり、この二つの会社形態の場合には、出資者=無限責任社員となり、会社の債務について無制限に責任を負うかたちとなります。

BMキャピタルや他の国内ヘッジファンドが採用している「合同会社」では、「有限責任社員」となりますので、損失の範囲は最大でも出資価額までに限定されることになります。

 

合同会社のメリットは、設立するための費用が株式会社よりも安いことなどです。コスト削減はヘッジファンドにとっても重要課題なので、合同会社はヘッジファンドらしい合理的な選択と言えるのでしょう。

また、合同会社では社員権の販売を通じて出資契約をすることで資金調達を可能にしています。

通常、一般的なファンドを運営する際には、集めた資金を運用するために「投資運用業」というライセンスと、不特定多数の顧客に対し商品を販売する「第二種金融商品取引業」というライセンスが必要です。

この2種類のライセンスを保有し、かつ一般的に言われるファンドという形態を維持するためには膨大な費用が必要となります。

それに対し合同会社は「社員権の自己募集」というかたちで、特定の富裕層向けに、自社による社員権販売で資金調達を合法的に行い、自社の利益のためにその資金を活用します。

この形態は、金融商品に該当するものではなく、金融庁への登録義務が生じないものなのです。

まとめると、「合同会社=怪しい」と言われる要因は、会社形態やその他法的な部分を理解していないことが主な要因と推測されます。合同会社か株式会社かで投資先を決めるのではなく、投資戦略やリスクを理解して投資先を決めるように心掛けましょう。

オフィスはマンションの一室

BMキャピタルの住所は東京・六本木で、オフィス利用ができるマンションの一室となっています。「会社って、立派な事務所を構えるものじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、中小規模のヘッジファンドの場合、違和感はありません。

ヘッジファンドは私募という形式で、投資家もトレーダーも少人数で運用することがほとんどです。そのため、小さなオフィスを利用し、家賃というコストの削減を優先する会社が多いのです。

BMキャピタルも、オフィスの家賃を安く押さえていることが伺えます。コストが削減されるほど投資家の利益も守られると考えられるので、好感が持てるのではないでしょうか。

BMキャピタルに投資するメリット

BMキャピタルに投資するメリット

BMキャピタルの特徴を理解したところで、投資するメリット・デメリットを見ていきましょう。

デメリットよりもメリットの方が大きいと感じる方は、BMキャピタルが向いているかもしれません。まずはメリットを3つ解説していきます。

高い利回りが期待できる

割安なバリュー株への投資で利益を出していることや、これまでの平均利回りが10パーセント以上となっていることなどから、BMキャピタルは高利回りが狙えるヘッジファンドだと言えます。個人が株式投資をすると利回りは3パーセントから7パーセント程度になるため、高い利回りを狙うならBMキャピタルに投資した方が良い、と考えられるでしょう。

 

バリュー株投資は割安なタイミングで株式を買うので、買値よりも株価が下がりにくい、または下がっても限定的な下落で収まりやすいというメリットがあります。損失が出にくい仕組みを採用しているので、高い利回りを出せているのです。

年によって利回りが上下することはあり得ますが、このような仕組みによってBMキャピタルは絶対収益を追求しています。利回りが高いのは投資家にとって非常に嬉しいメリットですよね。

ロックアップ期間が短い

ヘッジファンドは少数の投資家からまとまったお金を預かって運用しているため、1人が頻繁に入金したり出金したりすると、非常に運用しにくくなってしまいます。そのため「ロックアップ期間」を設け、申し込みしてから一定の期間はお金を引き出せないと決めている会社が多いです。

ロックアップ期間は1年程度の会社が多いのですが、BMキャピタルは3ヶ月だそうです。他のヘッジファンドに比べると、出資をやめる自由度が高いと言えるでしょう。

 

投資を始めた後にやっぱりやめたいと思ったとき、1年待たなければならないのと、3ヶ月待てば引き出したり解約したりできるのとでは大きな違いだと言えるでしょう。ヘッジファンドを始めるハードルも、他社に比べて低く感じられるのではないでしょうか?

とはいえ、投資を始める際にはしっかりと検討したうえで判断するようにしましょう。

景気に左右されにくい

BMキャピタルはコロナショックでもプラスを維持できており、景気に振り回されにくいポートフォリオになっていることが想像できます。そもそも割安な株式を買っているため、株価がそれ以上は下がりにくい状態のときに買えているのだと考えられます。

参考までに、2020年3月のコロナショックにおいて日経平均株価は約30パーセントも下落しました。インデックス型の投資信託のように、市場平均に連動する手法で資産運用していた場合、資産価値は30パーセントも下落していたことになります。

その点、BMキャピタルはプラスを維持しており、コロナショックにおいては市場平均を上回るパフォーマンスを出せていると言えるのではないでしょうか。

 

実際、コロナショックは2020年3月のことでしたが、BMキャピタルは先手を打って2020年2月時点で下落リスクに備えるポジションを取っていたそうです。当時のタイムラインは、中国で新型コロナウイルスの1人目の感染者が出たのが2019年12月末のことで、2020年1月には中国で流行し、1月末ごろには日本国内でも1人目の感染者が出て、少しずつ広がりつつあるといった段階でした。

WHOが「パンデミックではない」と発言するなど、世界的な流行になると考えている人が少ない段階でも、BMキャピタルでは下落リスクを懸念し備えていたことになります。

 

もちろん、今後もBMキャピタルが下落を確実に回避して利益を出せると保証することはできませんが、実績があることは伺えます。景気の良し悪しに関わらず利益を出して欲しいのが投資家の本音だと思いますので、BMキャピタルへの投資も検討してみてはいかがでしょうか。

BMキャピタルに投資するデメリット

BMキャピタルに投資するデメリット

メリットもたくさんあるBMキャピタルですが、デメリットやリスクもあります。この項目では投資する前に押さえておきたいデメリットを解説するので、理解した上で投資するか検討してみてください。

手数料が高い

投資信託に比べると、手数料が高いことがネックになると思います。BMキャピタルだけではないのですが、ヘッジファンドは全体的に投資信託より高コストな傾向があり、ヘッジファンドに投資するデメリットと言えるでしょう。

しかも、1,000万円以上の資金を預けるため、手数料の金額もかなり大きなものとなります。

購入手数料となる約5パーセントでも、50万円程度の手数料となります。現在のところ手数料を差し引いても利益が出ているので問題無いと考えられますが、今後も永続するとは限らず、手数料の高さがネックになる可能性もあります。

投資先が国内株に偏る

BMキャピタルの投資先は国内のバリュー株なので、投資先が日本に偏ることがリスクとして挙げられます。基本的には、世界中に分散投資できた方が低リスクに運用できるので、BMキャピタル以外に海外投資信託を買うなど、リスク管理をすると良いでしょう。

国内株式の場合、東日本大震災のような大きな災害や、それに伴う事故(原発事故など)が発生したとき、業績に関係なく相場全体が一時的に下落していくことも予想されるため、資産が減ってしまうことも考えられます。

このようなリスクを下げるためには、国内株だけでなく世界の株式や他の資産(金や債券など)にも分散投資するのが有効です。BMキャピタルへの投資だけをしている場合、ポートフォリオが国内株式に偏っていることを自覚し、他の資産にも投資をしていただければと思います。

口コミが少ない

BMキャピタルは2013年に設立された会社であり、私募のヘッジファンドであるため、顧客数は膨大と言えるほどではありません。ヘッジファンドあるあるですが、投資した経験がある人が少なくネット上の口コミが少なく評判がよく分からないというデメリットがあります。

ヘッジファンドは少数の投資家から出資を受ける私募の形式で、投資信託と違って証券会社での募集などを行いません。そのぶん自由度の高い運用ができるなどのメリットがあるため、ヘッジファンド経験者の人数が少ないのは仕方ないことなのです。

そのため、ネットで検索してもたくさんの口コミが見つかるわけではなく、投資するべきなのか不安に感じる方もいるでしょう。出資する前に社員と面談をするので、疑問点があればそのときに質問するようにしましょう。

BMキャピタル以外のおすすめ投資会社

BMキャピタル以外のおすすめ投資会社

BMキャピタルも収益性が高く優秀なヘッジファンドですが、他にもおすすめできる投資会社があります。BMキャピタルだけでなく、他の会社も比較して検討した上で、どこに投資するか決めるのが良いでしょう。

他のおすすめ投資会社を4つ紹介していきます。

Japan Act

Japan Act
Japan Actは、バリュー投資とアクティビスト投資を行う投資会社です。

手法としてはBMキャピタルと共通しているところもあるでしょう。アクティビストとしての活動はプレスリリースでも公開されており、最近では日本経済新聞に登場したことでも話題となっています。

 

日本企業特有の政策株式(株式持ち合い)や低い水準に留まるROEを課題とし、積極的に活動しています。2020年7月現在のニュースリリースでは、株主提案や補足資料などが公表されており、Japan Actの活動内容がよくわかるものになっています。

Japan Act公式ホームページ

トータスパートナーズ

トータスパートナーズ
トータスパートナーズは、優良と考える中小企業に投資を行う投資会社です。非上場の未公開株式(プライベート・エクイティ)を中心に投資をしており、個人投資家にはアクセスしにくい企業に投資することができます。

トータスパートナーズは、少子高齢化によって後継者不足に悩んでいる企業を存続させ、発展することを目指しています。ユニークな理念のヘッジファンドで、社会貢献の側面も大きい特徴があります。

トータスパートナーズ公式ホームページ

フロンティアキャピタル


フロンティアキャピタルは新興国に投資を行う投資会社です。

新興国は人口が増加して急速な経済成長を遂げていることなどから、早い段階で投資できれば大きな利益になることが期待できます。

フロンティアキャピタルは新興国の中でもイランの株式に投資しているユニークなヘッジファンドです。日本の投資信託でも新興国への投資はできますが、中国やロシア、ブラジルなどが中心です。

イランに投資できるチャンスは中々無いので、フロンティアキャピタルはイラン投資ができる数少ないファンドの一つです。

フロンティアキャピタル公式ホームページ

まとめ

BMキャピタルというヘッジファンドについて解説してきました。国内バリュー株に投資し、平均利回り10パーセント以上を出している会社で、高利回りの投資先を探している人に向いていると言えるでしょう。

最低申込額が1,000万円と高めですが、ヘッジファンドの中では標準的な設定だと言えるでしょう。余剰資金があって1,000万円規模の投資ができる方は、BMキャピタルを検討してみても良いでしょう。

国内厳選の注目ファンド

【2021年度版】国内ヘッジファンドランキング

投資手法・手数料・最低金額を比較・分析。 注目の国内ファンドをランキング形式で紹介。