【2022】退職金の運用方法は?リスク別におすすめ方法をランキング形式で紹介

退職金額は、勤続年数や役職、退職時期などによって人それぞれ異なります。ただし、多くの日本企業では、数百万円から数千万円のまとまった資金を受け取れる傾向にあるようです。

退職金は老後の生活を支える大切な資金なので、運用するなら慎重かつ確実に成果を出したいところですよね。

そこで、本記事では退職金を運用すべき理由や運用するときの注意点、「リスク・リターン別」に見たおすすめの運用方法を紹介します。「受け取った退職金はどのように運用するのが良いのかな?」「退職金を運用する際の注意点についても知っておきたい」といったお悩みにお答えします。

退職金の運用が必要な理由

退職金の運用が必要な理由

本記事をご覧になっている方は、退職金を運用しようと考えていることでしょう。そのため、退職金を運用すべき理由をわざわざ伝えることもないかもしれません。

それでも、今後の社会の傾向から考えることで、退職金を運用すべき理由がはっきりすれば、運用のモチベーション維持になります。

 

そこでここではあえて、なぜ、退職金を運用する必要があるのかについて確認していきましょう。その理由は次の2点です。

  • 老後が長くなっているから
  • 退職金が減少傾向にあるから

老後が長くなっているから

近頃は、「長生きリスク」という言葉を耳にすることも増えているのではないでしょうか。本来、長生きできるのは喜ばしいことですが、生活にはコストがかかるため満足な生活を維持できないリスクがあります。

その理由は、平均寿命の伸長です。

厚生労働省が発表している「生命表」を見ると、日本人の平均寿命は毎年延び続けており、今後もその傾向は変わりません。「人生100年時代」という言葉も、すでに社会に定着しつつありますよね。

 

また、2019年に「老後2,000万円問題」で話題となった金融庁の報告書では、平均的な所得の夫婦が平均寿命まで生きるとすると、生活資金が約2,000万円足りないと試算されました。

つまり、退職金だけでは、長い老後に耐えられないため、その運用が求められています。

退職金が減少傾向にあるから

長くなる老後に拍車をかけるように、退職金も減ってきています。

平均退職金額は、厚生労働省の「就労条件総合調査」によって5年ごとに算出されています。

その調査によれば、退職金は次のように推移していることがわかりました(参照元:厚生労働省「就労条件総合調査」)。

平均退職金額の推移(大学卒業者)
2003年2008年2013年2018年
2,499万円2,280万円1,941万円1,788万円

2003年から2018年までに、約700万円も減っています。そして、この減少傾向は、今後も続くと予測されているのです。

老後生活の伸長と退職金の減少は、避けては通れません。もはや、自助努力によって資金を増やして老後に備えていくしかないのです。そのための一つの手段として、退職金の運用が欠かせないのです。

退職金を運用する前に考えておくべきこと

退職金を運用する前に考えておくべきこと

ここまでで、退職金を運用すべき理由がわかり、早く運用を始めたくなったかもしれません。とはいえ、焦る必要はなく一呼吸おいて、退職金を運用する前に考えておきたいことがあります。

それは、次の4点です。

  • 退職金は老後の生活資金であると認識しておく
  • 長期間の運用を前提に計画を立てる
  • 住宅ローンなど借入があるならまず返済する
  • 余裕があれば年金受給時期を繰り下げる

退職金は老後の生活資金であると認識しておく

第一に、退職金は老後の生活資金の一部であると認識しておくことをおすすめします。つまり、退職金を失うとその後の生活資金がなくなるということです。

そもそも、退職金は会社員や公務員の老後生活を支えるために設けられた制度です。そのため、せっかく受け取った退職金を大きく減らすような恐れのある運用は、絶対にしてはなりません。

 

老後を迎えると、働き口が大幅に制限される上に、病気・ケガで多額の医療費がかかるリスクもあります。退職金の運用は必要ですが、慎重に行うべきです。

長期間の運用を前提に計画を立てる

退職金は短期間で増やそうとせず、長期間の運用を前提とするのがベストです。なぜなら、短期間で増やそうとすると、どうしてもリスクの高い運用をしなければならないからです。

リスクとリターンは、原則として比例します。つまり高いリターンを期待できる運用は、高いリスクもつきまとうのです。

例えば、1年で10パーセントのリターンを狙うのと、10年で10パーセントのリターンを期待するのとでは、取りうるリスクは変わってきますよね。そのため、短期間で資産を増やそうとせず、必ず長期的に増やしていくようにしましょう。

 

「でも、老後は時間が限られている」と感じた方もいるかもしれませんね。確かに、退職した方は、若い世代に比べて運用する時間は短いでしょう。

しかし、それでも平均寿命から考えると20年間ほどあります。その20年間で、少しずつ増やしていけば良いのです。

住宅ローンなど借入があるならまず返済する

住宅ローンやカーローンのほか、借入があるなら先に返済することをおすすめします。なぜなら、借入を放っておくと利子で増えていくからです。実は、支出を減らすのも、運用の一部となります。

例えば1,000万円の借入に、年利5パーセントの利子がつくとしましょう。すると、毎年50万円ずつ出費がかさむことになります。それが10年続けば500万円です。

もし、それを退職金で返済すれば、その500万円は支払わなくていいのです。

 

このように、借入を先に返済することで資産を守ることができます。退職金というまとまった資金の一部を失うことには抵抗感があるかもしれません。それでも、先に返済しておくと、老後資金を確実に守れますよ。

余裕があれば年金受給時期を繰り下げる

退職後、資金にゆとりがあって生活に困ることがなければ、年金受給時期を遅らせることもおすすめです。通常、年金の受給は65歳から始まります。

ただし、年金の受け取りは、70歳までの最大5年間、1ヶ月ごとに開始時期を遅らせることができるのです。そして、1ヶ月遅らせるごとに、受給できる年金額が0.7パーセントも増えます。

 

つまり、1年間受給時期を遅らせると

  • 0.7%×12ヶ月=8.4%

5年間だと

  • 0.7%×12ヶ月×5年=42%

も年金額を増やすことができます。

年金の受給開始時期を遅らせることでも、運用と同じような効果を得られるのです。資金にゆとりがある方は、ぜひ実践してみてください。

退職金の運用方法の選び方

退職金の運用方法の選び方

退職金の運用方法の選び方も確認しておきましょう。選び方を知っておくことで、迷いなく運用方法を選べるようになります。

退職金の運用方法として選ぶべきものは、次のような特徴を持つものです。

  • ローリスク~ミドルリスクの方法
  • 手間のかからない方法
  • 分散して投資する

次の章から紹介する退職金のおすすめの運用方法には、上記の特徴が含まれているものばかりですので、確認するようにしてください。

ローリスク~ミドルリスクのものにする

「退職金は老後の生活資金であると認識しておく」のところでもお伝えしましたが、退職金はリスクの低いもの、つまりローリスクかミドルリスクの方法で運用しましょう。

一番の理由は、大きく失ってしまった退職金を取り戻す時間的な余裕がないからです。

老後は20年ほどあり、長期的に資産を増やすことはできます。ただし、一度失ってしまったものを、取り戻すには時間が短すぎます。

 

資産は、多ければ多いほど増やしやすくなります。例えば、1,000万円を年利5パーセントで運用すれば、毎年50万円を得られますが、資産が500万円に減って同じように運用しても毎年25万円しか得られません。

そのため、一度資産を失ってしまったときのダメージは、年齢を重ねるほど大きくなります。

 

若ければ多少無茶な運用で損をしても、時間的な余裕があるため取り返すことも不可能ではありません。しかし、退職後の限られた時間の中で、大きな損をするのには耐えられません。

したがって、ハイリスクな運用方法はせず、ローリスクかミドルリスクの運用にとどめておくことをおすすめするのです。

手間のかからない運用方法にする

できるだけ手間のかからない運用方法を選ぶこともおすすめです。

それは、夫婦での時間や趣味など、できるだけお金を増やすことにとらわれない自由な時間を過ごすためです。

退職後は、ゆっくりした時間を過ごしたいと思っている方が多いはずです。その理想を実現するためには、ほったらかしでも資産を増やせるような運用方法を選ぶのがベストです。

分散して投資する

分散とは、複数の方法で運用するということです。そして、分散して投資するのはリスクを下げるためです。

例えば、運用先として、株式と債券を選んだとしましょう。株式と債券は、反対の値動きになることが多いことで知られています。

つまり、株式の価格が下落して損をしたとしても、債券は値上がりして利益を得られているということが往々にしてあります。

 

すると、株式の損失が債券の利益によって相殺されて、損失が減りますよね。これが株式だけで運用していたらどうでしょうか?損しか残らない状態になるということはおわかりかと思います。

そのため、運用先を複数選んで分散して投資することがおすすめなのです。

退職金の運用方法おすすめランキング:ローリスクの場合

退職金の運用方法おすすめランキング:ローリスクの場合

それでは、退職金のおすすめ運用方法をランキング形式で紹介していきます。本記事では、ローリスクとミドルリスクに分けて紹介します。

ランキング形式で紹介していきますが、どれか一つを選ぶというよりも、さまざまな方法を試しながら、ご自身に適した運用方法を組み合わせてみてください。

まずは、ローリスクの運用方法を紹介していきましょう。

  • 第1位:金投資
  • 第2位:債券
  • 第3位:外貨建て保険

第1位:金投資

退職金のローリスクの運用先として最もおすすめするのは金投資です。金投資とはとてもシンプルで、金を購入する投資手法です。

以前は、金をコインや延べ棒として、自分で管理しなければなりませんでした。しかし、近年では購入先の金融機関などが管理してくれるため、その手間が省けるようになっています。

金投資が第1位である理由は、次の2点です。

  • 価値がなくなることがないから
  • 株価暴落や自然災害があると値上がりする傾向にあるから

かつて、金は世界中で通貨として活用されていたほど、その価値が認められていました。それは現代でも変わらず、世界のどこへ行っても「金には価値がある」「金が欲しい」と思っている人が絶えません。

つまり、金には必ず値段がつき、価値がなくならないということです。そして、世界中でそのように信頼されているため、資産を安全に保有しておく投資先として盛んに活用されています。

例えば、株価が暴落すると、多くの投資家が安全資産を求めて金を購入します。すると、金の需要が高まり、値上がりするのです。

金は価値が減りにくい上に、株価暴落などの危機の際でも値上がりを期待できる優秀な運用先です。

第2位:債券

債券とは、国や企業が投資家から、資金調達のために発行する借用証書のことです。国が発行する債券を「国債」、企業が発行するのを「社債」、海外の政府や企業が発行するものを「外債」と言います。

ここでおすすめするのは、その中でも国債(個人向け国債)です。国債をおすすめする理由は、国債の持つ次のような特徴にあります。

  • 元本が保障されている
  • 最低運用利回り0.05%が保障されている
  • 半年に1度利息を受け取れる

つまり、国債を購入すればほぼ確実に利益を受け取れる上に、損することがないのです。また、その利回りは銀行よりも高いです。

例えば、メガバンクである三菱UFJ銀行の定期預金の利回りは年利0.02%(2021年2月現在)で、国債よりも低いことがわかりますね。退職金を安全に、少しずつ増やすには国債がおすすめです。

第3位:外貨建て保険

外貨建て保険とは、日本円ではなく主にドルで運用する生命保険のことです。多くの場合、終身保険に貯蓄機能を有して資金を積み立てることができます。

また、保険料を日本円で支払い、それを保険会社がドルに変えて運用し、保険金を円で受け取ることが一般的です。外貨建て保険をおすすめする理由は、次の2点です。

  • 保険料を支払うだけで運用ができるため手間がかからないから
  • 高利回りで、為替によっては大きく資金を増やすことができるから

まず、保険であるため投資家がすることは保険料を支払うだけです。もし契約時に必要な保険料を一括で支払えれば、投資家がすることはほぼありません。

そして、保険会社による運用利回りや為替相場によっては、支払った保険料よりも多くの保険金を受け取れる可能性があるのです。さらに、万が一契約者が亡くなった場合でも、遺族に保険金を残すことができます。

しかし、運用成績や為替相場によっては、逆に損する恐れがあることには注意してください。

退職金の運用方法おすすめランキング:ミドルリスクの場合

退職金の運用方法おすすめランキング:ミドルリスクの場合

続いて、ミドルリスクのおすすめの運用方法を紹介していきましょう。

  • 第1位:ヘッジファンド
  • 第2位:投資信託・ETF
  • 第3位:株式投資

第1位:ヘッジファンド

ヘッジファンドとは、投資家が資金を預け、どのような市況環境でも利益を追求することを目的に運用してくれるファンドのことを言います。ヘッジファンドを最もおすすめする理由は、主に次の2つです。

  • 小さいリスクで大きな利益を期待できる
  • 手間がかからない

もともと、ヘッジとは「リスクを避ける」という意味があります。つまり、ヘッジファンドで運用すると、リスクを抑えながら利益を追求できるということです。

また、運用はファンドマネージャーがすべて行ってくれるため、投資家はほぼ何もしなくても構いません。

 

ヘッジファンドは、1,000万円から1億円のまとまった資金がある方しか利用できない、特別な運用方法です。退職金を活用して、ヘッジファンドで運用してみてください。

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第2位:投資信託・ETF

投資信託とは、多くの投資家から資金を集めてファンドマネージャーが運用し、その運用成績に応じて投資家に利益が分配される金融商品です。ETFは、株式市場に上場している投資信託のことで、投資信託は1日ごとに値動きするのに対してETFは常に値動きします。

投資信託・ETFをおすすめする理由は、次の2点です。

  • 分散投資をしながら高い利回りを期待できる
  • 運用の手間が少ない

投資信託・ETFは株式や債券、不動産などの資産とさまざま銘柄を組み合わせた金融商品であるため、すでに分散投資が実現できています。そのため、損失リスクが小さい上に、市場が好調なら安定的に3パーセントから5パーセント以上の利回りを実現できるでしょう。

そして、あらかじめ購入する投資信託・ETFを決めておけば、その商品を定期的に購入し続ければ良いため、投資家の手間は商品選択のみです。運用の手間の少なさも、投資信託・ETFの魅力です。

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第3位:株式投資

株式投資は、言わずと知れた投資の王道です。株式投資をおすすめする理由は、複数の銘柄を購入して分散投資すれば、安定的に5パーセント以上の高い運用成績を収められるからです。

ただし、退職金を株式の購入に使う場合は、次のようなことを心がけましょう。

  • 長期間保有し短期売買をしない
  • 日本やアメリカの企業など安定成長が見込める企業を選ぶ

そうしないと、リスクの高い運用になってしまうからです。また、ヘッジファンドや投資信託よりも銘柄選定や売買タイミングなど、投資家の手間がかかるため第3位としています。

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おすすめのヘッジファンド

おすすめのヘッジファンド

最後に、ミドルリスクの運用方法で最もおすすめするヘッジファンドについて、その中でも優れているものを紹介します。

 

  • Japan Act
  • BM CAPITAL
  • TORTOISE

Japan Act

Japan Act

Japan Actは、本来の企業価値に対して、割安になっているバリュー株に投資し、投資先企業の経営について提言をするといったアクティビスト投資を行うヘッジファンドです。投資先の経営に参画することで、運用成績を積極的にあげているヘッジファンドです。

そのため、Japan Actでは安定的に高いリターンを投資家に還元できており、2019年の利回りは、30パーセント弱と好成績をあげています。

詳しくはこちらのJapan Actホームページから問い合わせしてみてください。

BM CAPITAL

BM CAPITAL

BM CAPITALは、国内の割安な株式に投資するヘッジファンドです。バリュー株を中心に投資を行っており、企業価値を向上させるための提言を行っています。

BM CAPITALは安定的に高い運用利回りを誇っており、平均利回りは10%を超えています。

TORTOISE PARTNERS

TORTOISE PARTNERS

TORTOISE PARTNERSは、ESG投資を手がけるヘッジファンドです。ESGとは「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の3つの頭文字を取った言葉で、ESGは持続可能性の高い企業を示す一つの指標となっています。

そのため、TORTOISE PARTNERSは長期投資に向いた投資方法を手がけており、安定的な運用成績を享受することができます。

まとめ

退職金は、老後生活を維持するための大切な資金です。ただし、老後が長引く上に退職金が減っている昨今、自助努力での運用が求められています。

とはいえ、リスクを避け手間のかからない運用で安定的に資産を増やしていくのが理想です。そのためには、最後に紹介したヘッジファンドがおすすめです。

気になる方は、一度問い合わせして資料などを請求してみてください。

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