「投資信託」というのは、投資初心者の方が「貯蓄から投資へ」資金の振り先を変えるときに非常に優れている金融商品です。
「プロに資産運用を任せられる」という信用性・安心性の面から個人投資家に人気を博していますが、その数はかなり多く、最初に選ぶ際にはどうやって選べば良いのか、どれを選べば良いのか、と悩む人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、「なぜ貯蓄ではなく投資が良いのか」ということからはじめ、投資信託の種類を確認していくとともに、具体的にどんなものを選べば良いのか、といったことをチェックしていきましょう。
タイトルでは「資金2000万円で始める」とありますが、それだけの資金がなくても、またそれ以上の資産がある方でも知識をつけられる内容となっていますのでご一読いただけますと幸いです。
- 1 1、投資先を決める前に!資産運用をしないリスクを知りましょう
- 2 2、利回り別!投資信託の種類は?
- 3 3、あなたの目的にあった投資信託の選び方は?
- 4 4、公社債投資信託で安全な運用
- 5 5、バランス型投資信託で安定運用 利回り1%〜4%目標
- 6 6、インデックス型投資信託で連動運用 利回り4%〜6%目標
- 7 7、アクティブ型投資信託で積極運用 利回り6%以上目標
- 8 9、迷った時は?投信ブロガーが選ぶ Fund of the Year2017 を見てみましょう
- 8.1 (1) 【1位】楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- 8.2 (2) 【2位】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 8.3 (3) 【3位】楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 8.4 (4) 【4位】野村つみたて外国株投信
- 8.5 (5) 【5位】eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 8.6 (6) 【6位】ひふみ投信
- 8.7 (7) 【7位】eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- 8.8 (8) 【8位】たわらノーロード先進国株式
- 8.9 (9) 【9位】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
- 8.10 (10)【10位】iFree S&P500インデックス
- 9 9、投資会社への投資もあり!投資会社Japan Actとは?
- 10 まとめ
1、投資先を決める前に!資産運用をしないリスクを知りましょう
まず、なぜ「貯蓄」ではなく「投資」を行ったほうが良いのでしょうか?
大きなポイントとして挙げられるのは、永く続く銀行の定期預金の金利の低さでしょう。
ネットバンクはさておき、我々が普段から利用する多くの銀行の定期預金金利は年々低くなっていく一方です。
これには日本銀行の金融緩和による政策金利の低下の負の面が表れていると言えますが、少なくともここ数年は大きな上昇は見込まれない、というのが日銀の政策からも明らかになっています。
低金利のまま横ばいを続ける預金金利に対し、株式市場のパフォーマンスというものは比較的高くなっています。
日経新聞のデータベースによると、2018年5月時点での各市場・各指数の平均配当利回りは以下のように示されています。
出典:時価情報
また過去の益回りのデータに関しては日本取引所グループのページで確認することができますが、こちらを見ても1%を下回る年は圧倒的に少数となっています。
その他統計資料 株式平均利回り(2018年4月)
上記画像の数値は「配当利回り」であるため、もちろん株式評価額の値下がりリスクというのは換算に入れる必要がありますが、それでも数値だけ見ると貯蓄より投資が良い、というのは明らかです。
ただ、銀行や証券会社のセールストークにのって手数料が異常に高いものや質が低いものを選んでしまい、損失を被ってしまっては本末転倒です。
それを避けるためにも、次の項目からは投資信託にはどのような種類のものがあるのか、自分にあっているのはどんなものなのか、ということを詳しく見ていきましょう。
2、利回り別!投資信託の種類は?
まず、ここからこの記事を見ていくにあたって全体図となるような図表となるのがこちらです。
利回りという視点から3つのタイプに投資信託を分類し、そのうえで実際にどのような商品があるのか?ということを見ていきます。
また次の項目「3、あなたの目的にあった投資信託の選び方は?」で、どんなタイプの商品が自分に合うのかを確認していきますが、あくまでも「利回り」というのは一つの判断指標でしかないことを覚えておきましょう。
3、あなたの目的にあった投資信託の選び方は?
先にも述べた通り、投資信託の種類はかなり多く、SBI証券の投資信託のトップページを見てみるとその取扱い数はなんと2625本になります。
何の指針もなしに、この中から自分にあったものを選ぶのは非常に困難だと言えるでしょう。
これだけの数の中から良いものを選ぶにはいくつかのポイントを押さえていく必要がありますが、まず多くの人の頭に浮かぶのは「利回り」ではないでしょうか。
ただ、高い利回りを謳うものには手数料や値下がりリスクといった側面を持っているものもあるため、単純にそれだけにフォーカスしていく、というのは危険だと言えます。
投資信託に限らず、資産運用をする際には「リスクとリターンは基本的には比例する」ということを頭に置いておきましょう。
ローリスクならばローリターン、ハイリスクならハイリターン、というのが一般的な考え方です。
先に見てきた市場別の平均利回りを考慮すれば、ボーダーと言える利回りのラインは1%~2%です。
この後具体的に見ていきますが、それを考慮したうえで比較的ローリスクな安定運用の利回りラインは1~4%、ややリスクを取りリターンを狙いにいって4%~6%、いわゆるアクティブファンドや外国株をポートフォリオに組み入れたファンドで積極的運用を狙い6%~というのが当記事での利回り別の3つの分類です。
そういった分け方を考慮したうえで更に頭に置いておくべきなのが以下の4点。
- 何に投資しているのか? → 投資対象資産に注目
- どこに投資しているのか? → 投資対象地域に注目
- かかる手数料(信託報酬)が低めに設定されているか?
(売買手数料のかからない「ノーロード」のものを選ぶ)
- どのように運用しているか?(バランス/インデックス/アクティブ)
他にも大事な点はあるのですが、主に重要と言えるのが上記のポイントです。
大事なのは「高い利回りに目を奪われすぎないこと」です。
前述したように、高いリターンの裏には高いリスクが控えている、ということが往々にしてあるためです。
高利回りの商品に投資をすることは決して悪いことではないのですが、その際は資産全額をその商品に使うのではなくローリスクローリターンなものも購入しておくことでリスクを分散させておくべきでしょう。
4、公社債投資信託で安全な運用
さて、この項目で見ていくのは「公社債投資信託」です。
そもそも公社債投資信託とは何なのか、ということについては下記リンク記事で詳しく述べていますが、ここではこの記事の内容を要約して紹介します。
(1)公社債投資信託のメリット・デメリットなど具体的に投資するために知っておくべき8つのポイント
「投資信託」は、いろいろな金融商品を組み込んで作られた一つの料理のようなものです。
組み入れる要素となるものには国内株式、国内債券、海外株式、海外債券とさまざまなものが存在し、また海外と言っても新興国のものか、それともアメリカのような先進国のようなものかでその特徴は大きく異なります。
また、投資信託は、「株式投資信託」と「公社債投資信託」の2つに大きく分けることができます。
前者は株式を組み入れているもの、対して後者は株式を全く組み入れず、リスクが比較的低いとされる債券だけをポートフォリオに入れている投資信託です。
「3、あなたの目的にあった投資信託の選び方は?」でも述べたように、ローリスクなものはローリターン、というのが投資信託における基本的な考え方です。
実際にどんな公社債投資信託があるのか?ということについては上記記事でも紹介していますが、SBI証券の投資信託パワーサーチを使って検索してみましょう。
(2)SBI証券 投資信託パワーサーチ
詳細条件の絞り込みで「国内債券」「国際債券」にチェックを入れて検索が完了したら、「ページ」の上に表示されている「投資指標」「運用方針」タブをクリックしてみましょう。
それぞれのファンドが過去どういった成績を収めてきたのか、という情報を確認することができます。
上の方に出てきた投資信託の投資指標をチェックしてみると、リスクメジャーは低めに表示されているものの、リターンもプラスのもので1%~2%とやや小さめになっています。
こういった点から、公社債投資信託はかなりローリスクかつローリターンな金融商品だと言えます。
5、バランス型投資信託で安定運用 利回り1%〜4%目標
さて、ここからは実際にそれぞれのタイプに分かれた投資信託を見ていきましょう。
まずは「安定運用」型、狙う利回りは1%~4%です。
(なお、投資信託は株式と同様商品の性質や市場動向によっては元本割れの危険性もあることは留意しておいてください)
1%~4% とざっくり範囲をとっていますが、より精密に分けるならば1%~2%、3%~4%と二つに分類することもできます。
期待リターンが低めであればあるほど国債のような低リスク商品の組み込み比率が上がり、期待リターンが高くなれば国債に比べリスク商品である株式の割合が増えてくる、と考えてください。
先に述べた公社債投資信託は株式の比率が0、全てが公社債で構成されているため、かなりのローリスクローリターン商品だと考えて良いでしょう。
今回の項目では、「バランスファンド」と呼ばれる、株式と債券の割合がバランスよく組まれているものを中心に見ていきます。
様々な国・地域を投資対象地域としているため、特定の市場の影響をいい意味でも悪い意味でも受けにくい、というのが特徴です。
(1)三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
日本国内、海外の株式・債券・REIT計8種類の金融商品を投資対象資産としたファンドです。
元々信託報酬が0.22572%と安いのが一つの特徴だったのですが、2018年4月より年率0.1728%とその値が引き下げられ、投資しやすさが向上しました。
(2)東京海上-東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型) (愛称:円奏会)
日本国内の株式・債券・REITをポートフォリオに組み込んだバランスファンドです。
債券の構成割合が70%を占めており、比較的手堅いファンドだと言えるでしょう。
また純資産も3680億円と積み重なっており信用もそこそこですが、信託報酬が年率0.9072%とやや高めなこと、また毎月分配型であることは注意しておきましょう。
(3)大和-ダイワ・ライフ・バランス30
二点目に挙げたものと同じく、日本債券の割合が高めとなっているのが『大和-ダイワ・ライフ・バランス30』で、その比率は55%、信託報酬も年率0.1944%と低く、またレーティングもここ10年間星4~5と高い評価を受けています。
国内株式・国際株式あわせてその比率は30%。リスクを押さえて投資をしたい、という方向けの投資信託です。
(4)三井住友-三井住友・DC年金バランス50(標準型) (愛称:マイパッケージ)
『マイパッケージ』の愛称で知られるこの投資信託は、国内外の株式・公社債へ投資する4つのマザーファンドへの組み入れを通じ世界各国の金融商品への投資を行っています。
2005年の設定来の評価額は+54.75%、またここ5年で+7.45%と安定した上昇を続けているファンドです。
(5)大和-iFree 8資産バランス
国債株式・国債債券の割合がともに24%と、やや海外に目を向けたバランスファンドですが、組み入れ銘柄の上位に名が挙がっているのはREITとなっています。
運用開始日が2016年と比較的新しいものの設定来リターンが+13.70%と大きくなっており、これからの更なる成長に期待が持たれるところです。
6、インデックス型投資信託で連動運用 利回り4%〜6%目標
安定運用型の次に紹介するのは期待利回りがおよそ4%~6%と、一つ前に紹介したものに比べやや高いリターンが見込めるものとなっています。
今回ピックアップするものの中には「何かの指数・指標に連動して基準価額が変化する」という 「インデックスファンド」がやや多めとなります。
ここで簡単にワードを説明しておくと、「指数・指標」は日経平均やNYダウ、また証券会社によって独自に設定された何かを基にした数値のことを指します。
(この指数・指標は「ベンチマーク」と呼ばれることもあります)
「基準価額」は株式でいう株価のようなもので、投資家は基準価額の値上がり益を一つの狙いとして投資信託を保有する、と言って良いでしょう。
なので、インデックスファンドの利回りは基本的にベンチマークとする数値の上昇・下落で決まってくるというわけです。
例えば日経平均連動型のインデックスファンドを買おうとする場合は、日経平均がこれからも上がっていくかどうか?という考えを一つ前に挟んでおくことが重要です。
(1)ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
日本の大型銘柄・有名企業が多く属する指標「TOPIX」をベンチマークに設定して作られたファンドです。
TOPIXの値動きは日経平均と同様ニュースサイトなどで簡単に見ることができますが、基本的にはTOPIXとほぼ似たような価格推移となると考えて良いでしょう。
日経平均連動型や先進国株連動型、新興国株連動型などありますが、「3、あなたの目的にあった投資信託の選び方は?」でも述べた通り、信託報酬の低さや過去のパフォーマンスをチェックし自分にあったものを選ぶことをオススメします。
(2)<1306> TOPIX 連動型上場投資信託
こちらもTOPIXに連動する投資信託の一つですが、こちらは上場しているため上記のものに比べて比較的好きなタイミングで売買が行えるという特徴を持っています。
上場型投資信託はいわゆる「ETF」と言われるものですが、ETFは株式・投資信託のいいとこ取りをした商品だと言えます。
(3)三菱UFJ国際-eMAXIS JPX日経400インデックス
こちらは日本証券取引所によって設定された「投資魅力の高い会社400社」を対象にした「JPX日経インデックス400」というベンチマークを設定しているインデックスファンドです。
2018年4月時点、TOPIXはおよそ2000社で構成される指数となっているため、TOPIX連動型より投資対象銘柄数を絞っているのがJPX日経400型の当ファンドだと言って良いでしょう。
(4)ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
これまで紹介してきた3つのインデックスファンドは日本株の指数に対応しているものでしたが、この『ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は「MSCI コクサイ」という外国株式を対象とした指数をベンチマークにしています。
「日本外への株式にも投資したいがよく分からない」という方にオススメしたいのがMSCIコクサイを運用目安の指針にしているものです。
(5)ブラックロック-iシェアーズ 先進国株式インデックス・ファンド
ブラックロック-iシェアーズ 先進国株式インデックス・ファンド
こちらもMSCIコクサイをベンチマークとしているファンドです。
2013年からの資産運用からの評価額は+62.57%、ここ1年での値上がり率はおよそ13%と非常に高いのですが、3年での値上がり率は約+12%とムラがあることがわかります。
信託報酬は0.4%と”許容内”ではあるものの純資産額は低めとなっており、やや全ての条件が揃っているとは言いにくい投資信託でもあります。
こういった視点を元にさまざまな種類の投資信託を見比べてみると良いでしょう。
「3.あなたの目的にあった投資信託の選び方は?」にはあえて省きましたが、純資産額の大きさもそのファンドの信用性=資金流入額を考えるうえで非常に重要です。
7、アクティブ型投資信託で積極運用 利回り6%以上目標
最後に紹介する投資信託のタイプは「アクティブ型投資信託」、その名の通り積極的な投資リターンを狙っていく種類のものです。
これまでの債券組み入れ型、指数連動型といったやや保守的なものとは異なり、ファンド運営者が組み込む銘柄を徹底的なリサーチのうえ選び、期待リターンの高い個別銘柄を複数ポートフォリオに加えていく、というのがアクティブファンドの特徴です。
アクティブファンドのメリットは何といっても利回りが高いものが多いということですが、先に述べたように今まで紹介してきたものに比べリサーチなどの時間的コストがかかっているため、手数料(信託報酬)が高めになっているという点がややネックです。
ただ、コストの割り増しをカバーする値上がり益を出しているものも少なくないため、アクティブファンドの中でも更に性質を見極めて投資を行っていく必要があると言えるでしょう。
(1)ひふみ投信(レオス-ひふみプラス)
日本で最も名が通っているとされるアクティブファンドであるひふみ投信は2012年の資産運用開始以来、評価額+320.13%という脅威のパフォーマンスを見せています。
国内外の株式に集中して投資を行い、また新規上場銘柄に積極的に投資を行っていくファンドとしても知られています。
(2)SBI-SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ(愛称:jrevive)
株価が下落した銘柄の中から優良企業を見つけ、安値からの値上がりを狙って投資を行っているのがこの『ジェイリバイブ』です。
ここ1年、3年、5年のパフォーマンスはそれぞれ約+40%、89%、+257%と圧倒的です。
信託報酬は年1.836%とあるものの、それをはるかに凌駕する結果を出していると言えます。
(3)フィデリティ-フィデリティ・日本成長株・ファンド
日本株が構成割合の98%を占めるアクティブファンドである『フィデリティ・日本成長株・ファンド』は、日本株の中でも成長株に投資を行っています。
組み入れ銘柄の上位に名を連ねているのはミスミグループ、マキタ、キーエンスといった機械系の会社です。
経営のクオリティを「経営陣」「IR」から、現場状況を「営業担当」「工場」から判断し企業調査をしており、リサーチ力はかなり高いと言えるでしょう。
(4)One-MHAM新興成長株オープン (愛称:J-フロンティア)
日本国内の株式、中でも新興企業に投資のターゲットを絞り高いパフォーマンスを出しているアクティブファンドです。
新興企業は大手企業に比べ激しい業績の変動が起きやすく、成長性の差が出やすいのですが伸びている会社をピンポイントに選び結果を出し続けているというのは注目すべきポイントです。
(5)SBI-中小型成長株ファンド-ネクストジャパン- (愛称:jnext)
日本株のうち、中小型株式を中心にしてポートフォリオに組み入れているファンドです。
業種別構成比率で多くなっているのはサービス業、小売業、次いで機械といった順番になっていますが、8つの業種がバランスよくポートフォリオを形成しています。
9、迷った時は?投信ブロガーが選ぶ Fund of the Year2017 を見てみましょう
ここまで利回り別での投資信託を見てきたと言え、実際にこれに投資しよう、とすぐ判断するのは難しいかもしれません。
そんなときは『投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year』にランクインしている銘柄を一つの参考材料にしてみましょう。
この賞は証券会社目線ではなく個人投資家目線で選ばれた投資信託のランキングで、個人ブロガーが投票した人気順にノミネートされています。
(1) 【1位】楽天・全世界株式インデックス・ファンド
構成内訳は株式100%、その中でも北米株の占める割合が50%以上と大きくなっているファンドです。
いわゆる「バンガード・ファンド」と呼ばれるものの一つで、米国を中心とした世界の株式で構成されているため、ファンド設定日は2017年9月と比較的新しいものの人気を集めています。
信託報酬が年率0.2396%程度と低いのも魅力で、これから人気が出るのに期待したいところです。
(2) 【2位】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
こちらも北米中心としたポートフォリオで構成されたインデックスファンドですが、信託報酬が0.20412%以内と1位のものに比べてやや安くなっており手を出しやすくなっています。
前年度の『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2016』で堂々の1位を獲得しており、連年熱い声援を集めている商品です。
(3) 【3位】楽天・全米株式インデックス・ファンド
1位にもランキング入りしている楽天投信投資顧問が提供する、全米株式を対象にしたインデックスファンドです。
こちらは株式100%、かつ米株100%で組まれており、米株市場の動向に基準価額が影響される商品となっています。
全世界株式と2017年9月頃のリリースであるものの、これまで低コストで米株のみを投資対象とした商品があまりなかったため注目を集めています。
(4) 【4位】野村つみたて外国株投信
1位から3位に引き続き、外国株式を中心として構成されているのがこの『野村つみたて外国株投信』です。
2017年10月に運用開始されたのち、2018年2月・2018年3月と資産流入額が対月比で5倍以上に増えており、業界最大手の野村證券が先陣を切って新興株・先進国株を組み入れた低コストの投資信託を始めたことで話題を呼んでいます。
(5) 【5位】eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
8資産均等型の名の通り、投資対象資産が8分された商品です。
投資対象地域割合で見ると日本が約40%、次いでアメリカが25%となっており、先進国の株式・債券をバランスよく組み入れた商品だと言えるでしょう。
(6) 【6位】ひふみ投信
言わずとしれたアクティブファンド、ひふみ投信が6位にランクインしています。
日本株がメインの投資対象となっており、過去には投資成績がTOPIXのパフォーマンスを上回ったことで注目を浴びました。
(7) 【7位】eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
7位にランクインしたのは5位のeMAXIS Slim バランスと同じく、eMAXIS Slimシリーズに属する『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』です。
新興国株式をメインに組み込んでいる商品で、ケイマン、韓国、台湾といった国々が投資対象地域の上位に挙がっています。
(8) 【8位】たわらノーロード先進国株式
購入時にかかる手数料が無料、という意味のノーロードを名に冠したファンドです。
ノーロードというとその代わりに信託報酬が高め、というものも多く存在するのですが『たわらノーロード先進国株式』は信託報酬が年率0.216%と類似したインデックスファンドの中でも低めに設定されているのが注目ポイントです。
(9) 【9位】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
ランク的にはこれまでのものに見劣りしますが、運用開始は2008年とランキングにあるものに比べ歴史が深めのファンドです。
純資産総額は日本円でおよそ1兆円、世界の様々な銘柄が投資対象となっており、これ一つで世界全体を投資対象とできるのが大きな特徴です。
(10)【10位】iFree S&P500インデックス
アメリカの指数、S&Pを連動指数として作られたインデックスファンドです。
S&P500という珍しくかつニーズのある指数を連動対象としていること、またそれにもかかわらず信託報酬が0.243%と比較的低めに設定されていることから、運用開始当初から資金流入の多かったファンドです。
ここまで『投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year』で選ばれた10つの投資信託を挙げてきましたが、注意しておくべきはこれらのほとんどがここ数年に運用開始した新しいファンドであるということです。
新進気鋭、とも言えますがパフォーマンスの変動が激しいものもあり、実際に投資する際は目論見書を必ずチェックするようにしましょう。
9、投資会社への投資もあり!投資会社Japan Actとは?
運用資産が、今回設定のように2000万円と大口であるならば、投資会社での資産運用を考えるのも一つの手だと言えます。
Japan Actは日本株式の投資をメインとし、株主議決権を行使して経営陣への関与を図り株価上昇を狙う、というのを投資方針の一つとしている投資会社です。
投資方針は上記画像にもあるように大きく3点、いずれも中長期のファンダメンタルズを意識した内容となっています。
まだ新しい投資会社ですが、すでに投資先の株式を『1.1パーセント』保有し、株主提案を行うなど積極的に活動しています。
資産運用に回せる資金に余裕がある方であれば、こういった投資会社を検討してみるのも良いでしょう。
まとめ
さて、ここまで利回りの観点からタイプ別の投資信託について見てきましたが、いかがでしたか。
今回の内容を簡単にまとめると、
- 何に投資しているのか? →「投資対象資産に注目」
- どこに投資しているのか? →「投資対象地域に注目」
- かかる手数料(信託報酬)が低めに設定されているか?
(売買手数料のかからない「ノーロード」のものを選ぶ)
- どのように運用しているか?(バランス/インデックス/アクティブ)
- 純資産総額は大きめか?(数千億~あると良い)
という5点をおさえたうえで利回りについて見ていくこと、という目線を大事にしてきました。
「2、利回り別!投資信託の種類は?」でも述べたように、利回りというのはあくまでも一つの視点でしかありません。
複数の視野からの要素をおさえた上で、自分の運用方針にあった投資信託を選ぶようにしましょう。