【2022】ファンドラップ比較のポイントは?おすすめのファンドラップ3選

資産運用を全般的に任せられるファンドラップは、投資初心者の強い味方です。しかし、各社のサービスのどこを比較してファンドラップを選べば良いのかわからず、投資を始められていない方も多いものです。

この記事では、ファンドラップを比較するときのポイントや、おすすめのファンドラップを解説していきます。ファンドラップとは別の類似サービスについても知りたい方のために、プロに資産運用を任せられる類似の商品も解説します。

ファンドラップとは

ファンドラップのチャート

ファンドラップとは、証券会社などの事業者にまとまった資金を預け、管理や運用を一任する商品です。顧客の目的や投資方針に応じて運用してくれるため、オーダーメイドの資産運用ができます。

ファンドラップがおすすめなのは、資産運用の専門家に運用を任せたい人です。資産運用の初心者や、自分で運用するのに不安がある方は、ファンドラップを活用すると良いでしょう。

ファンドラップを比較するポイント

資産運用のポートフォリオ

ファンドラップは各証券会社が商品化しており、会社によって商品の特性が異なります。商品を選ぶ際に特に比較したいポイントは、次の3点です。

  • 過去の運用実績
  • 手数料
  • 最低投資額

専門家に任せられるとはいえ、過去の運用実績は重要ですし、手数料や最低投資額は申し込みの前に把握しておくべきポイントです。これらのポイントについて、なぜ比較が必要なのか、詳しく解説していきましょう。

過去の運用実績

ファンドラップを比較するときは、過去の運用実績を確認しましょう。マイナスの利回りが続いているファンドラップは運用が上手くいっていない証拠なので、投資を再検討した方が良いです。

ファンドラップはオーダーメイド型の資産運用であり、一つの基準で比較するのは難しいのですが、平均的な利回りは確認した方が良いです。明らかにマイナスの利回りで推移している商品や、ほとんど利益がゼロの商品は、投資する意味がないので見直しましょう。

 

なお、過去の運用実績が将来も続くとは限らないので、細かな数字に注目するのはあまり意味がないです。例えば、昨年の運用実績が4パーセントと5パーセントのファンドラップがあった場合、後者の方が優れた実績を出したことにはなりますが、将来にわたって続くものではありません。次の年には成果が逆転している可能性も十分にあります。

したがって、過去にプラスの利回りが出ているファンドであれば、運用能力に大きな問題は見られないと捉えられます。ファンドラップの利回りを比較するときは、細かな数字ではなく、プラスかマイナスかゼロかといった大きなくくりで比較しましょう。

手数料

ファンドラップは専門家に投資を一任できる商品なので、手数料がかかります。専門家に投資を任せられるサービスは他にもあるのですが、ファンドラップはその中でもきめ細かなサービスを行っているため、手数料も高めです。

ファンドラップの手数料は「ファンドラップ・フィー」と言い、投資顧問料と取引等管理手数料の2つで構成されています。「投資顧問料」は専門家に運用を任せるために生じる手数料で、「取引等管理手数料」は投資商品の売買などに対する手数料です。これらの他にも、運用する商品にかかる手数料も投資家が間接的に負担します。

ファンドラップ・フィーは、1%~3%に収まるファンドラップが多いです。この水準を大きく上回るファンドラップの場合、手数料が高すぎる可能性があるので、再検討しましょう。

大きな利益が得られれば手数料が高くても良いのですが、手数料が高い商品の多くは、利益が手数料で相殺されて無くなってしまったり、利益よりも手数料の方が高くなったりしています。手数料が高い商品は収益性が悪い可能性があるので、手数料の低さにもこだわってファンドラップを比較しましょう。

最低投資額

ファンドラップはまとまった資金を運用するサービスなので、最低投資額が高めです。一般的には、300万円~1,000万円が最低投資額として設定されています。

ファンドラップによって最低投資額が異なるので、自分の予算に合った商品を選びましょう。数万円など少額から投資を始めたいのであれば、ファンドラップではなく、後述する投資信託やロボアドバイザーがおすすめです。

おすすめのファンドラップ比較

実績があり、かつ手数料が低くおすすめのファンドラップを3つ紹介していきます。比較ポイントをまとめると、以下の表のようになります。

運用実績ファンドラップ・フィー最低投資額
SMBCファンドラップ年率 9.58%固定報酬型:最大で年間1.54%(税込)
成功報酬併用型:基本報酬率最大年間1.21%(税込)+成功報酬率一律11.0%(税込)
300万円
ダイワファンドラップ年率 4.367%年間0.432%~1.512%(税込)300万円
野村ファンドラップ年率 5.93%固定報酬制:最大で年間0.4104%(税込)
実績報酬併用制:最大で年間0.2052%(税込)+運用益の積み上げ額の10.8%(税込)
ファンドラップ手数料:最大で年間1.296%(税込)
500万円

各社の実績は非公表のため、ヘッジファンドダイレクトの資料から引用しました。

それぞれのファンドラップについて、特徴を詳しく解説していきます。

SMBCファンドラップ

SMBCファンドラップは、三井住友銀行で申し込めるファンドラップです。投資家のリスク許容度に合わせ、リスクとリターンが6段階に分かれた商品から選ぶことができます。

SMBCファンドラップは、数多くの中から厳選した15本の投資信託で運用しており、運用実績も高い商品です。最低投資額は300万円で、ファンドラップの中では少ない金額で申し込みができます。

 

SMBCファンドラップには、長期で契約した投資家向けに『長期ご契約割引』があります。ファンドラップの運用にかかる手数料が割引されるので、保有コストを節約できる魅力があるのです。契約から2年で割引を受けられるため、長期での投資を計画している人におすすめです。

ダイワファンドラップ

ダイワファンドラップは、大和証券で申し込めるファンドラップです。2007年からラップ口座のサービスを運用しており、2019年12月時点でファンドラップの国内シェアは24パーセントとなっており、国内トップクラスの契約実績を誇っています。

ダイワファンドラップには、円定期預金の金利を上乗せするセットプランがあり、これが人気の理由の一つとなっています。ファンドラップを300万円以上契約すると、大和ネクスト銀行の円定期預金(3ヶ月)の金利が上乗せされます。上限は対象商品の契約金額なので、ファンドラップを300万円契約した場合、300万円の円定期預金まで上乗せ金利が適用されます。

 

資産運用する際、余剰資金は投資に回しますが、必要資金は元本保証の預金で運用することが鉄則です。ダイワファンドラップを契約すれば預金の金利も優遇されるので、投資と預金の両方にメリットがあります。

野村ファンドラップ

野村ファンドラップは、野村證券で申し込めるファンドラップです。野村證券には3つのラップ口座があり、野村ファンドラップ、野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)、ラップ信託です。

最も申し込みやすいのは、最低申込額が500万円の野村ファンドラップです。野村SMAとラップ信託は3,000万円以上の申し込みとなります。

 

野村ファンドラップの特徴は、野村ファンドラップと野村SMAを合わせて8口座まで保有できることです。口座ごとに運用方針を変えられるので、資金の用途に応じた運用ができます。

例えば、老後の生活費にしたい資金はローリスクな運用をする口座で、大きく増やして趣味を贅沢に楽しむための資金はハイリスク・ハイリターンな運用をする口座といったように分けられます。

最低申込額が500万円で上記2つのファンドラップよりは高いのですが、8つまで口座を持てるメリットもあります。資金に余裕がある方は、野村ファンドラップも検討してみてください。

ファンドラップ以外のおすすめ投資方法

投資のチャート

ファンドラップについて紹介してきましたが、手数料が高かったり、最低申込額が高額だったりするため、申し込めない方もいるはずです。

ファンドラップと同じように、専門家に運用を任せられる商品は他にもあります。ここでは、ファンドラップの他におすすめできる商品を紹介するので、ファンドラップと比較しながら検討してください。

ヘッジファンド

ヘッジファンドは投資会社のプロに運用を任せられる商品で、ファンドラップよりも自由度の高い運用が魅力的です。

ヘッジファンドはファンドマネジャーらが知識と経験を駆使して工夫を凝らした運用を行うので、ファンドラップよりも高い利回りが期待できるメリットがあります。年率10パーセントや20パーセントの利回りを達成するヘッジファンドも珍しくありません。

 

デメリットとしては、一般的には最低投資額が1,000万円以上であることが挙げられます。ファンドラップと同様、まとまった資金を投資できる人に向いている商品です。

ヘッジファンドはあまり情報を公開していないので選びにくいですが、例えばアクティビスト投資を行うJapan Act合同会社がおすすめです。アクティビスト投資とは、割安で放置されている株式を購入し、株主の立場から経営に提言して企業価値を高めることで、株価の上昇を狙う投資方法です。

Japan Act合同会社

Japan Act合同会社は、年間約30%を達成しているヘッジファンドです。最低投資額は原則として1,000万円ですが、500万円から投資を始めて少しずつ増やすこともできます。実力のあるヘッジファンドなので、ファンドラップよりも高い利回りを狙いたい人におすすめです。

投資信託

投資信託も、投資会社のプロに任せられる商品です。実は、ファンドラップは複数の投資信託で運用しているケースがほとんどです。したがって、ファンドラップと投資信託はよく似た商品であるといえます。

ただし、投資信託で運用するためには、どの投資信託に投資するのが良いかを投資家が判断しなければなりません。ファンドラップの場合、このような銘柄選びもプロに任せることができます。

 

一方、投資信託はファンドラップよりも手数料が少ないメリットがあります。ファンドラップでは銘柄選びもプロが行いますが、投資信託に直接投資する場合、銘柄選びは投資家が行うため手数料が低くなるのです。投資信託は100円から投資ができるので、少額で試してみたい人にもおすすめです。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーはファンドラップとよく似た商品で、銘柄選びや実際の売買などを事業者に任せることができます。ただし、ファンドラップは人間が行うのに対し、ロボアドバイザーではAI(人工知能)など機械が行います。

そのため、ロボアドバイザーはファンドラップよりも手数料が少ないです。ロボアドバイザーはプログラムに従って売買するので、人間が売買するファンドラップよりも低コストで運用できます。また、10万円など少額で投資ができるのもロボアドバイザーのメリットです。

 

きめ細かいサービスを求める方にはファンドラップの方が向いていますが、少額で銘柄選びからやってくれるサービスを探しているなら、ロボアドバイザーがおすすめです。

まとめ

ファンドラップは、運用実績と手数料、最低投資額を比較して選びましょう。

資産運用全般を専門家に任せられることはメリットですが、手数料が高いことや最低投資額が高いといったデメリットもあります。ヘッジファンド、投資信託、ロボアドバイザーなど他の商品も検討し、自分に合った商品を見つけましょう。

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