
資産運用の平均的な年利は3パーセントから7程度ですが、投資商品を厳選すれば、年利10パーセントも狙うことができます。年利10パーセントで資産運用していくことは十分可能なので、どのような商品に投資すれば良いのか具体的に解説していきます。
ただし、平均より高めの利回りであるため、リスクもそれなりに大きくなります。投資におけるリスクとリターンは比例し、高い利回りを狙うほど元本割れのリスクも高くなってしまうことは、理解しておきましょう。
リスクについても触れるので、年利10パーセントを狙う資産運用の正しい知識を身につけ、失敗を防ぎましょう。
目次
年利10%の資産運用シミュレーション
利回りが高い方が早くお金を増やせることを、シミュレーションを通じて確認していきましょう。年利10パーセント、5パーセントの場合で100万円を20年間運用すると、こちらのグラフのように資産が増えていきます。
20年間運用すると、年利5パーセントの場合は約265万円、年利10パーセントの場合は約673万円に増えることがわかりました。当然ですが、利回りが高い方がお金を早く大きく増やすことができます。
複利効果で資産を雪だるま式に増やせる
グラフの中で注目したいのが、年数が経つにつれて年利10パーセントの方が急激にお金が増えるようになっていることです。年利5パーセントと年利10パーセントの差は、年数が経つほど拡大していっています。
これは利益を再投資することで「複利効果」が得られるためです。利益を再投資すれば元本が増えるので、より大きな利益を狙うことができ、再投資を繰り返すことで資産はどんどん増えていきます。
利回りが高い方が福利効果も大きくなるため、年数が経つにつれて年利10パーセントのシミュレーションが5パーセントを置き去りにするように上昇しているのです。
以上のシミュレーションから、年利10パーセントで運用できれば20年で100万円が約673万円に増やせることが分かりました。複利効果を使って約2.5倍に増やすことができます。
では、実際にどのような商品に投資すれば年利10パーセントで資産運用できるのか、具体的な商品を紹介していきましょう。
年利10%で資産運用する方法
年利10パーセントは平均よりは高い利回りであるため、商品を厳選しないと達成できません。そこで、年利10パーセントを目指せる商品を8種類紹介していきます。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自分に合った資産運用の方法を探していきましょう。
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、投資家が投資会社にお金を預け、自分の代わりにプロに資産運用してもらう商品です。高利回りで年利10パーセントを超える運用成果を出すことも珍しくない商品なので、年利10パーセントを目指すならぜひ活用しましょう。
ヘッジファンドが高利回りなのは、「絶対収益」という目標を掲げて運用しているからです。絶対収益とは、運用環境が良いときも悪いときも利益を出すという目標のことです。
一般的な投資商品だと、運用環境が良いときは利益が出ますが、運用環境が悪いときは損失が出ることが多いです。一方、ヘッジファンドは専門的な商品を組み合わせ、運用環境が悪いときでも利益を出せるように努力しているのです。
ヘッジファンドのメリットは、高利回りが期待できる投資方法でありながら、プロに運用を任せられることです。後述するFXや仮想通貨のような投資方法だと自力で運用する必要があるのですが、ヘッジファンドなら投資会社のプロに資産運用を任せることができます。
どの銘柄にいくらずつ投資をするのかなどを考えたり、実際に売買したりする手間がかからないので、投資の初心者や忙しくて資産運用に時間を割けない人にもおすすめです。
ヘッジファンドのデメリットは、最低投資額が1,000万円に設定されていることが多いことです。投資に使える予算が少ない方にとっては、非現実的な選択肢になってしまうでしょう。
また、ヘッジファンドは投資している人の数が少ないので、調べても優秀な会社を見つけにくいデメリットもあります。
国内の優秀なヘッジファンドを一つ挙げるなら、Japan Act合同会社が考えられます。年平均10パーセント程度の利回りを出しており、投資家からの評判も良い会社です。
Japan Actは主に「アクティビスト投資」で利益を生んでいます。アクティビスト投資とは、株式会社の株主になって企業の経営に積極的に提言することで利益を出す投資方法です。企業の業績が改善すれば企業も儲かりますし、株価が上がってJapan Actも利益を得られるので、Win-Winな投資方法と言えます。
Japan Actも基本的には1,000万円から投資申し込みを受け付けていますが、500万円から始めて少しずつ追加していくことも可能です。詳しいことは申し込み前の面談で聞くことができるので、気軽に問い合わせしてみていただければと思います。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、インターネット上で融資を行う投資方法です。お金を借りたい企業のプロジェクト(案件)がソーシャルレンディングのウェブサイト上に掲載されるので、投資家は投資したい案件を選んで投資します。
ソーシャルレンディングの利回りは2パーセントから10パーセントが目安で、中には10パーセントを超える利回りの案件もあります。
ソーシャルレンディングのメリットは、定期的に分配金をもらえることです。ソーシャルレンディング会社によって異なりますが、毎月または3ヶ月ごとに分配金が支払われるので、不労所得が期待できます。
ソーシャルレンディングのデメリットは、途中で解約できないことです。運用期間中に解約して資金を引き出すことはできないので、すぐに必要になりそうなお金は使わないなど、資金管理を行いましょう。
不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートを買って他人に貸し出し、家賃収入を得る投資方法です。物件の価値が上がったら、売却して差額を利益とすることもできます。
不動産投資の利回りの目安は5パーセント前後なのですが、やり方によっては年利10パーセント以上の高利回りを狙うことができます。中古物件や空き家を買って初期投資を安く抑え、リノベーションして価値を高めることで、利回りを上げられるからです。
初期投資が安く、家賃が高いほど利回りが高くなるので、高利回りな不動産投資をしたければ初期投資をいかに安く抑えるかがポイントです。
不動産投資には、一定の収入が長期間継続して発生しやすいメリットがあります。一度入居した人は数年間は同じ部屋に住んでくれると考えられ、その間は一定の家賃収入が途切れることなく発生するからです。
一方で、高利回りな不動産投資をしようとすると、難易度が上がるデメリットがあります。不動産投資を成功させるには立地が重要ですが、まず立地の良い場所で中古物件や空き家物件を見つけるのが大変です。
見つかったとしても、リノベーションに思ったよりお金がかかってしまい、初期投資が高くついて利回りが下がってしまう、といったことも考えられます。
株式投資
株式投資は、企業が発行する株式を買うことで出資者の一人になる投資方法です。企業が事業で利益を出したら、一部を配当金としてもらうことができます。また、買ったときよりも株価が値上がりしていれば、株式を売却して差額を利益とすることもできます。
株式投資の利回りは3パーセントから7パーセントほどですが、銘柄によっては年利10パーセント以上の利益を狙うことができます。数年で株価が10倍にも成長する銘柄は存在するので、将来有望な株式を掘り当てられば、短期間で資産を大きく増やせるメリットがあります。
ただし、大きく成長する株式を見つけること自体が難しいというデメリットが大きいです。未来を予測できるわけではないため、株価が数倍、数十倍になる銘柄を発掘するのは誰にでもできることではありません。
企業の事業の将来性や財務状況で判断していくことになりますが、どんなに経験を積んだトレーダーでも百発百中で大化けする銘柄を掘り当てることはできないという難しさがあります。
米国株式投資
米国株式投資は、アメリカの企業の株式を買う投資方法です。仕組みは一つ前に解説した国内の株式投資と同じで、配当金や値上がり益による利益を獲得することができます。
米国株式の平均利回りは7パーセントですが、銘柄によっては年利10パーセント以上も狙えます。
理由としては、アメリカは日本よりも将来有望な成長企業が多く輩出される風土があることが挙げられます。アップルやグーグル、アマゾン、ネットフリックスなど、世界経済をけん引する企業のほとんどがアメリカ国籍です。これらの企業に投資することで、日本の株式では実現しにくい高い利回りを狙えるのです。
米国株式のデメリットは、手数料が高くなってしまうことです。インターネット証券会社を中心に、日本に住んでいても米国株式の売買ができるようになってきてはいるのですが、国内株式に比べて手数料は割高に設定されています。
ただし、米国株式人気が高まってきており、各社の手数料引き下げ競争が始まっているので、もうしばらくしたら手数料が下がって投資しやすくなるかもしれません。
投資信託
投資信託は、投資会社にお金を預けてプロに運用を任せられる商品です。プロに任せられる点は、ヘッジファンドと同様です。
投資信託は基本的にはローリスク・ローリターンの商品が多く、目安の利回りは1パーセントから3パーセントほどです。しかし、年利10パーセント以上の高利回りが狙える商品も、少ないですが存在します。
例えば、新興国の株式に投資する投資信託の場合、10パーセントを超える利回りをたたき出すことがあります。新興国の経済成長に上手く乗ることで、利益を生み出せているのです。ただし、新興国の成長が永遠に続くとは限りませんし、ひとたび経済情勢が悪化すれば国が破綻するリスクもあります。
投資信託には、インターネット証券会社なら100円という少額から投資を始められるメリットがあります。ただし、年利10パーセント以上の高い利回りを目指すには、かなりリスクの高い商品に手を出さなければならないことを理解しておきましょう。
FX
FXは、外国通貨の為替レートが変動することを利用して稼ぐ取引です。例えば、1ドル=100円のときにドルを買っておき、1ドル=110円のときにドルを売れば、円換算では差額が出て儲けられます。
FXは自分で売買を繰り返して利益を出す投資方法なので、年利10パーセントと言わず、上手い人なら利回り20パーセント以上も狙える投資方法です。ただし、FXで儲かっているトレーダーは一握りで、9割以上のトレーダーは損をしている、とも言われる難易度が高い運用です。
高利回りが狙えるのは「レバレッジ」という仕組みがあるからです。FXでは、自分のお金を証拠金としてFX会社に預けることで、自己資金を上回る金額を借りるのと同じように運用することができます。レバレッジを大きくすることで、少ない資金でも大きな利益を出せるため、高い利回りを狙うことができます。
既に触れたように、誰もがFXで勝てるわけではなく、負けてお金を失ってしまう人も大勢います。自力でのトレードに自信がない人は、ヘッジファンドのようにプロに投資を任せられる商品を活用した方が良いでしょう。
仮想通貨
仮想通貨もFXと同様に、価格変動を利用して稼ぐ運用方法です。FXよりもさらに難易度が高い資産運用方法ですが、年利10パーセント以上を狙えるので、トレードの腕に自信がある方にはおすすめです。
仮想通貨も、上手く運用できれば年利20パーセント以上を狙うことができます。もっと高い利回りも実現可能で、1年で資産を1.5倍にすることも可能ではあります。
ただし、2017年頃のようなバブル相場は既に崩壊しているため、誰でも簡単に儲けられる方法ではなくなりました。現在は上がったり下がったりする相場なので、上手くタイミングを見計らって取引しないと、安く買って高く売ることができずに損をしてしまいます。
よって、仮想通貨もトレードの腕に自信がある方にはおすすめできますが、初心者など経験が浅い人にはおすすめできません。ヘッジファンドなどプロに投資を任せられる資産運用を選んだ方が良いでしょう。
資産運用で年利10%を狙う際の注意点
年利10パーセントの利回りを狙える商品は、意外と数多くあることをご理解いただけたと思います。しかし、年利10パーセントは平均よりは高めの利回りであり、リスクにも注意しながら投資をしていく必要があります。
ここでは、年利10パーセントで資産運用をするときの注意点を3つ解説していきます。
リスクが高くなりやすい
最初に触れたように、投資におけるリスクとリターンは比例します。平均より高めの年利10パーセントを狙うなら、リスクも平均より高くなると考えておくべきです。
特に、FXや仮想通貨のように自力で運用する商品は、人によってリスクの大小が異なります。トレード上級者ならまだしも、初心者にとっては損失を出すリスクが非常に大きいです。
できれば、経験のあるプロに運用を任せられるヘッジファンドや投資信託を活用し、初心者ゆえの失敗リスクを下げる工夫をした方が良いでしょう。
分散投資する
どんな投資方法にもリスクはあるので、集中投資せず、分散投資するのも重要です。
一つの投資先に集中投資していると、その銘柄が破綻したとき、全財産を失ってしまう可能性があるからです。複数の投資先に分散させていれば、ある銘柄で損失が出ても、他の銘柄が補ってくれる可能性があり、大損するリスクを小さくすることができます。
よって、一つの投資先に集中させるのではなく、お金を複数の投資先に分散させましょう。
余剰資金で投資する
投資にはリスクがあるため、余剰資金のみを投資しましょう。生活に必要なお金をつぎ込んではいけません。
生活に必要なお金とは、日々の生活費やマイホームや車のローンの支払い、結婚資金、子どもの学費などのことです。特に結婚資金や学費は長年積み立てており、まとまった金額になっているため投資に使いたくなってしまう人も多いのですが、目的が決まっているお金は投資には使わないようにしましょう。
理由は、生活に必要なお金を投資に使ってしまい、損失が出たら、人生設計を変更しなければならなくなるかもしれないからです。生活や将来に影響を出さないためにも、資産運用は余剰資金だけで行いましょう。
まとめ
年利10パーセントで資産運用する方法を解説してきました。平均よりは高めの利回りですが、さまざまな商品で狙える利回りなので、10パーセント程度であれば十分現実的です。
ただし、利回りに比例してリスクも大きくなるのが投資です。安易に手を出すと失敗して大きな痛手を被るかもしれないので、ヘッジファンドや投資信託のようにプロの手を借りられる商品を活用し、初心者ゆえの失敗を防ぎましょう。
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