
株式投資は、投資の中でもメジャーな投資商品として知名度があります。
しかし、日々株価が動いていることから、何となくリスクが怖いといった印象もあります。
ただし株式投資も今回紹介するポイントを抑えるだけで、大きな利回りが得られるチャンスのある投資になります。
今回は、そもそも株式投資とは何かということから、株式投資をして具体的に資産を増やす方法について、メディア「BIGTRADERS」が徹底的リサーチしたものを解説していきます。
資産運用を成功させたい方のご参考になれば幸いです。
目次
1、そもそも「株式」とは?
はじめに、普段ニュースなどで耳にする「株式」とは、企業が資金を調達するために発行したもので、株式を購入することで会社へ資金を提供するのと引き換えに、経営権が得られます。
経営権が得られることで、事業活動から得られた配当金を受け取る、株主総会に出席して経営に関する意見を発言することができます。
株式を発行して調達した資金で、新しい事業を手掛けたり、人材を雇用して売上を伸ばし増益を目指します。
それを受けて株価も上昇するため、その企業の株を購入していれば多くのリターンが期待できます。
一方で、売上の減少などで経営状況が悪化した場合は、株価が下落するなど損失を受けることも考えられます。
株式を購入することは、企業に出資する代わりに、対象の企業の成長性を織り込むことでリターンを狙う投資であると言えます。
なお、企業が資金調達をする方法としては他にもいくつかあり、その一つに社債の発行があります。
社債は単純にお金を借りることで、企業は投資家からお金を借りる借用証書となり、負債扱いとなります。
債券になりますので、決められた期間までに利息の支払いと借りた資金の返済をする必要があります。
2、株式投資のメリットは?
資産運用の中で、比較的大きなリターンが期待できると言われる株式投資ですが、そのメリットはどういった所にあるのでしょうか。
株式投資のメリットを4つ紹介します。
(1)値上がり益が得られる!
株式投資の一番のメリットとしては、値上がり益「キャピタルゲイン」が得られることです。
1章の「株式投資とは?」でも説明しましたが、株式を購入することで、企業の成長性を取り込むことができます。
そのため経営状況がよくなれば、それに伴って株価が上昇し、評価益もプラスになります。
例えば、1株1000円の株式を100株10万円で購入し、株価が2,000円に上昇すると評価益は20万円となり、10万円プラスとなります。
(2)配当金が得られる!
株式を保有していると、株価の上昇だけではなく事業活動で得られた利益の一部を投資家に配当金として分配します。
そのため、単純な値上がり益だけではなく、定期的な固定収入である「インカムゲイン」が得られます。
ただし、配当金を分配する企業と分配しない企業がありますので、配当金を重視する場合は、配当金利回りを必ずチェックするようにしましょう。
(3)株主優待が得られる!
日本の個人投資家の多くが楽しみにしていることとしては「株主優待」があります。
株主優待は、株主に日頃の感謝を込めて自社製品などを提供するサービスです。
株主優待は、食品会社であれば食品の詰め合わせや飲食店を経営している会社であれば、自社で使える割引券、航空会社であれば航空券の割引券などが貰えます。
(4)経済に強くなれる!
株式投資をするメリットとしては、単純に値上がり益や配当金などリターンを得るだけではありません。
株式投資を行うことで、投資のチャンスを探すためにも日頃のニュースなどに敏感になることから、経済に強くなれるメリットがあります。
株価は、日々の経済情勢から企業の事業活動に及ぼす影響を織り込むことで、上下を繰り返します。
例えば、為替が円安になれば、製造業の割合が大きい日本では、自動車株や電機株の収益が大きくなると予想され、株価が上昇傾向になります。
このように国内だけではなく、グローバル規模で世界的な経済情報を収集することになりますので、多くの情報に興味が広がることで視野が広がり、ご自身の普段の生活でも得た知識を活かして、多くのチャンスを手に入れられるなど充実したものになるでしょう。
3、株式投資のデメリット
株式投資には上記のようなメリットがある一方で、当然ながらデメリットもあります。
この項目では株式投資を行う上でのデメリットを3つ紹介します。
(1)株価が購入時より下回ると損失が発生する
株式投資の一番のデメリットは、ご自身が購入したときより株価が下回ってしまった場合、評価損が発生してしまうことです。
株価は基本的に需要と供給で価格が決まりますので、必ずしも立て続けに株価が上昇することはありえません。
配当や株主優待など権利取得日前後では株価が変動しやすい時期が存在し、経済状況における経営環境の変化などで株価は変動します。
また、経営状況の悪化などで株価が下落することもあります。
上場企業は年に4回決算を発表しますが、決算が予想より大きく下回った場合など、株価が下落する傾向にあります。
そのため、株式投資をするためには事前に収益など経営状況が良いか、自己資産額と負債とのバランスは良いかといった財務状況を、企業が発行する決算書や賃借対照表などでチェックすることが重要です。
経営状況や財務状況が健全であれば一時的に株価が下回ることがあっても、長期的には大きなリターンを得られる可能性があると言えます。
(2)心理状態が不安定になる場合がある
株式を購入した後は、どなたでもその後どのように株価が動くか気になります。
常に上下に動く株価をドキドキしながら見続けなくてはなりません。
株価が上昇傾向にあれば心理的に良い気分になりますが、下落傾向にあると、このまま下落が続いてしまうのではないかといった不安に駆られ、冷静な判断能力を失うこともあります。
株式投資を行うには、単純に経済に関する知識だけではなく、心理状態のコントロールも重要になります。
常に、平常心で株式相場に挑みましょう。
(3)情報に振り回されることがある
先程の心理状態の変化と関連がありますが、その要因としては単純に株価の変化だけではなく、ニュースなどの情報にも要因があります。
株式関連のニュースをチェックしていると、「過去最高値」、「約10年ぶり最安値」といった報道がなされています。
これらは事実でもありますが、この情報に振り回されてしまい、心理的に焦って冷静な判断ができなくなることで慌てて売ってしまったり、慌てて買ってしまったりします。
例え10年ぶりに最安値になって手持ちの株価が下がっている場合でも、経営状況や財務状況を改めて見直し、冷静に売り買いできる自分自身のルールを作っておくとあの時こうしておけばよかったというような、後悔することなく、情報に振り回されることもないでしょう。
4、始めたいと思ったら!株式投資を始める流れ
ここまでお読みいただき株式投資を始めてみたいと思われたなら、実際に株式投資を始めましょう。具体的には以下の流れで進めていきましょう。
- 証券会社を決める
- 口座を開設する
- 銘柄を選ぶ
- 購入する
以下ではそれぞれのステップについて詳しく説明していきます。
5、まずは証券会社を決める!おすすめの人気証券会社 5選
株式を購入するには、証券会社を経由することになります。
そのため、株式投資を行いたいと考えた場合、まずは証券会社に口座開設を行う必要があります。
株式投資を行うためのおすすめの証券会社5社を紹介します。
(1)SBI証券
SBI証券は、SBIホールディングス傘下のネット証券で、国内株式を売買する際の手数料が低水準に設定されている他、米国やアジア諸国の株式の取り扱いも豊富なのが特徴です。
SBI証券で国内株式を売買する際の手数料は、金額10万円までが139円、10万円以上30万円までが272円となっています。
また、年間120万円までの投資で得た売却益や配当金が非課税となる、少額投資非課税制度(NISA)口座を開設すると、国内株式の売買および、外国株式の買付手数料が無料になるなど、NISAと組み合わせて利用するとお得な取引ができます。
URL:SBI証券
(2)楽天証券
楽天証券は、ネット通販の楽天が運営している証券会社で、こちらも手数料水準が低いことに加え、デイトレードを行う場合に便利なツールも充実しています。
また、情報サービスも豊富で日本経済新聞や日経産業新聞などの記事が読める「日経テレコン」を無料で提供しています。
楽天証券で国内株式を売買する際の手数料は、約定金額が10万円までが139円、10万円以上50万円までが272円に設定されています。
また、楽天証券でもNISA口座を利用すると国内株式の売買手数料が無料となります。
URL:楽天証券
(3)マネックス証券
マネックス証券は、マネックスグループが提供しているネット証券会社で、売買手数料が10万円以下であれば100円からと、少額取引であれば低コストに取引ができます。
また、同証券は米国株式の取り扱いが豊富なのが特徴で、世界的に知名度が高い米国企業に幅広く投資をしたいと考えている方におすすめです。
売買手数料は、約定金額が10万円以下の場合は100円で、10万円以上20万円以下であれば180円、20万円以上30万円以下であれば250円に設定されています。
マネックス証券でも、NISA口座で取引をした場合、国内株式の売買手数料が無料、外国株式は買付手数料を後日キャッシュバックされます。
URL:マネックス証券
(4)カブドットコム証券
カブドットコム証券は、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)のネット証券で、インターネットでの取引に特化した証券会社となっています。
こちらも手数料水準が低く設定されており、少額の取引を行う場合には検討余地が高いと言えます。
売買手数料は、10万円以下が90円、10万円以上20万円以下が180円、20万円以上50万円以下が250円に設定されています。
NISA口座を利用すると国内株式の売買手数料が無料になります。
ただし、同証券会社では、外国株式の取り扱いがありませんので注意が必要です。
URL:カブドットコム証券
(5)松井証券
松井証券は、大正7年に創業を開始した歴史ある証券会社です。同社はサポート体制に力を入れており、単純な取引に関する案内やサポートに留まらず、お客様の立場での相談窓口としての機能を備えています。
手数料水準も低く、10万円以下の少額取引の場合は1日何度でも売買手数料が無料となっていることに加え、10万円以上30万円以下は1日定額で300円、30万円以上50万円以下は1日定額で500円に設定されており、1日に何度も取引をしたい方におすすめです。
また同社でも、NISA口座を利用すると、国内株式の売買手数料が無料となります。
URL:松井証券
6、口座開設の流れは?
証券会社を決めたら口座を開設しましょう。多くの証券会社では以下の流れで口座が開設できて購入可能な状態となります。
- 口座開設の申し込み
- 情報の登録
- 「口座開設手続完了のご案内」の受取
- 取引スタート
口座開設の方法について詳しくは「株の買い方|口座開設してから具体的な注文方法まで」の記事をご参照ください。
7、銘柄を選ぶ
口座を開設したら次は実際に購入する銘柄を選びましょう。銘柄を選ぶ上でのポイントを紹介します。
なお、銘柄選びについては「株価のチャートの種類とそれぞれの見方、さらにおすすめサイト・アプリ」「株の買い方|口座開設してから具体的な注文方法まで」の記事もそれぞれ参考にしてみてください。
URL:株価のチャートの種類とそれぞれの見方、さらにおすすめサイト・アプリ
(1)経営状況や財務状況をチェックする
次に、経営状況や財務状況をチェックします。
ここではあまり難しいことは除いて、事業活動で得られた「売上高」と、人件費や経費を差し引いて最終的に手元に残る「純利益」が、過去5年間上昇していれば経営状況は良いと言えます。
また、財務状況については、企業が保有している全体の資産である「総資産額」から、事業活動を行うための借入金である「負債」を差し引いた「純資産」がどれだけあるかもチェックします。
財務状況を見て、万が一経営状況が悪化した場合でも事業活動を継続して行えるのかを判断します。その目安として「自己資本比率」が30%以上あれば、健全であると言えます。
(2)現在の株価が妥当な水準であるかチェックする
経営状況と財務状況が良ければ、現在の株価が妥当な水準で推移しているか確認します。
その指標として用いられるのが「Price Earnings Ratio(PER)」(株価収益率)と「Price Book-value Ratio(PBR)」(株価純資産倍率)です。
①PER(株価収益率)
PERは、「現在の株価」に対して「一株当たりの利益」で割って計算し、現在の株価が一株あたりの利益に対して何倍まで買われているかを示しています。現在の業績が継続した場合、現在の株価で投資した場合どれくらいで投資額を回収できるかが分かります。
業種によりますが、2017年12月現在では、PERが15倍から20倍程度が妥当な水準とされ、それより低い場合は割安、逆に高い場合は割高と判断できます。
②PBR(株価純資産倍率)
PBRは、現在の株価が一株あたりの純資産額に対して何倍まで買われているかを示します。
つまり、企業が保有している純資産に対して、現在の株価が割安か割高かを判断します。
BPRが1倍以下であれば割安、1倍以上であれば割高と判断できます。
投資するには、PERとPBRが割安な水準であれば、長期的な投資を行うのに適切な水準であると判断できます。
この指標は、日本経済新聞電子版の「日経会社情報」や「Yahoo!ファイナンス」などで確認できます。
(3)あなたや周辺の人々が関心を持っているサービスや商品を提供している企業
銘柄を選ぶには、難しいことを考える必要はなく、あなたや友人が普段利用しているサービスや商品を提供している企業など身近なところから探すことができます。
特に、ご自身が普段利用しているサービスや商品については、利用している何かしらの理由があるはずです。
例えば、品質が優れている、他社にはない何かを持っているといった、その企業に対してサービスを通じて一定の知識を有しており、この強みが株式投資を行う上での大きなヒントとなります。
もちろん、普段の消費活動だけではなく、仕事上で取引を行っている企業なども有力なヒントとなります。
(4)企業の概要をチェックする
気になった企業が見つかった後は、企業概要をチェックします。
どんな商品やサービス提供をしているかという情報に加え、事業活動を通じて社会のどういったことに貢献していきたいのか、将来的にどのような分野に対して先行投資をしているかなど細かく企業概要をチェックし、全体的な将来性を確認します。
(5)配当や株主優待の有無をチェックする
最後に、投資をしたい対象の銘柄が配当や株主優待を実施しているかもチェックします。
長期的な保有であれば、株価が普段上下することを考えると、安定的な配当や株主優待を実施していることも長期保有する上では重要なポイントです。
配当については、「配当利回り」をチェックすると、現在の株価に対してどれ位の配当が支払われるかが確認できます。
株主優待は、実施している企業と実施していない企業があります。
事前にチェックすることに加え、株主優待が受けられる保有株式数が決められていることもありますので、投資先の企業のIRページなどをチェックすることをおすすめします。
8、いよいよ購入!知っておきたい株を注文する方法
株の注文方法として主なものに以下の2つの方法があります。それぞれの方法について説明していきます。
(1)買いたい売りたい値段で確実に売買できる「指値注文」
指値注文(さしねちゅうもん)は、あなたの決めた値段を指定して注文を出して買ったり、売ったりすることができます。
- この金額以下では売りたくない
- この金額以上では買いたくない
という時におすすめの注文方法です。
①買いの場合
700円で100株買いの注文を出すと700円が上限値になり、700円以下で購入することができます。
②売りの場合
700円で100株売りの注文を出すと700円が下限値になり、700円以上の売却することができます。
デメリットとしては、指定の値段にならないと売り買いできませんので、チャンスを逃す可能性もあることに注意しておきましょう。
(2)スピーディーに売り買いできる「成行注文」
もう一つの注文方法は、値段を指定しない成行注文(なりゆきちゅうもん)です。
値段を決めずに、いくらでもいいので今すぐ売買したい方におすすめの方法です。
100株成行で買い(売り)と注文を出すと、現在の取引値ですぐに約定します。
値段の指定をしないので、リアルタイムな相場で取引ができるので乗り遅れることはないでしょう。
しかし、勢いに任せ、思いもよらない高値で買ってしまったり、予想以上に安い値段で売ってしまったり、想定外のことも起こる可能性があるので注意が必要です
9、株式投資していて銘柄選びに悩んだらおすすめサイトを参考に!
銘柄選びに迷った場合、銘柄情報を調べたくなりますよね。たくさんのサイトが色いろな情報を紹介しています。
どこのサイトも、それぞれ工夫をして最新の情報を発信しています。
時間が許すのなら、たくさんの情報を集めましょう。
今回は、銘柄選びを行う上で参考になるサイトを3つピックアップして紹介します。
(1)日本経済新聞電子版
日本経済新聞は、投資家は殆どと言って良いほど利用している新聞です。
紙の新聞の他、インターネットの電子版(要有料会員登録月額4,200円)を提供しており、その中に、日経会社情報で各銘柄の株価や業績といった情報を確認できます。
また、PERやPBRを絞り込んでスクリーニングができるため、現在割安な銘柄探しにも重宝します。
さらに、各銘柄に関する記事なども併せて参照できますので、気になった銘柄に関する総合的な情報収集としても活用できます。
(2)ダイヤモンドZAi
ダイヤモンドZAiは、東洋経済社が提供しているマネーに関する総合サイトで、投資の他、クレジットカードや住宅ローンなど金融サービスの動向を中心に多くの記事が記載されています。
特に、株主優待の情報が充実しており、株主優待を重視した投資を行いたい場合は、銘柄選びの参考になりそうです。また、新規上場株(IPO)関連の情報も詳しく掲載されています。
(3)Yahoo!ファイナンス
Yahoo!ファイナンスは、Yahoo!Japanが提供している金融サイトで、各銘柄の値動きや参考指標、株式関連のニュースが無料で閲覧できます。
銘柄に関する情報交換ができる掲示板の閲覧が可能で、他の投資家が対象の銘柄についてどの様に考えているか客観的に情報を得ることができます。
もちろん、掲示板なのででたらめな情報も混ざっていることもありますが、あくまでも銘柄選びの参考の一つとして活用できるでしょう。
まとめ
株式投資は、投資の中でもメジャーな投資商品でありますが、企業に資金を提供するのと引き換えに、企業の経営に関わり成長性を取り込める投資です。
そのため、値上がり益が得られることに加え、配当や株主優待など利益還元が受けられます。
その反面、購入価格より株価が下落すると損失が発生してしまうこと、株価や情報に振り回されて心理的に不安定になってしまうデメリットもあります。
株式投資を始めるには、ご自身が普段利用しているサービスや商品などから銘柄を探し、その後、対象の企業の経営状況や財務状況の確認、現在の株価が適切な水準であるかを確認することが重要です。
太田 清比古(おおた きよひこ)
個人トレーダー・ファイナンシャルプランナー
学生時代から投資に目覚め、個別株・FX・投信・仮想通貨等手広く経験。
証券系のシステムエンジニアとして勤務する傍ら、独学でFPを取得。
余暇を利用しての投資の研究と実践を欠かさない。