2020年のコロナショックを受け、資産運用を始める人が増えました。株価が下がったときに投資をすれば、株価が戻るときに儲かるだろうと考える人が多かったからです。この機会に日本の企業の株式を買ってみた方も多いのではないでしょうか?
しかし、本当に賢い投資家は日本ではなく、海外で資産運用を始めています。海外の方が投資が成功する可能性が高く、大きな利益が期待できるからです。
この記事では、日本に住んでいる人も海外での資産運用が必要な理由を解説していきます。手間をかけずに海外で資産運用できる商品も紹介するので、この記事が海外での資産運用を始めるきっかけになれば幸いです。
日本人にも海外での資産運用が必要である理由
はじめに、どうして海外に投資して資産運用をした方が良いのか、その理由を解説していきます。日本で長く暮らしている方は日本の良いところをたくさん知っているので、「投資は日本が良い。海外は危ない」といった考えをお持ちの方が多いのですが、実はそれは理論的には正しくないのです。
日本は治安が良くて暮らしやすい国ですが、投資に向いた国であるとは必ずしも言えません。なぜ日本に住んでいる人は海外での資産運用が必要なのか、合理的な理由を学んでいきましょう。
国内には儲かる商品が無い
ご存じのとおり、日本は少子高齢化社会で、経済成長は停滞気味です。少子化によって労働人口が減っていくことを考えると、将来に向かって景気が良くなっていくとは考えにくいです。
したがって、日本国内の投資対象に投資をしたとしても儲かる商品が非常に少なく、ほとんどの商品は儲けを出せない状態になっているのです。
投資は将来性の高い事業に先行して出資し、実際に成長していくとともに利益を得られるため、投資家が儲けられる仕組みです。そのため、将来性の高い投資先を見つけるのが投資の第一歩です。
しかし、少子高齢化社会で経済が停滞している日本に、有望な投資先は多いとは言えません。
日本経済に集中投資している
日本に住んでいる人は、日本経済に集中投資している状態になりやすいです。投資をしていない人でも、気づかないうちに国内に集中投資する状態になっているので、投資を始めるなら海外への分散投資を意識することをおすすめします。
投資商品以外の資産を考えてみると、預金や不動産、年金、保険、勤め先の持ち株などが考えられます。いずれも日本国内の資産であるため、投資をしていない人でも普通に生活しているだけで、「日本経済への集中投資」の状態になってしまうのです。
投資を始めて国内の株式や債券を保有するようになっても、日本経済への集中投資状態は抜け出せません。
これでは日本経済と一蓮托生になってしまい、日本の経済が衰退すれば自分の資産も減ってしまいます。そうならないためにも、海外にも分散投資して個別の国のリスクに翻弄されない資産運用をしていく必要があるのです。
日本と海外の資産運用の認識の違い
日本と海外(欧米)の資産運用の認識の違いも押さえておきましょう。日本では「投資は怖い」と考える方が多いのですが、欧米ではそうではなく、投資は一般的にも広く浸透しています。
このような違いの背景には、市場の特性の違いも関わっています。海外の方が運用しやすい特徴もあるので、日本に住んでいる方も海外での資産運用をぜひ取り入れてみてください。
日本:投資は失敗するから怖い
日本人の資産はほとんどが現金や貯金で、株式などに投資している人の割合は非常に低いです。「お金を大切にする」という考えが行き過ぎているのか、貯金が正義であるかのように言われています。
一方、「投資は失敗してお金を失う怖いもの」と考えている人が非常に多いです。投資はギャンブルと同じであるかのように語られることもしばしばです。
なぜ日本では投資がギャンブルと言われることがあるのかというと、日本の株式市場の特性が一つの要因と言えます。日本の株式市場は、バブル期までは右肩上がりで良い相場でしたが、バブル崩壊以降は上下に動くばかりです。
一向にバブル期の水準に戻ったり超えたりする気配はなく、ある範囲内を株価が上下しているだけです。
このような相場だと、株式を安く買って高く売るのは至難の業です。トレードがうまい人なら儲けられますが、うまくできなくてお金を失ってしまうトレーダーも大勢います。
一握りの勝者と大勢の敗者が出るため、日本の株式市場はギャンブルに例えられるのです。このような状況を踏まえると、「投資は怖い」と考えてしまう人の気持ちも理解できます。
海外(欧米):投資は当たり前の行動
一方、欧米では投資は当たり前の行動になっています。
例えば、アメリカの平均的な国民の資産は、半分が株式で構成されていると言われています。一般市民でも投資をしており、日本とは異なる資産構成になっています。
なぜ海外は一般市民も投資に積極的なのかと言うと、儲けが出やすい市場だからです。
例えば、アメリカの株式市場は、上がったり下がったりしながらも、長い目で見れば右肩上がりの相場です。過去のデータからは、リーマンショック直前など最悪なタイミングで投資を始めた人も、そのまま10年ほど放置していればプラスに転じていることがわかっています。
日本の市場と違って基本的に右肩上がりで成長している市場なので、投資を始めると高い確率でお金を増やすことができます。したがって、「投資はギャンブルと同じで怖い」という考えは無く、一般市民も投資をしているのです。
日本に住んでいる方も、日本と海外の市場の特徴を踏まえると、海外の方が魅力的に感じられるのではないでしょうか?儲けが出やすいので、海外で資産運用することを本格的に考えていきましょう。
海外で資産運用するメリット
続いて、海外への資産運用の魅力をより深く理解してもらうために、2つのメリットを解説していきます。次の2つのメリットを踏まえ、海外での資産運用を検討しましょう。
- 利回りが高い
- 投資先を広く分散できる
利回りが高い
海外での資産運用は、日本に比べて利回りが高いメリットがあります。株式などの投資商品の利回りは、国の経済成長率と比例するので、日本よりも経済成長率が高い国に投資すれば、日本の投資商品よりも高い利回りが期待できます。
例えば、株式の場合日本の株式の平均利回りは5パーセント程度ですが、アメリカは7パーセントほどです。より高い利回りを求めるなら、海外での資産運用を検討しましょう。
投資先を広く分散できる
海外での資産運用には、投資先を分散することができるメリットがあります。
先ほども触れましたが、日本に住んでいる人が日本国内の投資対象に投資をした場合、日本に集中投資することになってしまいます。本人は株式や債券、不動産と幅広く分散投資しているつもりでも、実は日本への集中投資になっているのです。
日本のみならず海外にも投資をすることで、投資先を分散して低リスクな資産運用ができます。一つの国の経済だけに翻弄されなくなるので、日本以外にも投資することを心がけましょう。
海外で資産運用するデメリット・リスク
利回りが高く分散投資ができる海外投資ですが、デメリットやリスクもあります。以下の3つの短所を紹介していくので、メリットとデメリットを天秤にかけて海外での資産運用を始めるかどうか考えていきましょう。
- 為替変動リスクがある
- リアルタイムで取引しにくい
- 手続きが面倒な商品もある
為替変動リスクがある
海外で資産運用する場合、為替変動リスクが必ず付きまといます。為替変動リスクとは、仮に現地の通貨では利益が出ていても、日本円に換算したときに損失が出ていることもあるというリスクです。
例えば、1ドル=100円のときに1万ドル分の株式を買った場合を例に考えてみましょう。このとき使ったのは、日本円で100万円です。
次に、5パーセントの利益が出て、1万0,500ドルに増えたとします。500ドル増えているので、現地通貨建てでは利益が出て得をしています。
しかし、為替レートが変動して1ドル=90円に下がっていたらどうでしょうか?1万0,500ドルは日本円に換算すると94万5,000円なので、100万円より5万5,000円も少なくなってしまっています。
海外での資産運用は為替レートの影響を受けるので、このように現地では利益が出ていても日本円では損失が出ているというケースがあるのです。
ただし、為替レートが良い方向に動いて、為替での利益が出ることもあります。投資による利益と為替変動の利益の両方を獲得できるケースもあるので、為替変動リスクは必ずしも悪というわけではありません。
リアルタイムで取引しにくい
海外とは時差があるので、リアルタイムでは取引しにくいデメリットがあります。
例えば、米国株式を購入する場合、できるだけ安く購入したいでしょう。その場合、ニューヨーク証券取引所が開いている時間帯で、値下がりしたタイミングで購入の注文を出すのが理想的です。
しかし、ニューヨークの昼間は日本の夜中なので、日中に仕事をしている方はリアルタイムでは取引しにくいです。よって、予約注文を使うことになるのですが、リアルタイムで注文するよりも不利な価格での注文になってしまう可能性があることが、デメリットとして挙げられるでしょう。
手続きが面倒な商品もある
海外での資産運用は日本ではまだ一般的ではないため、投資を始めるための手続きが大変な商品も多いです。海外の独立系ファイナンシャルアドバイザーを経由して投資をする場合、やり取りが英語になるため面倒に感じる方も多いでしょう。
日本で簡単に投資できる商品としては、ヘッジファンドや投資信託、アメリカの株式などが挙げられます。次の章では日本でも簡単に海外に投資できる商品を紹介していきますので、初めて海外での資産運用をやってみる方は特に、以下の商品の中から選んでいただければと思います。
日本人が海外で資産運用するのにおすすめの方法
日本に住んでいる人でも、海外で資産運用できる商品を6つ紹介していきます。面倒な手続きが無い商品なので、手軽に海外投資を始めることができる商品だけを厳選しました。
- ヘッジファンド
- 投資信託
- 外貨預金
- 海外株式
- 海外ETF
- 国内に上場する海外ETF
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、投資会社にお金を預けてプロに運用をお任せする商品です。海外のヘッジファンド会社に投資したり、国内のヘッジファンド会社で海外投資を行っている会社に投資したりすることで、海外での資産運用をすることができます。
日本にお住まいの方は、後者の方が手続きが簡単です。
ヘッジファンドは利回りが高いメリットがある商品で、年率10パーセント以上の利回りが期待できます。ヘッジファンドはさまざまな専門的な商品を組み合わせて運用しており、損失を小さく抑えながら利益を追求しているので、高い利回りが期待できるのです。
デメリットとしては、最低投資額が大きい傾向にあることです。最低投資額が1,000万円や1億円と高額に設定されていることが多いので、やりたくても手を出せない人もいるでしょう。
しかし、ヘッジファンドはプロに運用を任せて高い利回りが狙える商品です。投資できる資産がある方には検討してもらいたい商品です。
投資信託
投資信託も、投資会社にお金を預けてプロに運用を任せられる商品です。ヘッジファンドと同様に資産運用をプロに任せられるのですが、利回りは3パーセントから5パーセント程度と高くはありません。
投資信託は株式や債券など一般的な商品に投資するので、ヘッジファンドのようなリスク管理ができず、利回りも市場平均と同じくらいになります。
とはいえ、海外に投資する投資信託なら、国内の投資信託よりも高い利回りが期待できます。国内の証券会社でも海外に投資できる投資信託は数多く取りそろえているので、簡単に海外投資を始められることも投資信託のメリットです。
100円や1,000円といった少額から始められるので、少し海外での資産運用を試してみたい方におすすめです。
外貨預金
外貨預金は、海外の通貨で預金を行うことです。国内の銀行でも外貨預金という商品があるので、気軽に始めることができます。
外貨預金のメリットは、国内の普通預金や定期預金よりも金利が高いことです。2020年は新型コロナウイルスの影響で、経済対策の一環で各国の金利が下がっていますが、平時であれば日本よりも海外の方がずっと金利が高いです。
日本の定期預金の金利が0.02パーセント程度のときでも、米ドルや豪ドルなら1パーセント以上の金利であることも珍しくありません。
デメリットは、為替変動リスクがあるため、預金ではあるものの元本保証ではないことが挙げられます。日本の預金は元本保証ですが、外貨預金は元本保証ではないことを理解しておきましょう。
海外株式
海外株式は、海外の証券取引所に上場している株式に投資する方法です。株式を安く買って高く売ったり、配当金をもらったりして利益を得ることができます。
日本から投資しやすい海外株式だと、アメリカが挙げられます。米国株式人気に伴い、各証券会社では米国株式の取り扱い数を増やしているため、日本に住んでいる人でもアメリカの株式には投資しやすくなってきました。
米国株式の平均利回りは7パーセントです。アメリカにはアップルやアマゾンなどの成長性が高い企業がいくつもあるので、大きな値上がり益や配当金を期待できるメリットがあります。
デメリットとしては、国内株式の取引よりも手数料が高いことが挙げられます。ただし、米国株式人気に伴って証券会社の間で手数料引き下げ競争が展開されているため、今後はより投資しやすくなるかもしれません。
海外ETF
ETFは上場投資信託のことで、投資信託の仲間です。海外ETFは、海外の証券取引所に上場している投資信託のことを指しています。
日本で購入できる投資信託の中には、海外ETFを買い付けることで海外投資ができる商品があります。このような投資信託に投資する場合、海外ETFのコストと日本の投資会社のコストの両方を投資家が負担するため、無駄な出費が多くなってしまいます。
海外ETFに直接投資することができれば、日本の投資会社に支払うコストを節約できるメリットがあります。コストが下がるので、その分利回りが高くなり、海外ETFは7パーセントほどの利回りが期待できます。
デメリットとしては、海外株式と同様に取引の手数料が高くなることです。まとめ買いをするなど、手数料を下げる工夫をすると良いでしょう。
国内に上場する海外ETF
国内の証券取引所にもETFは上場しています。中には、海外に投資できる海外ETFの商品もあるので、活用するのも良いでしょう。
利回りは3パーセントから5パーセントほどです。
国内で海外ETFに投資するメリットは、取引手数料が安いことが挙げられます。海外ETFのデメリットである取引手数料の高さが解決できるので、国内の証券取引所のETFを活用するのもおすすめです。
デメリットとしては、利益が日本円で支払われることです。為替レートが不利なタイミングで利益が支払われると、想定よりも利回りが低くなってしまう可能性があります。
まとめ
海外で資産運用する方法やメリット・デメリットについて解説しました。日本経済への集中投資を避けるためにも、海外への分散投資も検討してみてください。
とはいっても、国内にまったく投資しなくて良いわけではありませんし、分散投資すればするほど銘柄が多くなって管理が大変です。国内投資でも海外投資でも、ヘッジファンドや投資信託といったプロに運用を任せられる商品を活用すると良いでしょう。
例えば、Japan Act合同会社というヘッジファンドは、年率10パーセントほどの利回りで運用ができている会社です。
まとまった資産を預けるだけで、プロが専門知識を駆使して運用してくれるので、自分で運用することが不安だという方は国内のヘッジファンドも活用していきましょう。