【2021】エリオット・マネジメントとは?評判・口コミは?運用実績と投資手法

エリオット・マネジメントは、日本のソフトバンクグループ株式会社やアメリカのTwitter社の株を取得したことで大きく話題になりました。また、イタリアの有名なサッカークラブチームである、ACミランを傘下に置いたことでも話題です。

「何かと話題の尽きないエリオット・マネジメントとはどういった会社なのか?」と疑問を持たれている方は少なくないでしょう。そこで今回は、エリオット・マネジメントとはどんな会社なのか、物言う株主とは何か、運用実績はどうなのかなど、エリオット・マネジメントに関する情報を詳しくお伝えします。

エリオット・マネジメントに対する投資を検討されている方や、どういった会社なのか興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

エリオット・マネジメントとはどんな会社?

エリオット・マネジメント

エリオット・マネジメントとは、「物言う株主」とも呼ばれる投資運用会社です。2020年にはソフトバンクグループ株の一部を取得したことからも話題になりました。

まずは「物言う株主」エリオット・マネジメントがどのような投資運用会社なのかについて解説します。

エリオット・マネジメントの概要

Elliott Management Corporation(エリオット マネジメント コーポレーション)はアメリカのフロリダ州(設立当初はニューヨーク州)に本社を置くヘッジファンドです。1977年にポール・シンガー氏が設立し、2020年末時点でエリオット・マネジメントの運用資産は352億ドルを超えていると言われています。

2015年時点では、約80億ドルと言われていたため、その成長率は著しく高い状態と言えるでしょう。

 

また、エリオット・マネジメントがメインとしている投資先がディストレスト証券や破産に近い状態の企業等、いわゆる不良債権です。過去には「アルゼンチン(国)」を相手にしていたことからも話題になりました。

エリオット・マネジメントはアクティビスト手法を得意としており、いわゆる「物言う株主」と言われています。不良債権を安く買い取り、経営に口を出して株価が上昇したタイミングで売却して利益を発生させます。

 

主な投資先は上場企業ですが、先ほどもお伝えしたように「国」を相手にすることもあるのがエリオット・マネジメントです。

アクティビストとしてのエピソード

アルゼンチンは2001年にデフォルトしましたが、エリオット・マネジメントは自社の子会社(NML Capital Limited)を通じて格安で国債を取得。アルゼンチン政府は2005年と2010年に一方的に債務再編を通告し、約92%に及ぶ投資家たちの債権の約7割をカットしました。

 

ところが、NML Capital(子会社)は交渉を拒否し、金利やペナルティ等を含めた全額の支払いを求めて提訴。法廷闘争を得意とするエリオット・マネジメントのやり口とまったく同じです。

最終的には米最高裁まで発展しましたがNML Capitalの勝訴で幕を閉じる形となりました。

 

このように、不良債権を安く購入して経営に口出しをして株価が上がったところで売却をしたり、不良債権を安く買って法廷闘争で勝訴を勝ち取ったりするのがエリオット・マネジメントです。

ゆえに、「ハゲタカファンド」や「ハイエナファンド」などと呼ばれることもあります。道徳的に見て快く思わない方もいるそうですが、その実績は素晴らしいものであり、立派なヘッジファンドといえるでしょう。

エリオット・マネジメントの投資先

株主総会が行われる会場

エリオット・マネジメントの主な投資先はジャンク債権です。先ほどもお伝えしたように、相手が国であっても容赦なく戦うのがエリオット・マネジメントです。アメリカではTwitter社やAT&T(アメリカの通信大手)にも投資していることで有名です。

AT&Tに対しては2019年に32億ドル投資し、経営戦略の見直しをするよう手紙を送りました。AT&Tの株価はその後1年間で若干の上昇傾向を見せたものの、下降傾向になっています。

AT&Tの株価の推移

出典:Yahooファイナンス

Twitter社の株式を入手した後も経営戦略に細かく口出しをしており、実際にエリオット・マネジメントの要求が通っているのが現実です。今後、エリオット・マネジメントが日本の企業へ投資する可能性も含めて、エリオット・マネジメントの主な投資先について詳しく見ていきましょう。

ジャンク債がメイン

メインの投資先はジャンク債です。すべてをジャンク債に投資しているわけではありませんが、ポートフォリオの1/3程度はジャンク債だと言われています。

ジャンク債に投資をしたとしても、その経営手腕から経営戦略を立て、実際に再建をした実績が豊富にあるため安心できるでしょう。また、万が一のことがあっても、法廷闘争を得意とするエリオット・マネジメントは、ある程度回収できる見込みがあって投資をしています。

 

実際、「物言う株主とも呼ばれるエリオット・マネジメントが投資をした」という事実だけで株価が上がる現象も発生しているほどです。たとえば、エリオット・マネジメントがDropbox(ドロップボックス)の株式の10%(8億ドル分)購入した結果、Dropboxの株価が約8%も上昇しました。

アクティビストとして一定の評価があるエリオット・マネジメントが投資をしただけでも株価が上がります。ジャンク債を購入しても、投資家たちはどこか安心感を得られるのでしょう。

近年はアクティビスト・ファンドも行う

ジャンク債への投資がメインだったエリオット・マネジメントも近年は、アクティビスト・ファンドにも手をかけています。

アクティビスト・ファンドとは、一定数以上の株式を保有することで企業経営者に対して増配を求めたり、株主還元の要求を求めたりします。また、株主総会の決議権を積極的に利用することで、いわゆる「物言う株主」とも呼ばれています。

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このようなアクティビスト・ファンドは少々強引なのが特徴です。これまでお伝えしてきたエリオット・マネジメントの概要からもわかるように、あらゆる手段を用いてかならず債権を回収する印象です。

実際、アクティビストは高い利回りを要求する手法でもあります。たとえば、増配を希望して通らなければ、その決議権を利用して取締役の解任を意図することもあります。

ときには強気な姿勢を見せつつも確実な収益に直結させるのがこのファンドの特徴です。日本では、株主総会に参加できる程度の株式を保有し、議事妨害等をする「総会屋」と比較されてしまうこともありましたが役割や存在意義は全く異なります。

 

経営者は株主総会で再任されない、解任されてしまうリスクを考慮して、積極的に株主の意見に耳を傾けるようになり、経営と所有の分離が適正に働くようになります。

ソフトバンクG株式を多数取得したことで話題に

エリオット・マネジメントは、2020年にソフトバンクグループ株式会社の株式を取得したことでも話題になりました。着々と買い集めた株式の総額は、実に25億ドル相当で保有比率は株式数の約3%になります。

2019年のソフトバンクグループ株式会社は、ワーキングスペースWeWorkの救済による影響からも約65億ドルもの損失を計上し、株価も急落してしまいました。そこに目をつけたエリオット・マネジメントがソフトバンクグループ株式会社の株式を取得した形です。

 

ソフトバンクグループ株式会社は大きな損失こそ計上したものの、安定したポートフォリオを保有しており、市場が過小評価しているとエリオット・マネジメントは見ています。

一方で、エリオット・マネジメントはソフトバンクグループ株式会社の投資先決定プロセスを問題視していました。特に2019年に大きな損失を計上させたWeWorkへの出資は、事業実態とはかけ離れた割高な価格での株式取得しとなり、大幅な損失につながっています。

 

とはいえ、アクティビスト・ファンドであるエリオット・マネジメントがソフトバンクグループ株式会社の株式を取得したことから、同社の株価は一時的に上昇しました。一時的には前日比8%高の5,116円まで上昇し、約半年ぶりとなる高値を記録。

市場では、物言う株主エリオット・マネジメントに対する期待が見受けられました。しかし、実際は保有比率が3%と少ないことから、そこまでの影響は発生しないものと思われています。

エリオット・マネジメントの運用実績

ポートフォリオを分析するトレーダー

エリオット・マネジメントの運用実績は、2020年で12.7%の好成績でした。世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていた中でも、好成績を出しました。

特に、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響を強く受けた2020年3月も、月次で0.1%のプラスになり、2020年はすべての月でプラスになるという好成績を残しています。この12.7%という数字は過去10年間の中でも好成績であり、エリオット・マネジメントがどのような状況下でも収益を上げられる力があることを証明したものといえるでしょう。

エリオット・マネジメントの運用資産は452億ドルとなり、2020年6月時点から約42億ドル増加したことになります。こうしたことから、アクティビスト戦略の力量を見せつける結果となりました。

【気になる話題】エリオット・マネジメントの今後を考察

株主総会に参加する株主

最後に、エリオット・マネジメントに目をつけられたTwitter社、ソフトバンクグループの今後について考察し、エリオット・マネジメントの口コミや評判にも触れます。

大手日本企業SBGはどうなる?

Twitterの口コミでも「ソフトバンクを少しずつ食っていく感じなのか?」「孫さんどうする?」などと複数書かれていました。

本記事でもお伝えした通り、エリオット・マネジメントは経営方針にも口を出すことが特徴です。場合によっては取締役の辞任や変更を要求することもあります。

 

しかし、エリオット・マネジメントの株式保有比率はわずか3%であり、あまり強く言える立場にありません。また、ソフトバンクグループ株を買い増すなどの情報も現時点ではないため、大きなアクションを起こす可能性は低いでしょう。

また、2021年9月には、ソフトバンクグループ株の一部を売却して約5億ドルの収益を上げたことも明らかになっています。その理由は明らかになっていませんが、現時点ではソフトバンクグループに大きな圧力をかけたり、口出しをしたりするつもりはないと考えられます。

CEOを変更要求!Twitter社は今後どうなる?

2021年1月時点で、日本人の約1/4が利用しているTwitter社、世界的に見ても3億人以上が利用しています。そんなTwitterはアメリカのIT大手と比較したときに伸び悩んでいたことから、エリオット・マネジメントに目をつけられました。

そして、エリオット・マネジメントはTwitter社のCEOであるジャック・ドーシー氏に退任を要求。その一方で、ジャック・ドーシー氏は2020年からの3年間で収益を2倍以上にすると発言しました。

 

背景には、エリオット・マネジメントに目をつけられたうえに辞任を要求されたためだと思われます。2020年Twitter社の売り上げは37億ドルだったことから、2023年までには74億ドル以上の収益を上げると豪語しています。

そんなTwitter社の株式は他のIT大手に比較すれば劣っており、株式市場の一部でも不満があったのは事実です。アメリカ国内ではFacebookやGoogleの親会社であるアルファベットがあるため、これらと比較されると劣ってしまうのでしょう。

 

今後、エリオット・マネジメントがTwitter社のCEOジャック・ドーシー氏を追い込んだなら、再編機運が高まる可能性は十分にあります。現時点ではエリオット・マネジメント側に軍配が上がりかけていますが、ジャック・ドーシー氏が言う「3年で2倍」を成功させられれば辞任は避けられるでしょう。

向こう数年のTwitter社とエリオット・マネジメントの動向は注目すべき話題となることが予測されます。

エリオット・マネジメントの口コミ・評判

エリオット・マネジメントに対する口コミで多いのは、日本でも広く話題になったソフトバンクグループの株式を取得したことや、Twitter社に対する要求に関することでした。

https://twitter.com/cpa_xxxxx/status/1241861344384577542

エリオット・マネジメントはアクティビスト・ファンドであることからも、投資先企業の今後に対する意見・口コミも多数あります。

まとめ

今回は、エリオット・マネジメントというヘッジファンドについてお伝えしました。

エリオット・マネジメントは、不良債権を安く買い取り、経営に口を出して事業を立て直し、株価を回復させたところで売却する手法で確実な収益を上げています。2020年に世界で蔓延した新型コロナウイルス感染症の中でも、確実な収益を上げた実績を有しています。

 

また、日本国内でもソフトバンクグループやTwitter社の株式取得、イタリアの有名なサッカーチームACミランを支配下に置くなど話題の尽きないヘッジファンドです。

収益性は安定していますが、過激さからエリオットに対して賛否があるのも事実です。数多くあるアクティビストファンドの中でも、特に派手な動きをして注目を集めているファンドのため、否定的な意見も見られるのでしょう。

ただし、本来アクティビスト・ファンドは株主としての権利を活用し、経営陣と良好な関係を気づきながら株主にも企業にとってプラスにすることが目的です。

アクティビストは、株主と企業の本来あるべき形であり、その結果収益性が高まる手法です。日本人らしく、経営陣との対話を大事に行う国内ファンドもあるので、アクティビストに興味のある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

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