退職金を運用して資産を増やすために知っておくべき6つのこと

会社員の方なら、人生で一番大きな買い物がマイホームだとすれば、人生で一番大きなお金をまとめて受け取るのは退職金ではないでしょうか?

まとめて数千万円というお金を受け取るのですから、どのようにしたらいいのか、悩んでしまいますよね。

退職金はみなさんのセカンドライフを支える大切なお金です。

引退後は給与所得もなくなり、この退職金と年金で有意義なセカンドライフを設計しなければならないのです。

今回は退職金の運用方法について説明していきます。

有意義なセカンドライフを送るためのご参考になれば幸いです。

1、退職金で資産運用するメリットと注意点

(1)退職金で資産運用するメリット

まず、退職金で資産運用をするメリットについて考えてみましょう。

その前に日本人の平均寿命は何歳かご存知でしょうか?

2016年の調査では女性が87.14歳、男性が80.98歳で、過去最高を記録したのです。

よって65歳で引退したと仮定しても男性約16年、女性約22年のセカンドライフがあるのです。

では、セカンドライフに必要な金額はいくらかご存知でしょうか?

いろいろな試算がありますが、平均を出してみると約8,000万円になります。

充実したセカンドライフを送るために、年金だけで充分でしょうか?

セカンドライフに必要な金額の平均である約8,000万円のうち、1/2~1/3を年金で賄えたとしても、残りは退職金で賄わなければならないのです。

日本はデフレという怪物に蝕まれ超低金利時代が継続中です。

退職金運用を安全資産(定期預金等)に全て預け入れた場合、充実したセカンドライフを過ごすには、退職金の取り崩しを前提にライフ設計をしなければなりません。

このように考えると、やはり退職金運用を真剣に考えなければなりません。

あなたが許容できるリスク(これをリスク許容度といいます)の範囲内で、そのリスクに見合った運用収益を上げることにより、いっそう充実したセカンドライフを送れるのです。

これが退職金運用のメリットではないでしょうか。

(2)退職金を大きく増やすためには、相応のリスクテイクが必要

退職金を取り崩しながらのセカンドライフには抵抗がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、大きく増やすためには相応のリスクテイクが必要です。

増やすとまでいかなくとも大きく減らさないように、ある程度の運用利回りの追求を考えてみてはいかがでしょうか。

欲張らずリスクに見合ったリターンを追求するのです。

退職金を大きく取り崩すことなく、運用収益で充実したセカンドライフを過ごすといった考え方なら、リスクも低くてすみます。

注意点としては、やはり運用となるといくらリスクを抑えたといえゼロになることはありません

また、リーマンショックのような一時的なクラッシュによる資産価格の急落といった事態に遭遇することもあります。

リスクとリターンを認識し、資産運用をすれば少々のクラッシュが起きても動じないはずです。

2、退職金の運用でおすすめの資産運用の種類は?

(1)退職金でおすすめの資産運用方法は?

退職金には様々な運用方法があります。

株式、投資信託、FX、退職金定期等の金融資産あるいはマンションや貴金属等の実物資産にいたるまで、実に様々です。

(2)退職金は何で運用すればいいの?

では、退職金の運用は何ですればいいのでしょうか?

退職金運用でのお勧めは、何といっても第一は株式投資です。(全額を株式投資につぎ込むのではありません。)

株式投資は危険じゃないの?

と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

基礎知識のないまま株式投資をすれば確かに危険です。

しかし、基礎知識を習得すれば、株式投資に勝る投資対象はないと考えています。

投資信託にはない醍醐味と期待リターンを備えています。

(3)金融機関に相談すれば株式投資より投資信託

金融機関に行って退職金の運用について相談すれば「株式投資されてはいかがですか?」といった回答は90%得られません

なぜだかわかりますか?

あなたが株式投資をしても金融機関は全く儲からないからです。

恐らく金融機関からは「株式投資は危険なので投資信託を買われてはいかがですか?

投資信託なら運用対象が株式100%のモノもあります。また、プロが運用してくれるので、自分で株式投資するより安全です。何より分散投資されているのでバランスが取れています。

との返答がなされるでしょう。

なぜだかわかりますか?

投資信託は金融機関が儲かるしくみになっているからです。

前提として、投資信託が悪いと言っているわけではありません。ただ投資先選びのために知っておいて欲しいのです。

詳細は紙面の都合上割愛いたしますが、株式投資は手数料の自由化により、売買手数料(金融機関の儲け)が安い上、売買しないとそのわずかな手数料も金融機関に入らないからです。

一方、投資信託は購入時に加え、あなたが投資信託を保有し続けている限り、知らず知らずの間に金融機関に信託報酬という安定収入が転がり込むしくみになっています

よって金融機関は、売買時のみにしか手数料収入のない株式投資より投資信託を勧めるのです。

(4)株式投資をすれば自ずと世界がわかる

株式投資が退職金運用にとっていいのは、引退後も株式投資することにより社会との繋がりを維持し、世界情勢や日本の未来について常に考えるため、頭の体操にもなります。

ただ、株式投資初心者の方は基礎知識を習得するまでに相応の時間が必要です。

その覚悟があるのなら株式投資に勝る資産運用の手段はないと考えています。

(5)自分で判断できれば投資信託も退職金運用に適している

株式投資は、魅力的な資産運用対象ですが、やっぱり不安だという方には投資信託をお勧めいたします。

注意していただきたいのは、日本の投資信託はまだまだ発展途上段階なので、金融機関の強引な勧誘をはじめ、販売・運用面でもいくつかの問題点があります。

また、株式投資に比べコスト負担も大きくなります。

よって投資信託で運用する場合も、基礎知識の習得が重要になります。

少し前に流行った「毎月分配型投資信託」「ファンドラップ」「変額年金」等に投資する際は事前に資産運用について十分学んでおく必要があります。十分に学んだ上で投資するか否かの意思決定をして下さい。

なお、投資信託選びの際には運用手数料がどのくらいかが重要なポイントとなります。

パフォーマンスがよくても運用手数料が高ければ投資家のリターンは少なくなってしまうからです。

(6)投資信託は金融機関により取り扱い商品が違う

銀行や郵便局で投資信託が買えるようになり、投資信託は身近な金融商品となりました。

今や投資信託の数は5,000~6,000本になり、上場株式数の3,600社前後より多いのです。

選択肢が増えることはいいことなのですが、少し多すぎます。

また、株式の場合は、どこの証券会社でも上場銘柄3,600社を自由に売買できますが、投資信託の場合は、金融機関により買える投資信託が違います。

また同じ投資信託でも金融機関により手数料が違う場合があります。

日本の場合は、グループ会社の投資信託を扱っているところが多いので、このような点にも注意して、金融機関を選択しなければなりません。

(7)優遇税制のある「NISA」「iDeCO(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA」を賢く利用

また、国は「貯蓄から資産形成へ」をスローガンに掲げ、「NISA」「iDeCO(個人型確定拠出年金)」「積立NISA(2018年1月導入予定)」等の税制優遇措置を導入しました。

これらの税制優遇措置の中で「NISA」と「つみたてNISA(2018年1月導入予定)」は引退後も利用できるので、これらの制度を最大限に利用したいものです。

一例としては「NISA」は株式投資、「つみたてNISA」は投資信託といったような使いわけが有利ではないでしょうか。

また、お孫さんのために贈与税の範囲内で「ジュニアNISA」に投資されるのも一考です。

3、退職金運用のためにまずやるべきことは勉強!具体的な知識の身につけ方は?


では具体的に退職金を運用するための最初のアクションに移っていきましょう。

あなたが退職金運用を考えているのなら、まずは資産運用に関する知識を身につけましょう。

具体的には、インターネットや書籍を利用して勉強してください。

モーニングスター、SBI証券等が配信しているインターネットを利用した動画セミナーは、比較的中立的な立場で、わかりやすく資産運用を解説しているのでお勧めです。

参考になるサイトをご紹介いたします。

真剣に退職金運用を考えているのなら、時間を惜しまず勉強してください。

4、退職金運用として投資会社を利用する選択肢もおすすめ


また、勉強するのも面倒だし、時間もない、かといって金融機関おすすめの金融商品は信頼できないのではというあなたには、プロに代わって運用してもらうとよいでしょう。

投資先としては日本国内で活動する独立系の投資会社「Japan Act」への投資をおすすめします。

Japan Act

投資手法は、徹底した投資対象の分析から理論価値を算出し、何らかの要因によって市場で過小評価されている企業へ投資します。

企業の手掛ける事業の優位性や将来性、保有資産を徹底的に分析し、企業本来の価値と現在の企業価値(市場における時価総額)との間に乖離のある銘柄を投資対象とし、企業への要求や株主提案を行うなど、アクティビストとして積極的に活動しています。

結果として投資先企業の経営効率が向上し、現在の株価が理論上の価値に近づいていきます

このような投資手法を採用している会社は少ないのですが、投資対効果の観点からは極めて合理性の高い手法といえます。

5、退職金運用プランとは?


最後は、銀行など多くの金融機関で販売されている「退職金運用プラン」について書きたいと思います。

(1)退職金運用プランとは?

退職金をどのように運用される予定ですか?

退職金を有利に運用するプランをご用意しております。

いろいろな宣伝文句で、金融機関はあなたの何十年もの汗と涙の結晶を虎視眈々と狙っているのです。

絶対に退職金運用を他人任せにしないでください

以下説明いたしますが、本当に親身になって、あなたの退職金運用の相談役になってくれる金融機関など皆無です。

特に資産運用の初心者の中には、銀行・証券会社・保険会社は心強い退職金運用のよき相談役と思われている方がいるのではないでしょうか。

確かに資産運用するためには金融機関を通して、いろいろな金融商品を買わなければなりません。

金融機関は金融商品を買うためのところと割り切ってください

相談するところではありません。

でも、誰かに相談しないと不安だと思われる方は、独立系の投資会社やファイナンシャル・プランナー(FP)が中立的なアドバイスをしてくれるのでおすすめです。

(2)退職金運用プランがいいのか?悪いのか?

①メリット

退職金運用プランのメリットを挙げるのなら、運用をお任せできるということでしょう。

もし退職後も忙しく資産運用の勉強に避ける時間がないというなら退職金運用プランはおすすめです。

ただしこの後ご説明するような注意点があるので気をつけましょう。

②注意点

例えばいかにもお得に見える退職金定期預金の広告があります。

現在の定期預金の金利が0.010%~0.100%といった超、超低金利なのに対し退職金定期預金には年1.50%、年1.90%といった高い金利表示がされています。

でも注意して下さい

よく見ると預け入れ期間3カ月、3カ月物と小さく表示されているケースがあります。

お得なように見える退職金定期ですが、3カ月後には金利の低い定期預金になるか普通預金になるのです。

ここで登場するのが、この1,000万円を狙った投資信託や外貨預金への勧誘です。定期預金や普通預金は金利が低いので、投資信託や外貨預金に勧誘するのです。

投資信託の購入手数料は1~3%と非常に高いのです。(外貨預金の場合は、為替手数料がかかります)

1,000万円で購入手数料が3%の投資信託を買えば、あなたが支払う購入手数料は1,000万円×3%×1.08%=324,000円にもなります。

仮にお付き合いでと1,000万円の10分の1に当たる100万円だけ投資信託を買ったとしても100万円×3%×1.08=32,400円の手数料を支払うことになるのです。

あなたが退職金定期として預けて貰った金利38,000円は、いとも簡単に銀行に還流されるしくみになっているのです。

まとめ

今回は退職金の運用について説明してきましたがいかがでしたでしょうか?

お伝えした内容を参考に退職金を賢く運用し、充実したセカンドライフを送ってくだい。

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