「貯蓄から投資へ」のスローガンが掲げられ、日本では、資産運用ブームがはじまっています。
ブームに乗り遅れることのないよう、しっかり情報収集をしていきましょう。
資産運用と一口に言っても無数の方法があり、自分に合った資産運用が分からずに困っているかたも大勢います。
本記事では、今人気のファンドラップ・ロボアド・投資会社に焦点を当てて、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
1、資産運用に最適な投資方法1:全部おまかせ【ファンドラップ】とは?
最近CMでも「ファンドラップ」という単語をよく聞くようになりました。
ファンドラップとは、資産を丸ごと(ラップ)金融機関に預けて、代わりに資産運用をしてもらうというサービスです。
通常の資産運用では、投資家自身が株や投資信託など金融商品を選択して購入するのに対し、ファンドラップでは全て金融機関に一任します。
CMでは資産運用にうってつけな安全な商品というイメージが強いですが、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
(1)ファンドラップのメリット
ファンドラップのメリットは自分の資産を専門家に運用してもらえることです。通常、株を買うにしろ投資信託を買うにしろ自分で勉強し、適切な金融商品を購入する必要があります。
しかし、ファンドラップならば自分の要望(リスクの度合い、求めるリターン)を金融機関に伝えるだけで、専門家がよきにはからった金融商品を選んでくれます。
(2)ファンドラップのデメリット
ファンドラップのデメリットとしては、まず手数料の高さが挙げられます。
通常の投資信託の「信託報酬」に加え、専門家に資産運用を依頼する分の「ファンドラップ・フィー」が発生します。
また、専門家が選ぶ投資信託も信託報酬が高い傾向にあります。
また、最低投資額の大きさが高いこともデメリットでしょう。
通常の投資信託や株であれば数千円から投資が可能ですが、ファンドラップで大和証券の販売する「ダイワファンドラップオンライン」の1万円が最低投資金額となります。
他の金融機関では数十万〜数百万からのみ投資可能となり、ある程度資金が用意できないと購入することができません。
2、資産運用【ファンドラップ】投資の種類
代表的なファンドラップを紹介します。
(1)野村ファンドラップ
野村ファンドラップには2種類のプログラムが用意されています。
①プレミア・プログラム
アクティブ運用ファンドを複数組合わせて分散投資するプレミア・プログラムです。
最低投資額は1,000万円からで、市場平均を上回る運用が期待できます。
②バリュー・プログラム
インデックス運用ファンドを複数組合わせて分散投資するバリュー・プログラムです。
最低投資額は500万円からで、市場平均と同等の運用を目指します。
2つを比較した場合、プレミア・プログラムはハイリスク・ハイリターンのファンドラップで、バリュー・プログラムはローリスク・ローリターンのファンドラップと言えるでしょう。
(2)ダイワファンドラップ
ダイワファンドラップには3種類のプログラムが用意されています。
①ダイワファンドラップ
顧客からのヒアリングを元に、100種類以上の運用スタイルから適切なものを提案してくれます。
最低投資金額は300万円からとなっており、最もオーソドックスなファンドラップと言えます。
②ダイワファンドラップオンライン
3つの診断メニュー(「ライフプランニング」「資産運用プランニング」「リスク許容度診断」)を元に、適切な運用スタイルを提案してくれます。
ロボアドバイザーが組み込まれており、1万円からの低価格で運用を始めることができます。
③ダイワファンドラッププレミアム
最低投資額が3,000万円と高価格設定ですが、複数の運用目的(子育て、相続、生活など)に合わせて資産運用をすることができます。
投資に回せる資金量に応じてプログラムを選ぶと良いでしょう。
初心者の方は低資金から始められるダイワファンドラッププレミアムがおすすめです。
3、資産運用に最適な投資方法2:【投資会社】とは?
投資会社では、プロの投資家が我々一般投資家から資金を集めます。
集めた資金を元に複数の銘柄に投資を行い、運用益をリターンとして一般投資家に返します。
実質的に一般投資家はプロの投資家に資金を運用してもらうこととなり、自身で銘柄について深く調査せずとも安定した利益を狙うことができます。
ヘッジファンドと呼ばれることもあり、最近ではドラマ化もされるなど市場関係者だけではなく一般にも広く認知されはじめています。
(1)投資会社のメリット
他の資産運用と異なる投資会社の強みは徹底的な利益追求の考え方です。
投資会社は何よりも大きなリターンを狙うのです。
市場平均である日経平均株価やダウ工業平均株価などの経済指標をベンチマークとして設定し、そのベンチマークを上回る成果を出すことを目標としています。
投資会社の強みがよく分かる出来事として、リーマンショック時の戦術があります。
リーマンショック時には世界中の株価が軒並み暴落し、多くの経済指標が下落しました。
結果、経済指標に連動する金融商品は軒並み資産価値を大きく下げてしまいました。
一方で、投資会社の中にはリーマンショックを予期し、空売りで莫大な利益を生み出したものもあったのです。
(2)投資会社のデメリット
投資会社は募集方法が限定的です。
一般的な資産運用は誰でも買付ができる「公募形式」をとっていますが、ヘッジファンドは「私募形式」です。
投資信託などとは異なり、公に募集をかけずヘッジファンドが直接投資家に営業をすることが多いのです。
つまり、自分でサイトから検索したり、知り合いからの紹介、投資会社を紹介する会社に相談しないと投資を始めることができないのです。
また、買付けする場合の最低投資額に注意が必要です。最近の投資信託は非常に小さい投資金額(数千円〜)から始めることができますが、投資会社だと比較的大きな投資金額が必要となってきます。(数百万〜)
(3)投資会社の紹介
投資会社を2つ紹介します。
①投資会社 Japan Act
Japan Act 公式サイト:https://www.japanact.com/
まだ新しい投資会社ですが、Japan Actの特徴として徹底した投資対象の分析から理論価値を算出し、何らかの要因によって市場で過小評価されている企業への投資を行っています。
企業の手掛ける事業の優位性や将来性、保有資産を徹底的に分析し、企業本来の価値と現在の企業価値(市場における時価総額)との間に乖離のある銘柄を投資対象とし、企業への要求や株主提案を行うなど、すでに投資先の株式を『1.1パーセント』保有しアクティビストとして積極的に活動しています。
②アズカルアセットマネジメント
2005年に設立された実力派のヘッジファンドです。
特筆すべきは相場下落時の徹底した利益追求で、リーマンショック時にはなんと22%の利回りを実現しています。
そのように安定した利益を出すための武器が理論価格の追求です。
4、資産運用に最適な投資方法3:【ロボアドバイザー】とは?
ロボアドバイザーも新しい資産運用の方法として近年注目されています。
その名の通りロボット(コンピュータ)が預けた資産を自動で運用してくれるサービスで、年齢や資産状況などを答えるだけで最適な運用プランを提示してくれます。
米国の金融業界では、日本より早く人口知能(AI)の利用が進みました。
AIがどのような活躍をしているのでしょうか。
ゴールドマンサックスCEOのインタビューが話題になっていました。
「ニューヨーク本社に在籍していた600人のトレーダーは、現在2人しか残っておらず、空いた席にはコンピューターエンジニアの作成した自動株取引プログラムがいる」というものでした。
高給取りのトレーダーをたくさん働かせると、かなりのコストが発生します。
長期投資をする際は、効率的に利益を出す手法も確立されているので、トレーダーの必要性は感じません。
人に任せると感情が邪魔をして、損を出すこともあります。その点何の感情もなく自動売買してくれる自動株取引プログラムに軍配が上がったという話がありました。
ポイントは3つです。
- 人間に代わってロボットが資産運用
- 簡単な質問事項に答えて診断
- 診断結果の基づいたオーダーメイドの資産運用
(1)ロボアドバイザーのメリット
手数料の低さが魅力です。金融機関にもよりますがおおよそ1%前後となります。ロボットが自動で運用をするため、人件費がかからない分サービスの手数料を低くできるのです。また、高性能なアルゴリズムによって戦略的に運用されるため、高い利回りを期待できます。
また、金融機関によっては投資金額も1,000円から始めることができ、資金の少ない初心者にもおすすめです。
(2)ロボアドバイザーのデメリット
手数料は低いものの、自分で投資信託を選んで購入する場合と比べるとやや高いです。
投資信託の信託報酬は安いもので0.1%を下回るので、ロボアドバイザーの1%と比べるとかなり安いことが分かります。
5、資産運用【ロボアドバイザー】投資の種類
代表的なロボアドバイザーを紹介します。
(1)WealthNavi
業界で最も人気のあるロボアドバイザーがWealthNaviです。
運用プランを無料で診断してもらい、自分に最適なプランを提示してくれます。住信SBIネット銀行やSBI証券と提携しているので、いずれかの口座を持っている方はスムーズに始めることができます。
最低投資額は10万円からです。スマホひとつで始められるので資産運用初心者におすすめです。
「ロボアドバイザー」の質問事項
年齢・年収・資産・積立額・目的・リスク許容度
(2)THEO
THEOは、サービス内容はほとんどWealthNaviと同じですが、最低投資金額が1万円からとなっており、より投資初心者でも始めやすくなっています。
また、アルゴリズムに人工知能(AI)を搭載しており、通常のロボアドバイザーよりも効率的な運用が期待できます。
「ロボアドバイザー」の質問事項
年齢・投資経験・リスク許容・安定性・インフレ
(3)楽ラップ
楽天証券の「楽ラップ」は、国内株式手数料最安値になります。
楽天スーパーポイント取引で貯めたものを取引で使用することができます。
楽天市場でのポイント率がアップすることがあります。
https://wrap.rakuten-sec.co.jp/?l-id=product-nav_wrap
「ロボアドバイザー」の質問事項
年齢・性別・行動特性など16問と、他よりも質問事項が多いのが特徴です。
どこの会社も年齢や性別、リスクの許容度を診断対象にしているようです。
6、資産運用に最適な投資先を比較
ファンドラップ・ロボアド・投資会社の3つの方法をご紹介しました。
それぞれを比較する時に注意すべきは「最低投資額」でしょう。
一般的に、個人がもつ全資金から「生活防衛費」と呼ばれる向こう数ヶ月分の生活費を差し引いた資金を、投資資金として資産運用に充てます。
この投資資金がそれぞれの資産運用方法の最低投資額に達しているかをチェックします。
もし投資資金が100万円に満たないようであれば、ほぼロボアドバイザーの一択となります。
100万円以上用意できるのであれば、ファンドラップも視野に入ってくるでしょう。
1,000万円以上用意できるならば、投資会社の利用を検討しましょう。
資産形成が不十分な場合はロボアドから始めてコツコツと利益を積んでいき、資産が増えてきたところで他の方法を検討するのが無難と言えるでしょう。
7、資産運用に最適な投資先:タイプ別でどんな人にどのタイプが合うか?
具体的に、どんなタイプの方にどの投資方法が合うかについて考察してみます。
(1)サラリーマンの場合
サラリーマンの強みは、毎月決まった金額が収入として得られることです。
毎月数万円分を積立投資として、ロボアドバイザーに投資していくのがおすすめです。
短期間で大きな利益を狙うことは難しいですが、堅実な資産運用をすることができます。
(2)富裕層の場合
投資資金が潤沢ならば、ファンドラップや投資会社の利用を検討してみるのも良いでしょう。
自身の事業で忙しく、資産管理の時間がとれない場合でも、ファンドラップを利用することで専門家に資産を管理してもらうことができます。
投資会社を利用すれば大きなリターンを狙い、資産を大きく増やすことができるかもしれません。
選択肢は多いので、自分が許容できるリスクの度合いで判断すると良いでしょう。
(3)退職金、遺産などの資金の場合
まとまった資金が収入として得られた場合を考えましょう。
継続的に得られる収入ではないため、堅実な運用が求められます。
リスクの小さいロボアドに投資するか、ファンドラップに投資するのが良いでしょう。
もちろん、さらなる利益を求めて投資会社を利用する手もあります。
やはり自分が許容できるリスクから逆算し、資産運用の方法を検討していきましょう。
まとめ
資産運用に最適な投資方法を解説しました。
ファンドラップ・投資会社・投資会社いずれにしろ、どんな投資法も一長一短があります。
今回は、安定した利回りと投資先をお任せできる楽な投資方法を3つ選びました。
あなたの資産運用にお役に立てましたら幸いです。