資産運用するとき、必ず気にする必要があるのが「利回り」または「年利」です。年利が大きいほど、大きな利益が期待できるので、年利が高い商品は魅力的に感じられます。
一方で、利回りが高い商品は元本割れのリスクも高い特徴があります。そこで、年利は中程度、リスクも中程度とバランスの良い投資を考えると良いでしょう。
バランスの良い投資の目安になるのが、「年利5パーセント」です。年利5パーセントは、一般的には高めの利回りですが、リスクは非常に高いというほどではありません。
この記事では、年利5パーセントでの運用を実現するための方法を解説していきます。年利5パーセントが狙える投資商品も7つ紹介するので参考にしてください。
年利5%で運用は可能?
結論からお伝えすると、年利5パーセントで運用する方法はたくさんあるので可能です。投資の利回りの目安も5パーセント前後と言われており、5パーセントは無理なく達成できる数値だと思っていただいて問題ありません。
ただし、投資商品ごとに利回りが異なるため、どれに投資しても5パーセントを達成できるわけではありません。
例えば、ローリスク・ローリターンの商品は年利1パーセントほどのものが多いので、このような商品だけに投資していると、年利5パーセントには到底届きません。
したがって、年利5パーセントの運用を目指すなら、商品を厳選していく必要があります。年利5パーセントでの運用が期待できる商品は後ほど紹介するので、ぜひ参考にしてください。
年利5%の運用シミュレーション
年利5パーセントで運用するとお金がどれくらい増えるのか、シミュレーションして考えてみましょう。利回りの違いを比較するため、100万円を20年間運用する場合を想定し、年利1パーセント、3パーセント、5パーセントの3つのパターンでシミュレーションした結果が、以下のグラフです。
20年間運用すると、年利1パーセントでは約122万円に、年利3パーセントでは約181万円に、年利5パーセントでは約265万円に増やすことができます。利回りはほんの少しの違いでも、運用の結果には大きな影響があることがわかります。
注目したいのが、年利5パーセントで運用する場合、年数が経つにつれて資産の増え方が急になっていることです。運用を続けるほどお金を大きく増やせるようになることがわかります。
以上のように、利回りの違いは運用の成果に大きく影響するので、お金を増やしたいなら利回りにこだわる必要があります。年利5パーセントでの運用をしたいなら、商品を厳選して達成しましょう。
年利5%で運用する方法
では、年利5パーセントで運用するには、どのような商品に投資すれば良いのかを解説していきましょう。次の7つの方法なら年利5パーセントでの運用が目指せるので、メリット・デメリットを比較しながら自分に合った商品を選びましょう。
- ヘッジファンド
- 不動産投資
- 株式投資
- 投資信託
- ETF
- REIT
- ソーシャルレンディング
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、投資会社にお金を預けてプロに運用を任せる商品です。ヘッジファンドは利回りが高く、年利5パーセントはもちろん、10パーセント以上の利回りも狙える商品です。
なぜ高い利回りが狙えるのかと言うと、専門的な商品を組み合わせて、運用環境が良い時も悪い時も利益が出るように工夫しているからです。一般的な商品だと運用環境が悪い時は利益が出ないのですが、ヘッジファンドなら利益を出せる可能性が高いです。
したがって、どんな相場でも高い利回りが狙えるのがヘッジファンドのメリットです。
一方で、最低投資額が1,000万円など高い金額に設定されていることが多いです。誰でも気軽に始められる投資方法ではない点がデメリットだと言えるでしょう。
ヘッジファンドは一般には浸透していない投資方法のため、どの投資会社のヘッジファンドを選べば良いのかわかりにくくなっています。
評判の良いヘッジファンドだと、例えばJapan Act合同会社が挙げられます。
Japan Actは主に「アクティビスト投資」を行っており、国内の企業に投資をしています。株主として企業に提言をすることで、企業の業績アップに貢献し、企業の株価の値上がりと共に収益を出せる仕組みで運用しています。
Japan Actのこれまでの平均利回りは10パーセントほどです。年利5パーセントを超える運用ができるので、活用してみることをおすすめします。
不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートを買って他人に貸し出し、家賃収入をもらう投資方法です。また、不動産の価格が上昇したら、売却して差額を利益とすることもできます。
不動産投資の利回りは、5パーセント前後が目安です。年利5パーセントで運用したい方に向いています。
不動産投資のメリットは、継続して家賃収入が見込めることです。一度入居した人は数年間はその部屋に住み続けると考えられるので、継続した収入が期待できます。
デメリットとしては、投資を始めるために手間がかかることが挙げられます。物件選びに大きな時間がかかってしまうからです。
また、不動産は高額なので不動産投資ローンを組むのが一般的ですが、書類を作成したり審査を受けたりするのに時間がかかります。
株式投資
株式投資は、株式を買うことで企業の出資者の一人となる投資方法です。企業は利益を出したら、一部を配当金として株主に還元します。
また、買った時よりも株価が値上がりしていれば、売却して差額を儲けとすることもできます。株式投資の利回りは3パーセントから7パーセントが目安です。
株式投資のメリットは、配当金や値上がり益に加えて、株主優待も期待できることです。一部の企業では株主優待のシステムを導入しており、株主に自社製品やサービスの割引券を配布しています。株主優待を上手に使えば、日常の生活費を節約することができるメリットがあります。
一方で、デメリットとしては、銘柄選びが難しいことが挙げられます。将来有望な企業に投資をするべきですが、企業の将来性を見極めるのは非常に難しいです。
投資初心者は銘柄選びで失敗しがちなので、自信が無い方はヘッジファンドのようなプロに任せられる商品を活用しましょう。
投資信託
投資信託は、投資会社にお金を預けてプロに運用してもらう商品です。プロに任せられるところは、ヘッジファンドとよく似ています。
投資信託の利回りは、1パーセントから3パーセントが目安です。商品によっては5パーセントを超えるものもあるため、年利5パーセントで運用したいなら商品選びが重要です。
投資信託のメリットは、低リスクで運用できることですが、年利5パーセントを狙うならややリスクが高めな商品に投資することになります。投資会社が銘柄を厳選している「アクティブ型投資信託」に投資をしましょう。
ただし、アクティブ型投資信託は手数料が割高というデメリットがあります。特に、運用している間はずっと負担し続ける「信託報酬」には注意しましょう。
アクティブ型投資信託の信託報酬は、年率1パーセントから2パーセント程度が相場です。2パーセントよりも高い信託報酬の場合、手数料が割高と言えるので、高い手数料を支払っても利益が出る投資信託なのかを考えてから投資しましょう。
ETF
ETFは「上場投資信託」のことで、投資信託の仲間です。利回りの目安は2パーセントから4パーセント程度なので、年利5パーセントに満たないこともあるのですが、低リスクの運用ができる商品なので紹介します。
国内のETFは「インデックス投資」が行われており、リスクが低く抑えられているメリットがあります。数百から数千の銘柄に分散投資している商品もあるので、個別の銘柄の好調・不調に左右されにくく、値動きが小さいです。
リスクが低く抑えられているため、利回りも低いデメリットがあるのですが、投資信託よりは若干良いパフォーマンスが期待できます。というのも、投資信託よりもETFの方が手数料が低く抑えられている傾向があるからです。
REIT
REITは「不動産投資信託」のことで、投資信託の仲間です。投資会社が不動産のみで運用している投資信託のため、このような名前がついています。
REITの利回りは4パーセントから6パーセントが目安で、年利5パーセントで運用したい人にとっては丁度良い商品と言えるでしょう。
REITのメリットは、小口で不動産投資を間接的に始めることができることです。
不動産投資の項目で、数千万円の物件を買う必要があり、誰でもできるわけではないとお伝えしました。REITなら、10万円程度の資金があれば1口投資することができるので、間接的に不動産に投資することができます。
REITのデメリットとしては、間接的な不動産投資でしかないため、土地や建物が自分のものにはならない点です。不動産投資とは別物であることは理解して投資しましょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、インターネット上で個人や法人が融資を行う投資方法です。事業のために資金調達したい企業が投資家を募集し、投資家はお金を貸し付けます。
ソーシャルレンディングの利回りは2パーセントから10パーセントほどです。年利5パーセント程度の案件も豊富にあります。
ソーシャルレンディングのメリットは、1万円と少額でも申し込みができることです。少額でも高い利回りを狙えるので、資金が少ない投資家に人気がある投資方法です。
ソーシャルレンディングのデメリットは、あらかじめ決めた運用期間中は原則として解約できないことです。企業への融資となるため、投資家の都合で途中で打ち切ることはできません。
何年も運用する長期の案件もあるのですが、運用期間が長い案件に投資する際は、途中で解約できないことを踏まえて投資をしましょう。
年利5%の運用の注意点
年利5パーセントで運用できる商品は、数多くあることを紹介してきました。どれに投資をしても良いのですが、投資を始める前に注意してもらいたいことがあるので、3つの注意点を解説していきます。
注意点を理解せずに投資をしてしまうと、大きな損をしてお金を失ってしまうかもしれません。失ってからでは遅いので、投資を始める前に注意点を学んでいきましょう。
投資先を分散させる
投資先を一つに集中させず、分散投資をしましょう。すなわち、ヘッジファンド、株式、REITなどさまざまな商品に少しずつ投資をしましょう。
一つの投資先に集中すると、その銘柄が不調で値下がりしたとき、大きな損失が出てしまいます。複数の銘柄に分散投資していれば、ある銘柄が値下がりしても、他の銘柄が値上がりして損失を補ってくれる可能性があります。
よって、大きな損をしないためにも分散投資を心がけましょう。年利5パーセントが狙える運用方法は7つ紹介したので、そのうちのいくつかを併用してみてください。
余剰資金で投資をする
投資はリスクがある取引なので、生活費など必要なお金を使ってはなりません。必ず余剰資金の範囲で投資をしましょう。
必要なお金とは、生活費やローンの返済に充てる資金の他、結婚資金、マイホーム購入資金、子どもの教育資金なども含まれます。このように目的があって貯めているお金は、必要なお金なので、投資には使わないようにしましょう。
余剰資金は今すぐに必要なお金ではなく、目的も決まっていないお金です。投資はリスクを取ってリターンを狙いに行く投資方法なので、余剰資金の範囲で投資をしましょう。
手数料がかかる
投資商品を購入したり、売却・解約したりするときなどには、手数料がかかります。手数料が利益を上回ってしまうと損になるので、利回りの高さだけでなく手数料の大小も踏まえて商品を選びましょう。
例えば、投資信託やヘッジファンドのようにプロに任せられる商品は、申し込み・解約時の手数料に加え、運用期間中も手数料がかかります。プロに運用を任せられるために発生する手数料です。
酷い商品だと、利益よりも手数料の方が高くついているものもあります。
したがって、手数料を上回る利益が出せる商品なのかは吟味しましょう。ヘッジファンドの項目で紹介したJapan Actは、ヘッジファンド業界では手数料が安い方なので、こうしたファンドを選ぶのも良い方法です。
まとめ
年利5パーセントで運用する方法を解説しました。年利5パーセントが期待できる商品は意外と豊富にあるので、自分に合った商品をいくつか選んで投資をしていきましょう。
余剰資金で運用することや、分散投資することなどに気を付ければ、大きな損失はしにくくなります。リスクを低く抑えながら、年利5パーセントの運用でお金を増やしていきましょう。