アクティビストの企業に対する解選任要求の重要性を事例から探る

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もの言う株主ともいわれるアクティビストは、会社の成長、そして株主利益の最大化のため、時に大胆な要求を行います。

この記事では、アクティビストにより経営陣が解任・選任された事例を中心に企業がどのように変化し、株価にどう影響したのかを見ていきます。

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1、アクティビストの要求による選・解任事例

(1)黒田電気に対する社外取締役選任要求(レノ)

旧村上ファンド系の投資会社であるレノは、シャープ向け取引の減少で苦戦する黒田電気(現在は非上場)に対して、他社との経営統合や自社株買いによる株主還元の拡充を要求していました。

2017年6月には、その推進役として安延申氏を社外取締役に選任するよう求める株主提案を行い、6割近い賛成を得て可決されます。

黒田電気の経営陣は、この株主提案に反対していたため、実質的に経営側の敗北という形となりました。

この結果を受け、黒田電気は2017年10月、アジア系投資ファンド・MBKパートナーズ傘下のKMホールディングスによるTOBを受け入れ、傘下に入る選択を行い、黒田電気の株価は1週間で33.6%急騰しました。

96ut.com 株価時系列データより作成)

(2)アデランスに対する取締役選任要求(スティール・パートナーズ)

2009年5月、アメリカの投資会社スティール・パートナーズは、アデランス(現在は非上場)に対して、自社の推す取締役8人の選任を求める株主提案を行いました。

株主総会では、スティール側の提案した8人全員が承認される一方、会社側の提案した7人のうち、アデランスを支援していた国内投資ファンド・ユニゾン・キャピタルが提案した4人が否決される結果となりました。

当時スティールは筆頭株主ではあったものの、株式保有比率は26.7%と過半に及ばず、そのような株主からの提案が可決されたことは異例とも言えることでした。

この結果を受け、会社側が提案する取締役・監査役の全員承認を条件に株式公開買い付け(TOB)を予定していたユニゾンは、TOBを見送ることを発表しました。

TOBがなくなったことによる失望から、株価は一時前日比165円安の925円まで急落しました。

96ut.com 株価時系列データより作成

その後スティールは経営権を握り、コスト削減や米国進出などを進めたものの業績の伸び悩みが続き、2011年には創業者の根本氏が社長に復帰、2014年にスティールが株式のほぼすべてを売却したことで、事実上の撤退となりました。

敵対的な買収によりスティールが経営権を握ったものの、会社側とのしこりは残り、それが再建失敗の要因とも考えられます。

2、対話型のアクティビストが増加している

アクティビストといえば敵対的な買収などを行う、いわゆるハゲタカ・ファンドのイメージが先行しがちですが、最近では経営陣との対話を重視するアクティビストが増えてきています。

対話型のアクティビストは、ときには厳しい意見や要求も行いますが、友好的な姿勢から会社の協力を得やすく、プロキシーファイト(委任状争奪戦)や大量の株式を保有する必要もなくなります。

コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードの改革も、会社と株主との対話を後押ししており、対話型のアクティビストが活躍しやすい環境が整ってきています。

3、日本におけるアクティビストの先駆け Japan Act


Japan Act 公式サイト:https://www.japanact.com/

Japan Actは、日本国内の株式を主な投資対象としたバリュー/アクティビスト投資を行っている会社です。

徹底した投資対象の分析から理論価値を算出し、何らかの要因によって市場で過小評価されている企業への投資を行っています。

短期的な利益を追及せず、中長期的な投資スタンスで経営陣との対話を通じ、企業との関係構築を図っている。

企業の手掛ける事業の優位性や将来性、保有資産を徹底的に分析し、企業本来の価値と現在の企業価値(市場における時価総額)との間に乖離のある銘柄を投資対象とし、企業への要求や株主提案を行うなど、アクティビストとして積極的に活動しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アクティビストは、経営陣の交代など厳しい提案や要求などを行うこともあり、ときには批判もされます。

しかし、それが企業をより良い方向に導くことも少なくありません。

企業が本来持つ価値を引き出し、株主利益の最大化を目指す彼らは、今後ますます必要とされていく存在だと言えるでしょう。

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